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単身赴任の手当・帰省旅費の税務(給与課税と非課税の分かれ目)

従業員を転勤させ、単身赴任の費用を会社が出すときの所得税と消費税の扱いを説明します。

2026年時点の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

単身赴任の従業員に会社が払う金銭は、名目によって所得税が非課税になるものと、給与として源泉徴収が必要なものに分かれます。引越しの運賃・移転料は原則非課税、毎月の単身赴任手当や着後滞在費は給与です。

帰省のための旅費は、会議などの出張に付随するときだけ非課税の扱いが認められます。消費税の仕入税額控除でも、手当と帰省旅費は対象外です。項目ごとに表で整理します。

支給の名目ごとの扱い(所得税・消費税)

会社が払うもの所得税(受け取る本人)消費税(会社の仕入税額控除)
転勤の引越しの運賃・移転料通常必要な範囲は原則非課税国内転勤の通常必要な部分は課税仕入れ
月額5万円などの着後滞在費給与として課税質疑応答に明記なし(単身赴任手当は課税仕入れにならない)
毎月一定額の単身赴任手当給与として源泉徴収課税仕入れにならない
会議出張に付随する帰省の旅費主として職務上の旅行なら非課税質疑応答に明記なし(国内の出張旅費は通常必要な部分が課税仕入れ)
月・年単位で定額支給する帰省旅費職務出張に付随しない限り給与扱い課税仕入れにならない(月・年単位の支給)

表で「質疑応答に明記なし」とした欄は、着後滞在費と会議出張に付随する帰省旅費を名指しした消費税の質疑応答が確認できなかったものです。かっこ内は、近い項目について国税庁が示している扱いです。

引越しの運賃・移転料は原則非課税

所得税法9条1項4号は、転居のための旅行に通常必要な支出に充てる金品を非課税としています。国税庁の質疑応答は、使用人を転勤させた場合に支給する運賃・移転料等は、原則として課税の対象にならないと書いています。

「通常必要」の範囲を超える部分は給与になります。範囲の判断は所得税基本通達9-3によります。出張日当の考え方は出張の日当と旅費規程の税務と同じです。

単身赴任手当・着後滞在費は給与

国税庁の質疑応答は、転勤先の社宅が確保できず単身赴任させ、旅費規程により当分の間月額5万円を払う事例で、着後滞在費を給与として課税すると回答しています。理由は、着後滞在費が一種の別居手当または住宅手当と考えられるためです。

消費税の質疑応答も、毎月一定額の単身赴任手当を、家族と離れて生活することで増える生活費の負担への給与の補填とみています。所得税では非課税所得にならず、給与所得として源泉徴収する対象と整理されています。

手当を決めるときは、毎月の給与計算に載せて源泉徴収する前提で金額を考えます。

帰省旅費が非課税になる条件

国税庁の質疑応答は、単身赴任者が会議等のための出張に付随して留守宅へ帰る旅費について、次の場合に非課税として差し支えないとしています。

  • 旅行の目的・行路等からみて、主として職務遂行上必要な旅行と認められること。
  • 旅費の額が、所得税基本通達9-3の非課税の範囲を著しく逸脱しないこと。

同じ回答は、留意点を3つ挙げています。

  • 対象は、会議などの職務出張を行い、これに付随して帰宅する場合の旅費に限られる。
  • 月1回などの定量的な基準で非課税とする扱いにはなじまない。
  • 帰宅のための旅行は職務出張に付随するため、期間や帰宅する地域におのずから制約がある。

質疑応答は、例として「5泊6日」と「3泊4日」のような日程の比較図を示しています。職務の出張日程に付随した帰宅であることが前提で、帰省が目的の定期的な往復は、この扱いの外にあります。元になる通達は、昭和60年11月8日の国税庁通達(直法6-7)です。

通達の単身赴任者は、配偶者または扶養親族を有する給与所得者で、転居を伴う異動をして単身で赴任した人をいいます。

消費税の仕入税額控除

国内の出張または転勤のために払う旅費・宿泊費・日当のうち、旅行について通常必要と認められる部分は課税仕入れです(タックスアンサーNo.6459)。海外への出張または転勤の旅費等は原則として課税仕入れになりません。

一方で、国税庁の質疑応答は、単身赴任手当と、月・年単位で払う帰宅旅費はいずれも仕入税額控除の対象にならないとしています。帰宅旅費は職務の遂行に必要な旅行の費用とは認められず、給与にあたるためです。

仕入税額控除そのものの要件は消費税の仕入税額控除の要件を参照してください。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。単身赴任の事情や支給の仕組みによって扱いが変わることがあります。実際の判断は、所轄の税務署または税理士へ確認してください。