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税務署の処分への不服申立て|再調査の請求と審査請求・期限3か月

更正や決定、差押えなどの処分に納得できないとき、どこへ何をいつまでに出すのか。再調査の請求と審査請求の違い、期限、納税との関係、そのあとの裁判までを、国税通則法と国税不服審判所の案内で整理します。

国税通則法75条・77条・105条・115条にもとづく
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

税務署長などがした更正・決定といった課税処分や、差押えなどの滞納処分に不服があるときは、処分の通知を受けた日の翌日から原則3か月以内に、「再調査の請求」か「審査請求」のどちらかを選んで申し立てます。再調査の請求は処分をした税務署長などに、審査請求は国税不服審判所長に出すものです。審査請求には手数料がかかりません。

個人事業主も法人も手続は同じです。調査のあとで修正申告に応じると不服申立てができなくなるため、調査の流れは法人の税務調査の手続や個人事業主の税務調査と合わせて確認してください。

不服申立てができる処分と、更正の請求との違い

国税不服審判所は、不服申立ての対象を「更正・決定などの課税処分、差押えなどの滞納処分等」と案内しています。国税通則法75条は、国税に関する法律にもとづく処分に不服がある人に、不服申立てを認めています。

自分で出した申告書の誤りを直したい場合は、不服申立てではなく更正の請求です。納税申告書を出した人は、法定申告期限から5年以内(法人税の純損失等に関する場合は10年以内)に、計算の誤りなどを理由に請求できます(国税通則法23条)。手続は法人税の修正申告・期限後申告・更正の請求と更正の請求で扱っています。

調査後の修正申告とは両立しません:調査の結果で修正申告や期限後申告を勧められ、申告書を出した場合は、不服申立てはできませんが更正の請求はできる旨の説明があります(国税通則法74条の11第3項)。内容に納得できないうちは、勧奨に応じる前に税理士へ相談してください。

再調査の請求と審査請求の違い

処分に不服がある人は、次の2つのうちどちらかを選べます(国税通則法75条1項)。どちらを選んでもよく、再調査の請求を経ずに審査請求を直接出せます。

再調査の請求審査請求
出す先処分をした税務署長など国税不服審判所長
当初の期限処分の通知を受けた日の翌日から3か月以内同じく3か月以内
結果に不服なとき再調査決定書の謄本が届いた日の翌日から1か月以内に、審査請求ができる裁決のあと、裁判所に訴えを起こせる

審査請求には、国税不服審判所に納める手数料がありません。証拠書類等の写しを請求する場合だけ、原則として1枚10円がかかります。

再調査の請求をしても、決定が出ないまま3か月たった場合は、決定を待たずに審査請求ができます(国税通則法75条4項)。このときは再調査の請求は取り下げられたものとみなされます。

国税不服審判所は、審査請求書が届いてから裁決までに通常かかる期間(標準審理期間)を1年と定めています。審理では、審査請求人と処分をした側の主張が食い違う点を中心に調査し、裁決を出します。

申立ての期限

  • 原則:処分があったことを知った日(通知を受けた場合は受けた日)の翌日から3か月以内です(国税通則法77条1項)。
  • 再調査の決定のあと:再調査決定書の謄本が送達された日の翌日から1か月以内に、審査請求ができます(同条2項)。
  • 上限:処分があった日の翌日から1年を過ぎると申し立てられません(同条3項)。
  • 例外:いずれも、正当な理由があるときは期限後でも認められる場合があります。

期限は処分の通知書が届いた日が起点です。更正通知書などが届いたら、日付を控えておき、3か月の期限の最終日をカレンダーに書いておくと安全です。

出す先の早見表

処分を行った者が誰かで、再調査の請求先が変わります。審査請求は、国税庁長官がした処分を除き、国税不服審判所長に出します。

処分を行った者再調査の請求先審査請求先
税務署長(一般の処分)税務署長国税不服審判所長
税務署長(通知書に、国税局の職員の調査に基づく旨の記載あり)国税局長国税不服審判所長
税務署長(通知書に、国税庁の職員の調査に基づく旨の記載あり)なし国税庁長官
国税局長国税局長国税不服審判所長

審査請求書は、処分をした税務署などの管轄区域を受け持つ国税不服審判所の支部(または支所)に出します。持参のほか郵送もでき、処分をした税務署などを経由して出すこともできます。提出前のチェックシートも、国税不服審判所のサイトで配られています。

申立てをしても納税は止まらない

不服申立てをしても、処分の効力や執行、手続の続行は止まりません(国税通則法105条1項)。更正で増えた税額の納期限は、申立てをしても変わりません。

例外として、差し押さえた財産の換価(売却)は、財産の価額が著しく減るおそれがある場合などを除き、決定や裁決が出るまでできません。また、申立てにより、または職権で、税金の徴収を猶予したり、滞納処分の続行を止めたりできる定めがあります(同条2項〜4項)。猶予などを希望する場合は、申立ての際に税務署や国税不服審判所へ相談します。

裁決のあとは裁判所へ

審査請求の裁決のあとでも処分に不服があるときは、裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内に、裁判所に処分の取消しを求める訴えを起こせます。

課税処分の取消しの訴えは、原則として審査請求の裁決を経たあとでなければ起こせません(国税通則法115条1項)。ただし、審査請求から3か月たっても裁決がない場合などは、裁決を待たずに訴えを起こせます。

公式一次情報

確認日は2026年10月23日です。

次に知りたいこと

よくある質問

再調査の請求と審査請求は、どちらを選べばよいですか?
どちらを選んでもよく、再調査の請求を経ずに審査請求も直接できます(国税通則法75条1項)。再調査の請求は処分をした税務署長などに、審査請求は国税不服審判所長に出します。
不服申立ての期限はいつまでですか?
処分の通知を受けた日の翌日から原則3か月以内です。再調査の決定のあとの審査請求は、決定書の謄本が届いた日の翌日から1か月以内です(国税通則法77条)。
審査請求に費用はかかりますか?
国税不服審判所に手数料などを納める必要はありません。証拠書類等の写しを請求する場合は、原則として1枚につき10円かかります。
不服申立てをすれば、税金を納めなくてよいですか?
申立てをしても、処分の効力や執行は止まりません(国税通則法105条1項)。徴収の猶予などの定めはありますが、申立てだけで納税が止まるわけではありません。
修正申告をしたあとでも不服申立てはできますか?
調査の結果にもとづく修正申告書を出した場合は、不服申立てはできませんが、更正の請求はできます(国税通則法74条の11第3項)。
審査請求の裁決に不服なときは、どうなりますか?
裁決があったことを知った日の翌日から6か月以内に、裁判所へ処分の取消しを求める訴えを起こせます。
本記事について。税理士の監修前の概説です。個別の処分への対応や申立ての判断は、税理士にご相談ください。
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典