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中間配当とは|取締役会設置会社が定款の定めで年1回できる条件

事業年度の途中に取締役会の決議で配当する「中間配当」の条件を、会社法454条5項と配当の財源規制(461条・462条)で整理します。取締役会を置かない小さな会社が使えるかも確認します。

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編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

中間配当は、取締役会を置く株式会社が、定款に定めておけば、1事業年度の途中に1回に限り、取締役会の決議で金銭の配当をする仕組みです(会社法454条5項)。取締役会を置いていない会社は、この条文の対象になりません。

  • 使える会社は「取締役会設置会社」で、配当は金銭に限られます。
  • 定款に「中間配当ができる」旨の定めが必要で、定款の変更は株主総会の特別決議です。
  • 回数は事業年度ごとに1回までです。
  • 配当の上限は、通常の配当と同じく分配可能額で、超えると責任が生じます。

中間配当ができる会社と条件

会社法454条5項は、取締役会設置会社が、一事業年度の途中において一回に限り取締役会の決議によって剰余金の配当(配当財産が金銭であるものに限る)をすることができる旨を、定款で定められると定めています。この配当を同項で「中間配当」と呼びます。

項目通常の配当中間配当
決める機関株主総会(454条1項)取締役会(454条5項)
定款の定め不要必要
配当財産金銭以外も可(454条4項)金銭に限る
回数条文上の回数制限は確認できない一事業年度に1回まで

通常の配当の決議事項(配当財産の種類と帳簿価額の総額、割当てに関する事項、効力発生日)は、中間配当でも同じです。454条5項は、1項の「株主総会」を「取締役会」と読み替えると定めています。配当のたびに積む準備金は利益準備金の解説、決議の流れは法人が配当を出す手続きで解説しています。

定款に定めがなければ、取締役会だけでは配当を決められません。中間配当をしたくなってから定款を変えるのでは、その事業年度に間に合わないことがあります。

取締役会を置かない会社はどうなるか

会社法2条7号は、取締役会設置会社を「取締役会を置く株式会社又はこの法律の規定により取締役会を置かなければならない株式会社」と定義しています。454条5項の主語はこの取締役会設置会社です。

したがって、取締役会を置いていない株式会社(取締役1人から数人だけの小規模な会社など)は、454条5項の中間配当を定款で定めることができません。こうした会社は、配当をしたいときに、その都度株主総会の決議で決めます(454条1項)。条文上、通常の配当に年1回という回数の制限は確認できないため、総会を開けば事業年度の途中でも配当を決められます。

なお、合同会社には株主総会も取締役会もなく、利益の配当は別の規定で動きます。この記事は株式会社の話です。会社形態の違いは合同会社と株式会社の違いで整理しています。

定款に入れる手順

  1. 取締役会を置いていることを確認する。
  2. 定款に、中間配当を取締役会の決議で行える旨を加える。
  3. 定款の変更は株主総会の決議で行う(466条)。会社法309条2項11号により、この決議は特別決議(議決権を行使できる株主の議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上)が求められます。

定款の変更を株主総会で決める流れは、事業目的の変更の記事でも扱っています。

配当の上限と責任

中間配当も剰余金の配当ですから、461条1項8号により、株主へ交付する金銭等の帳簿価額の総額は、効力が生じる日の分配可能額を超えてはなりません。分配可能額の考え方は461条2項に定められています。

事業年度の途中では、その期の利益がまだ確定していません。461条2項2号は、臨時計算書類について441条4項の承認を受けた場合に、その期間の利益の額などを分配可能額に加えられると定めています。

臨時計算書類は、取締役会設置会社では取締役会の承認が必要で(441条3項)、監査役設置会社や会計監査人設置会社では監査も受けます(441条2項)。さらに取締役会設置会社では、法務省令の要件に当たる場合を除き、取締役会の承認を受けた臨時計算書類について株主総会の承認も必要です(441条4項)。

分配可能額を超えて配当した場合は、462条により、配当を受けた株主と業務執行者などが、会社に対して連帯して、受け取った金銭等の帳簿価額に相当する金額を支払う義務を負います。

配当を受け取った側の所得税は、配当所得の確定申告で整理しています。

よくある質問

取締役会を置いていない会社は中間配当ができますか?
会社法454条5項の中間配当は取締役会設置会社が対象で、取締役会を置かない会社は定款で定められません。配当は、その都度株主総会の決議で決めます。
中間配当は定款に定めがないとできませんか?
はい。取締役会の決議で配当するには、中間配当ができる旨の定款の定めが必要です。
中間配当は事業年度に何回までできますか?
454条5項の中間配当は、一事業年度の途中において1回に限られます。
中間配当に金銭以外の財産を使えますか?
使えません。454条5項は、配当財産が金銭であるものに限っています。
赤字でも中間配当を出せますか?
上限は当期の損益ではなく、効力が生じる日の分配可能額です(461条)。分配可能額を超えると462条の責任が生じるため、実行前に決算書や臨時計算書類で確認してください。

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本記事について。税理士監修前の概説です。定款の定め方や配当の可否は会社の機関設計や決算内容によって変わるため、実際に行う前に司法書士・税理士へ確認してください。出典:e-Gov法令検索(会社法)。