法人口座の開設|必要書類・審査で見られる点・メガバンクとネット銀行の違い・日数
会社を設立したあとに開く法人口座について、銀行の公式案内にもとづき、必要書類、審査で確認される内容、銀行の種類ごとの違い、開設までの日数の目安を整理します。
銀行の公式案内法人口座は、設立登記が終わってから書類をそろえて申し込むのが基本です。ただし、銀行によっては登記の手続き中から申込みを始められ、必要書類も大きく違います。銀行の種類で、書類の数と日数がどう変わるかを先に確認しておくと、設立後の段取りが組みやすくなります。
必要書類の基本セット
三菱UFJ銀行は、法人口座開設の必要書類として、次の3点を挙げています。
- 履歴事項全部証明書(発行から6か月以内)
- 法人の印鑑証明書(発行から6か月以内)
- 取引担当者(手続きをする人)の公的な本人確認資料(運転免許証、パスポート、個人番号カードなど)
これに加えて、許認可が必要な業種は許認可などの完了が分かる資料、代表者以外が手続きする場合は委任状、代表者以外に事業活動へ支配的な影響力をもつ株主や役員がいる場合は実質的支配者を確認できる資料(実質的支配者リストの写し、株主名簿など)が必要です。会社案内、見積書などの追加提示を求められることもあります(三菱UFJ銀行「法人口座開設」)。
審査で確認される内容
信用金庫の案内では、マネー・ローンダリング等の防止を強化するため、法人口座の開設時に審査を行い、次の確認を実施するとしています(鹿児島相互信用金庫の例)。
- 代表者と実質的支配者に当たる人の、公的な本人確認書類(顔写真がない書類は複数点)
- 設立12か月以内の法人は、所轄税務署宛の法人設立届出書の控え、または青色申告承認申請書の控え
- 事業内容が分かる資料(会社案内、商品パンフレット、ホームページなど)
同じ案内には、事業内容の確認のために事業所への訪問や面談をお願いすることがあること、審査の結果、口座開設をお断りすることがあることも書かれています(鹿児島相互信用金庫「法人名義の口座を開設されるお客さまへのお願い」)。
ネット銀行も事業内容を確認します。GMOあおぞらネット銀行では、事業内容確認書類としてホームページ、契約書、請求書などを1点以上提出します。登記事項証明書、定款、法人設立届出書だけでは受け付けられないと明記されており、対象の人にはAIによるWeb面談(約10分)もあります(GMOあおぞらネット銀行「法人銀行口座開設までの流れ」)。
つまり、どの種類の銀行でも「会社が実在し、何の事業をしているか」を書類で示せることが前提です。設立直後で売上の書類がない場合は、ホームページ、会社案内、事業計画書など、事業の中身を説明できるものを先に用意しておきます。
銀行の種類ごとの違い(比較表)
| 項目 | 三菱UFJ銀行(メガバンク) | GMOあおぞらネット銀行(ネット銀行) | 信用金庫(鹿児島相互信用金庫の例) |
|---|---|---|---|
| 申込み方法 | WEB申込み。個人事業主・任意団体などは店頭 | すべてオンライン(店舗なし) | 最寄りの本支店で手続き |
| 登記事項証明書 | 必要(発行6か月以内) | 代表者と取引責任者が同一なら不要 | 案内では従来から「法人現在(履歴)事項全部証明書」等を徴求 |
| 印鑑証明書 | 必要(発行6か月以内) | 代表者と取引責任者が同一なら不要 | 案内に記載なし(銀行へ確認) |
| 事業内容の確認 | 会社案内・見積書などの追加提示を求める場合あり | 事業内容確認書類を1点以上提出 | 会社案内・ホームページなどを提出。訪問・面談の場合あり |
| 日数の公式な目安 | 公式ページに記載なし | 最短即日(審査状況により数日) | 2週間程度かかる場合あり |
書類の数が少ないネット銀行でも、事業内容の確認は省かれません。反対に、書類が多い銀行は、手続きが重い分、設立後の取引全体を同じ銀行にまとめたい会社に向いているかもしれません。どの銀行が自社に合うかは、振込手数料、融資の予定、取引先の指定口座などを見て決めます。
開設までの日数
日数の公式な目安は、銀行ごとに書き方が違います。
- GMOあおぞらネット銀行:代表者と取引責任者が同一で、マイナンバーカード読取または自撮り動画で申し込んだ場合は、最短即日で利用できます。審査状況によっては数日かかり、休業日に申し込んだ場合は当日の開設はできません(同行「法人口座開設のよくあるご質問」)。
- 鹿児島相互信用金庫:申込みから口座開設まで2週間程度かかる場合があります。
- 三菱UFJ銀行:公式ページには日数の記載を確認できませんでした。申込み前に銀行へ確認してください。
追加書類の提出を求められると、その分だけ延びます。登記の完了日、税務署への届出、取引先への口座の連絡日から逆算して、申込みは余裕をもって行います。
設立直後の準備チェック
- 設立登記が完了したら、履歴事項全部証明書と印鑑証明書を取得する(発行から6か月以内のものを使う)。
- 手続きをする人の本人確認書類を用意する。顔写真がない書類は複数点が必要になる場合がある。
- 代表者以外が手続きする場合は、委任状を用意する。
- 株主や役員に、代表者以外で事業を支配する人がいないか確認する。いれば実質的支配者を確認できる資料を用意する。
- ホームページ、会社案内、見積書、契約書など、事業内容を示す資料を用意する。
- 税務署へ法人設立届出書を提出し、控えを手元に残す(設立12か月以内の確認書類に使う銀行がある)。
個人事業の口座を法人口座として使い続けられるかは法人成りで個人の事業用口座はどうなるかで整理しています。
公式一次情報
- 三菱UFJ銀行「法人口座開設」(必要書類、登記中の申込み、WEB申込み対象外)
- GMOあおぞらネット銀行「法人銀行口座開設までの流れ」(事業内容確認書類、AI面談)
- GMOあおぞらネット銀行「法人口座開設のよくあるご質問」(原則2点、最短即日)
- 鹿児島相互信用金庫「法人名義の口座を開設されるお客さまへのお願い」(必要書類、2週間程度、訪問・面談)
まとめ
- 法人口座は設立登記の完了後に申し込むのが基本。銀行によっては登記の申請中から申込みを始められる。
- 必要書類は銀行で違う。履歴事項全部証明書と印鑑証明書を求める銀行もあれば、代表者と取引責任者が同一なら不要とするネット銀行もある。
- どの銀行でも事業内容を書類で確認される。設立直後は会社案内やホームページなどを先に用意する。
- 日数は最短即日から2週間程度まで幅がある。申込み前に、その銀行の公式案内で確認する。
よくある質問
- 設立登記が終わる前に、法人口座の申込みはできますか?
- 三菱UFJ銀行は、法人登記を申請中でも申込みの手続きを始められると案内しています。登記完了後に履歴事項全部証明書と印鑑証明書を提出します。銀行ごとに扱いが違うため、申込み前に確認してください(出典:三菱UFJ銀行)。
- ネット銀行なら、登記事項証明書は不要ですか?
- GMOあおぞらネット銀行は、代表者と取引責任者が同一の場合、履歴事項全部証明書・法人の印鑑証明書・定款は不要で、取引責任者の本人確認書類と事業内容確認書類の原則2点としています。すべてのネット銀行に当てはまるわけではありません(出典:GMOあおぞらネット銀行)。
- 設立したばかりで売上がなくても、開設できますか?
- GMOあおぞらネット銀行は、設立年数や売上高に関する制限はないとしています。一方で事業内容の確認は行われるため、ホームページや契約書、事業計画書などの用意が必要です。審査の結果、開設できない場合もあります(出典:GMOあおぞらネット銀行、信用金庫の案内)。