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株主名簿の作成義務・記載事項・備置きと閲覧請求

株式会社は、株主名簿を作って本店に備え置かなければなりません。社長1人の会社でも同じです。記載する4つの事項、株主や債権者から閲覧を求められたときの対応、株主から書面の交付を求められたときの扱いを、会社法の条文で整理します。

会社法121条・122条・125条
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

法人成りで株式会社を作ったあと、株主名簿を作っていない会社は少なくありません。会社法121条は、株式会社に株主名簿の作成を義務づけています。登記には出てこない書類なので、設立後に作り忘れやすい点に注意が要ります。

株式を譲るときの承認と名義書換は株式譲渡の承認手続きにまとめています。この記事は、名簿そのものの作り方と保管に絞ります。

記載する4つの事項

会社法121条は、株主名簿に次の事項を記載または記録するよう定めています。

事項内容
1株主の氏名または名称と住所
2株主が持つ株式の数(種類株式を発行する会社は、種類ごとの数)
3株主がその株式を取得した日
4株券を発行する会社で、株券が発行されている株式の株券の番号

株券を発行しない会社が多いため、通常は1から3の事項を記載します。紙の名簿でも、パソコンで管理するデータでも構いません。条文は「記載し、又は記録しなければならない」としています。

本店への備置きと閲覧請求

会社法125条1項は、株主名簿を本店(株主名簿管理人がいる場合はその営業所)に備え置くことを求めています。

株主と債権者は、会社の営業時間内なら、いつでも名簿の閲覧や謄写(写し)を請求できます。請求するときは、理由を明らかにしなければなりません。

会社は、次のいずれかに当たる場合を除き、請求を拒めません(同条3項)。

  • 請求者が、権利の確保や行使に関する調査以外の目的で請求したとき
  • 会社の業務を妨げたり、株主の共同の利益を害したりする目的のとき
  • 名簿を見て知った事実を、利益を得て第三者に知らせるための請求のとき
  • 請求者が過去2年以内に、名簿で知った事実を利益を得て第三者に知らせたことがあるとき

取引先などの債権者も請求できる点は、見落としやすい部分です。名簿に載せている株主の住所は、請求があれば見られる前提で管理してください。

株主が書面の交付を求めたとき

会社法122条は、株主が自分についての記載事項を書いた書面(名簿記載事項記載書面)の交付を会社に請求できると定めています。電磁的記録で提供を求めることもできます。

交付する書面には、代表取締役が署名するか、記名して押印します(同条2項)。

名簿の書換えと譲渡の関係

会社法130条1項は、株式の譲渡は、取得した人の氏名または名称と住所を株主名簿に記載しなければ、会社その他の第三者に対抗できないと定めています。名簿を最新に保つことが、株主の権利を会社に主張する前提になります。

株式を取得した人は、会社に名簿への記載を請求できます(同法133条1項)。この請求は、原則として、名簿に載っている前の株主か、その相続人などと共同で行います(同条2項)。

譲渡制限株式を取得した場合は、会社の承認を受けているなど、同法134条の各号に当たるときに限って、この請求ができます。承認の手続きは株式譲渡の承認手続きで扱っています。相続で株式を取得した人も、134条の各号に挙がっています。

相続で株式を取得した場合の書換えは、相続人が単独で請求できます。相続した株式の名義書換で整理しています。

よくある質問

社長1人の会社でも株主名簿は必要ですか?
必要です。会社法121条は、株式会社に株主名簿の作成を義務づけており、株主の人数による例外は定めていません。
株主名簿は登記に出ますか?
出ません。名簿は会社が自分で作り、本店に備え置く書類です。
債権者や取引先も閲覧できますか?
会社法125条2項は、株主と債権者に閲覧・謄写の請求を認めています。請求のとき理由を明らかにする必要があり、同条3項の事由がなければ会社は拒めません。
電子データで管理しても構いませんか?
構いません。121条は「記載し、又は記録」と定め、125条2項2号は電磁的記録で作った名簿の閲覧請求も予定しています。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。名簿の様式や管理方法は、会社の状況で変わります。実際の対応は、司法書士または弁護士へ確認してください。