国民健康保険の産前産後免除|4か月・多胎・届出と2年の期限
国民健康保険に入っている個人事業主やフリーランスが出産するとき、出産前後の一定期間の保険料が免除されます。免除される月、対象になる出産、届出の時期と注意点を順に説明します。
令和6年1月開始の制度国民健康保険には、令和6年(2024年)1月から、出産する被保険者の産前産後期間にあたる4か月分の保険料を免除する仕組みがあります。免除を受けるには、市区町村への届出が必要です。
この記事では、免除される月、対象になる出産の範囲、届出の時期と期限を確認します。国民年金の免除は国民年金の産前産後免除の記事にあり、届出先も制度も別です。
免除される期間(単胎・多胎)
厚生労働省の資料では、免除期間を次のように示しています。
| 妊娠の種類 | 免除される期間 |
|---|---|
| 単胎 | 出産予定日または出産日が属する月の1か月前から4か月間 |
| 多胎 | 出産予定日または出産日が属する月の3か月前から6か月間 |
たとえば出産予定日が令和9年5月なら、単胎は令和9年4月から7月までの4か月間が免除の期間です。届出のあとで実際の出産日が予定日と異なっても、保険料の再計算はせず再度の届出も要らないと案内する自治体があります(世田谷区)。
この記事の内容を申告書に落とすときの本PR
記事で確かめた内容を、申告書の記入や帳簿の付け方まで一冊で追いたいとき向けです。
対象になる出産と免除される保険料
対象になる出産は、妊娠85日(4か月)以上の分娩です。厚生労働省の資料は、出産、死産、流産、早産、人工妊娠中絶のいずれも対象になるとしています。
免除されるのは、その年度に納める保険料のうち、対象期間にあたる分の均等割額と所得割額です。免除した分の費用は、国が2分の1、都道府県と市町村が4分の1ずつ負担します。
届出の時期と2年の期限
届出は、出産予定日の6か月前からできます。出産後の届出もできます(新宿区、世田谷区の案内)。届出先は、加入している市区町村の国保窓口です。
出産後に届け出る場合は期限があります。新宿区は、対象期間の属する年度の最初の納期の翌日から2年を過ぎると、その年度の保険料は変更できなくなると案内しています。世田谷区も、2年を経過した日以降は適用対象外としています。
様式や添付書類は自治体ごとに異なります。出産前は母子健康手帳など出産予定日が分かる書類を求める自治体が多いので、届出前に市区町村の案内で確認します。
出産育児一時金の支給を受けている場合は、届出が不要とする自治体もあります(新宿区)。その場合は、区で出産の事実を確認して保険料を軽減します。
免除が小さくなる場合と注意点
- 賦課限度額に達している世帯:軽減を適用しても、保険料が減額されない場合があります(新宿区)。
- すでに納めた保険料:対象期間分を納めたあとで免除が決まったときの扱いは、自治体の案内で確認します。世田谷区は、納めすぎになった分の取扱いを案内しています。
- 国民健康保険組合:この記事で確認したのは市区町村の国保です。国保組合に加入している人は、加入先の組合に確認してください。
出産のときに受け取れる給付は、国民健康保険の出産育児一時金と葬祭費の記事に、保険料の水準は国保料の低所得軽減の記事にあります。
法人成りした場合
法人成りして社会保険(健康保険・厚生年金保険)に入ると、国民健康保険は抜けます。その後の産前産後期間は、事業主が申出書を出す社会保険料の免除の対象になります。違いは一人社長・役員の産休と育休の記事で整理しています。
国保の保険料の全体像は国民健康保険料の記事にあります。
公式一次情報
- 厚生労働省「全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律の閣議決定について(報告)」(2026-10-24確認)
- 厚生労働省「国民健康保険システム標準化 令和5年度標準仕様書改定」資料(2026-10-24確認)
- 新宿区「産前産後期間の国民健康保険料の軽減について」(2026-10-24確認)
- 世田谷区「産前産後期間の国民健康保険料免除について」(2026-10-24確認)
まとめ
- 国民健康保険は、出産予定月等の1か月前から4か月間(多胎は3か月前から6か月間)の均等割額と所得割額が、令和6年1月から免除される。
- 妊娠85日以上の出産が対象で、死産・流産・早産・人工妊娠中絶も含む。
- 届出は出産予定日の6か月前から、出産後も可能。出産後は、年度の最初の納期の翌日から2年が目安の期限になる。
- 賦課限度額に達した世帯では減額されない場合がある。様式や書類は自治体ごとに確認する。
次に知りたいことは、国民年金の産前産後免除、国保の出産育児一時金、傷病手当金・出産手当金の記事で確認できます。
よくある質問
- 国民健康保険の産前産後免除は、何か月分ですか?
- 単胎は、出産予定日または出産日が属する月の1か月前から4か月間です。多胎は、3か月前から6か月間です。
- いつから届出できますか?
- 出産予定日の6か月前から届出できます。出産後でも届出できます。
- 出産後に届け出るとき、期限はありますか?
- 新宿区は、対象期間の属する年度の最初の納期の翌日から2年を過ぎると、その年度の保険料は変更できなくなると案内しています。
- 流産や死産でも免除されますか?
- 妊娠85日(4か月)以上の出産が対象で、死産、流産、早産、人工妊娠中絶も含まれます。
- 国民年金の産前産後免除とは同じ届出ですか?
- 別の制度です。国民健康保険は市区町村の国保窓口、国民年金は市区町村の国民年金担当窓口で、それぞれ届け出ます。

