青色事業専従者給与に関する変更届出書|出す場合・出さなくてよい場合と書き方
家族に払う給料を増やすとき、専従者が増えたときに出す変更届出書について、国税庁の案内と記載要領にそって、出す場合と出さなくてよい場合、提出時期、書き方を整理します。
国税庁の制度青色事業専従者給与は、先に出した届出書に書いた金額の範囲内でしか、必要経費にできません。あとから給料を上げたくなったときや、家族がもう1人手伝うことになったときは、届出書の書き直しにあたる「青色事業専従者給与に関する変更届出書」を出します。
ここでは、変更届出書が必要な場合と不要な場合、出す時期、記載要領にある書き方を順に説明します。最初の届出書や要件は青色事業専従者給与の要件と届出で整理しています。
変更届出書が必要になる場合
国税庁の手続案内(A1-11)は、変更届出書が必要な場合を次のように示しています。
- 届出書に記載した専従者給与の金額の基準を変更する場合(給与規程を変更する場合、通常の昇給の枠を超えて給与を増額する場合など)
- 新たに専従者が加わった場合
- そのほか、青色事業専従者給与の支給に関して変更する事項があるとき
様式は、最初の届出と同じ「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」です。1枚の用紙を、届出にも変更届出にも使います。
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出さなくてよい場合
国税庁の福岡国税局向けの案内資料には、記載例の注意書きとして、次の趣旨が書かれています。
| 場面 | 変更届出書 |
|---|---|
| 届出書に書いた金額を超えて給与を払う | 必要(超えた分は届出がないと経費にならない) |
| 届出書に書いた金額より少なく払う | 不要 |
| 届出書に書いた昇給の基準どおりに上げる | 通常の昇給の枠内なら不要(枠を超えるなら必要) |
| 専従者が1人増える | 必要 |
給料の金額は予定で構わないが、それが経費にできる上限になる、というのが同資料の説明です。なお、実際の勤務や仕事に見合わない高い金額を書いても、次の「相当と認められる金額」の範囲を超えた部分は経費になりません。
記載要領は、昇給の基準の欄に「使用人の昇給基準と同じ」などと書く例を示し、変更届出書が要るのは「通常の昇給の枠を超えて給与を増額する場合」だとしています。何が通常の昇給の枠かに迷うときは、税務署に確認してください。
出す時期と提出先
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提出時期 | 遅滞なく |
| 提出先 | 納税地を所轄する税務署長 |
| 提出方法 | e-Taxソフトで作成してe-Taxで提出。書面の場合は持参または送付 |
| 手続の根拠 | 所得税法施行令第164条 |
最初の届出書には「3月15日まで」などの期限がありますが、変更届出書の提出時期は「遅滞なく」です。「遅滞なく」は、変更の事実が生じたら間を空けずに、という意味です。
年の途中で新たに専従者になった人については、国税庁の質疑応答事例が、専従者とした日から2か月以内に届出(変更届出)書を出す必要があると説明しています(所得税法第57条第2項、所得税法施行規則第36条の4第3項)。年の中途に退職して親の事業に専従した子の事例で、従事可能期間の2分の1を超えて専従していれば、6か月未満でも経費にできるとされたものです。
税務署の窓口の受付時間は、原則として午前9時から午後3時です。国税庁の案内では、令和8年10月1日から全ての税務署で総合窓口の受付時間をこの時間にしています。
書き方と添付書類
国税庁の記載要領にある、給与に関する欄の書き方は次のとおりです。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 仕事の内容・従事の程度 | 「販売事務」「記帳事務」などの仕事の内容と、その職責(経理責任者など)。従事の程度は「毎日5時間程度従事」などと書く |
| 資格等 | 特殊技能の有無。簿記2級などの資格があるかどうかを書く |
| 経験年数 | 事業に従事している期間。同種や類似の事業に従事した期間があれば加える |
| 給料の支給期・金額 | 支給期は「毎月○日ごろ」など。金額は月額で、定額の給与以外にあるときはその種類と見込月額を付記する |
| 賞与の支給期・金額 | 「○か月分(または××円)」などと書く |
| 昇給の基準 | 「毎年おおむね○%(または××円)」など。専従者の場合は「使用人の昇給基準と同じ」と書く例がある |
| その他参考事項 | 専従者が他に職業を持つ場合や就学している場合に、「○○(株)取締役」「○○大学夜間部」などと書く |
| 使用人の給与 | 専従者の仕事と似た仕事をする使用人や、給与水準を示す代表的な例を選んで書く |
届出書に記載した内容とは別に給与規程を定めているときは、その写しを添付します。記載要領は、給与規程の写しを添付したときは、昇給の基準の欄の記載を省略しても差し支えないとしています。
届出をしても経費にならない部分
変更届出書を出せば、書いた金額がそのまま経費になるわけではありません。記載要領は、必要経費になる青色事業専従者給与の額を、次の状況から見て相当と認められる金額で、しかも届出書に記載した金額の範囲内のものに限る、としています。
- 専従者の労務に従事した期間、労務の性質とその程度
- 事業に従事するほかの使用人の給与、同種同規模の事業に従事する者の給与の状況
- 事業の種類・規模と収益の状況
タックスアンサーNo.2075も、青色事業専従者給与の額は労務の対価として相当であると認められる金額であること、過大とされる部分は必要経費にならないことを挙げています。
また、青色事業専従者の要件には、12月31日現在で15歳以上であること、その年を通じて6か月を超える期間(一定の場合は事業に従事できる期間の2分の1を超える期間)専ら事業に従事していること、があります。これを満たさない人の給与は、変更届出書を出しても青色事業専従者給与になりません。給与を受ける人は同一生計配偶者や扶養親族にもなれません。
開業した年や廃業する年の専従期間の数え方は開業・廃業した年の青色事業専従者給与で扱っています。白色申告の場合の専従者控除は白色専従者控除で、青色との違いは青色申告と白色申告の違いで確認できます。
次に知りたいこと
青色事業専従者給与の要件と届出:最初の届出書の期限と経費にできる条件
開業・廃業した年の青色事業専従者給与:専従期間を2分の1超で判定する場合
個人事業主の届出・手続き一覧:開業から廃業までの届出書と期限
公式情報
- 国税庁「A1-11 青色事業専従者給与に関する変更届出手続」(変更届出書が必要な場合、提出時期、提出先、添付書類、受付時間、手続根拠)
- 国税庁「青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書」記載要領(変更届出書を出す場合、相当と認められる金額、欄ごとの書き方)
- 国税庁「No.2075 青色事業専従者給与と事業専従者控除」(要件、届出の期限、変更届出書)
- 国税庁(福岡国税局)「青色事業専従者給与に関する届出書」記載例(記載額を超えて払う場合は変更届出書、少なく払う場合は届出不要)
- 国税庁質疑応答事例「年の中途で事業に従事した親族に係る青色事業専従者給与」(年の途中で専従者になった場合の届出)
まとめ
- 届出書に書いた金額を超えて給与を払うとき、専従者が増えるときは、変更届出書を遅滞なく出す。
- 届出書より少なく払う場合は、変更届出書は不要。
- 様式は最初の届出と同じ用紙で、提出先は納税地の税務署長。給与規程があれば写しを添付する。
- 届出をしても、労務に見合わない高い部分は経費にならない。
よくある質問
- 家族の給料を上げるとき、変更届出書は必ず出しますか?
- 届出書に書いた金額の基準を変える場合や、通常の昇給の枠を超えて増額する場合は出します。届出書に書いた金額より少なく払うだけなら不要です(出典:国税庁)。
- 変更届出書の提出期限はいつですか?
- 国税庁の手続案内では「遅滞なく」とされています。変更届出書の手続案内には日付の期限はありません。ただし新たに専従者を加える場合は、専従者とした日から2か月以内に届出(変更届出)書を出すとする質疑応答事例があります(出典:国税庁)。
- 変更届出書には、何を添付しますか?
- 届出書に記載した内容とは別に給与規程を定めているときは、その写しを提出します(出典:国税庁)。

