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開業・廃業した年の青色事業専従者給与|専従期間は2分の1超で判定

年の途中で開業または廃業した年は、専従者が「その年を通じて6か月を超える期間」働けないことがあります。その場合の専従期間の判定と、開業年の届出書の期限を、所得税法施行令165条と国税庁の資料で整理します。

開業・廃業
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

家族に払う青色事業専従者給与は、原則として「その年を通じて6か月を超える期間、専ら事業に従事していること」が条件です。ところが、10月に開業した年や、6月に廃業した年は、事業をしている期間そのものが6か月に満たないことがあります。

先に結論:開業・廃業などで年の途中しか事業をしていないときは、事業に従事できる期間の2分の1を超えて専ら従事していれば足ります。開業した年は、届出書を開業日から2か月以内に出します。
場面専従期間の判定
通常の年その年を通じて6か月を超える期間、専ら従事
年の途中の開業・廃業・休業など事業に従事できる期間の2分の1を超える期間、専ら従事
専従者の死亡・長期の病気・婚姻など従事できた期間の2分の1を超える期間、専ら従事

6か月超が原則、例外は2分の1超

所得税法施行令165条1項は、親族が事業に専ら従事するかどうかを、専ら従事する期間がその年を通じて6か月を超えるかどうかで判定すると定めています。

ただし書きで、次のいずれかに当たるときは、事業に従事できると認められる期間の2分の1に相当する期間を超えて専ら従事すれば足りる、としています。

  • 事業が、年の中途における開業、廃業、休業、事業主の死亡、季節営業などの理由で、年中を通じて営まれなかった
  • 専従者が、死亡、長期の病気、婚姻などの相当の理由で、年中を通じて従事できなかった

このただし書きは、青色事業専従者給与(所得税法57条1項)の場合について書かれています。国税庁のタックスアンサーNo.2075も、青色事業専従者の要件として、6か月超と、一定の場合の2分の1超を並べています。

開業年・廃業年に当てはめた例

次の2つは、条文を当てはめた例です。実際の判断は、事業の状況と専従の実態で変わります。

例事業を営む期間判定の見方
10月1日に開業10月1日〜12月31日(3か月)6か月超にはなりえないが、従事できる3か月の2分の1(1.5か月)を超えて専従していれば足りる
6月30日に廃業1月1日〜6月30日(6か月)6か月を「超える」には届かないが、従事できる6か月の2分の1(3か月)を超えて専従していれば足りる

開業年・廃業年は、年を通じた6か月超ではなく、営んだ期間を母数にして半分を超えるかを見ます。

対処:専従者が働き始めた日と、事業を始めた日・やめた日を記録しておきます。2分の1を超えて専従していたことを、あとから説明できるようにします。

開業した年の届出書は2か月以内

青色事業専従者給与を必要経費にするには、「青色事業専従者給与に関する届出書」を税務署に出します。通常の提出期限は、給与を必要経費にしようとする年の3月15日です。

その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合や、新たに専従者がいることになった場合は、その開始した日や専従者がいることになった日から2か月以内です(所得税法57条2項、国税庁タックスアンサーNo.2075)。

開業年は3月15日を待たず、開業日から2か月以内を数えます。開業届そのものの記入は欄ごとの書き方にまとめています。

例外が使えない場合と注意点

施行令165条2項は、次の期間を「専ら従事する期間」に含めないとしています。

  • 学校の学生・生徒である期間(夜間や昼間だけ授業を受けて事業に従事する人など、専ら従事することが妨げられないと認められる場合を除く)
  • 他に職業を持つ期間(従事する時間が短い人など、妨げられないと認められる場合を除く)
  • 老衰その他の心身の障害で事業に従事する能力が著しく阻害されている期間

2分の1超の判定でも、この期間は専従に数えません。

別の要件として、15歳未満かどうかは、その年の12月31日で判定します(所得税法57条7項。年の途中で事業主が死亡・出国した場合は、その時で判定します)。

白色申告の事業専従者控除は、同法57条3項の別の制度です。施行令165条のただし書きは、青色の「同条第一項の場合」と書かれています。白色申告の場合の取扱いは事業専従者控除の解説にまとめています。

次に知りたいこと

まとめ

  • 青色事業専従者の専従期間は、原則としてその年を通じて6か月を超える期間で判定する。
  • 年の途中の開業・廃業・休業などで事業が年中営まれなかったときは、従事できる期間の2分の1を超えれば足りる。
  • 開業した年の届出書は、開業した日から2か月以内に出す。
  • 学生・他に職業を持つ期間などは、専ら従事する期間に含まれない。

よくある質問

10月に開業した年は、家族に払った給与を専従者給与にできませんか?
6か月超にはなりませんが、年の中途の開業で年中営まれなかったときは、従事できる期間の2分の1を超えて専ら従事していれば足ります(所得税法施行令165条1項ただし書)。届出書の期限は開業日から2か月以内です。
廃業した年も、専従者給与は必要経費になりますか?
廃業は、2分の1超で判定する場合に挙げられています。届出書の提出など、他の要件も満たす必要があります(所得税法施行令165条1項1号)。
開業した年の届出書は、3月15日までに出せばよいですか?
その年の1月16日以後に新たに事業を開始した場合は、事業を開始した日から2か月以内です(所得税法57条2項)。
専従者が他の仕事をしている期間は、専従期間に数えますか?
他に職業を有する期間は、従事する時間が短いなど専ら従事することが妨げられないと認められる場合を除き、専ら従事する期間に含まれません(所得税法施行令165条2項2号)。

公式一次情報

家族への給与と節税額を確かめる

専従者給与の仕組みと、届出の流れを整理したガイドです。

本記事について。税理士監修前の概説です。専従者給与の判定は事業と家族の状況で変わるため、実際の申告は税務署または税理士へご確認ください。

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