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開業届の書き方|欄ごとの記入と一緒に出す届出の期限

「個人事業の開業・廃業等届出書」(開業届)の各欄に何を書くかを、順に説明します。給与の欄や「開業に伴う届出書の有無」の欄から、あわせて出す届出の期限もたどれます。

国税庁の手続き
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

開業届は1枚の様式で、上半分が本人の情報、下半分が開業の内容と、あわせて出す届出・給与の状況です。迷いやすいのは、下半分の「届出の区分」「開業に伴う届出書の提出の有無」「給与等の支払の状況」の3か所です。

この記事では、様式の欄を上から順に、何を書くかを確認します。提出期限や出し方の全体像は開業届の出し方、屋号の決め方は屋号の記事にあります。

上半分:本人・納税地・職業・屋号

国税庁の様式(個人事業の開業・廃業等届出書)の上半分には、次の欄があります。

欄書くこと
提出先(税務署長)納税地を所轄する税務署名
マイナンバー(個人番号)12桁の個人番号。書面で出すときは本人確認書類の提示か写しの添付が必要
氏名・フリガナ・生年月日本人の氏名と生年月日(元号で記入)
職業事業の職業名。例:Webデザイナー、飲食店経営
屋号(任意の名前)事業の名前を付けるときだけ記入
区分納税地が住所地なら5、居所地なら6、事業所等なら7を番号で記入
納税地・上記以外の住所地・事業所等納税地の郵便番号と住所。納税地と別に自宅や事業所がある場合は、下の欄に書く

納税地は、原則として住所地です。住所地以外を納税地にするには別の届出が必要になるため、迷う場合は納税地の変更の記事を見てください。

書面で出す場合の注意は、控えにマイナンバーを書かないことです。国税庁の書き方は、控えを保管するときは控えに個人番号を記載しないよう求めています。

届出の区分・所得の種類・開業日

様式の「届出の区分」は、該当する欄に「1」を記載します。開業なら「開業」の欄に1です。

  • 開業:事業を新しく始めたとき。事業の引継ぎ(譲渡・相続など)を受けた場合は、受けた先の住所・氏名も書きます。
  • 廃業:事業をやめたとき。同じ様式を使います。
  • 事務所・事業所の新設等:新設は1、増設は2、移転は3、廃止は4を番号で記入します。

「所得の種類」は、新しく始めた事業に当たる欄にチェックします。選択肢は不動産所得、山林所得、事業(農業)所得の3つです。個人事業主やフリーランスの多くは「事業(農業)所得」です。

「開業・廃業等日」には、開業した日、廃業した日、事務所・事業所を新設・増設・移転・廃止した日を書きます。提出期限は、この日の属する年分の所得税の確定申告期限です(所得税法第229条)。期限が土日祝日に当たるときは翌日になります。

「事業所等を新増設、移転、廃止した場合」の欄は、新増設・移転後の所在地と、廃止前の所在地を書く欄です。事業を新しく始めるだけなら、使わない場合があります。

事業の概要と、あわせて出す届出の欄

「事業の概要」は、様式に「できるだけ具体的に記載します」と書かれています。職業名だけでなく、何を誰に提供するかまで書くと、読み手に伝わります。例:企業向けのWebサイト制作・保守。

その下の「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」には、2行あります。

行有を選ぶとき
「青色申告承認申請書」または「青色申告の取りやめ届出書」この開業届とあわせて、青色申告の申請書を出すとき(廃業なら取りやめ届出書)
消費税の「課税事業者選択届出書」または「事業廃止届出書」消費税の課税事業者を選ぶ届出書を出すとき(廃業なら事業廃止届出書)

どちらも、開業届に書くだけでは手続きになりません。別の書類を提出する必要があります。開業届の欄は「出した」「出さない」の記録にとどまり、青色申告の承認は青色申告承認申請書で受けます。

給与等の支払の状況

この欄は、従業員や青色事業専従者に給与を払うときに使います。国税庁の書き方によると、届出日現在の給与の支給人員、給与の支払の状況、源泉徴収すべき税額があるかどうかを書きます。

  • 従事員数:専従者と使用人に分けて、人数を書く。
  • 給与の定め方:日給、月給などの区分を書く。
  • 税額の有無:各人の給与額や扶養親族等の状況からみて、納税すべき税額があるかを判断する。区分の全員について納付すべき税額がないと認められる場合は「無」、その他は「有」にチェックする。
  • 給与支払を開始する年月日:給与の支払を開始する日。届出日の時点で既に支払っている場合は、開始した日を書く。

その下には「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書の提出の有無」の欄があります。給与を払う人が少ない事業者は、この特例で源泉所得税を年2回にまとめて納付できます。制度は源泉所得税の納期の特例の記事にあります。

従業員を初めて雇うときの届出の全体は従業員を初めて雇うときの届出一覧で確認できます。

「その他参考事項」は、補足があるときに使う欄です。税理士に作成を頼んだ場合は、下の「税理士署名」欄に署名が入ります。

欄から分かる、あわせて出す届出の期限

開業届の欄に出てくる届出書は、期限がそれぞれ違います。国税庁の書き方に載っている期限を整理します。

届出書期限
開業届(この書類)開業日の属する年分の確定申告期限まで
青色申告承認申請書1月15日までに開業したなら、その年の3月15日。1月16日以降に開業したなら、開業日から2か月以内
課税事業者選択届出書新たに事業を開始した年の12月31日
消費税課税事業者届出書(特定期間用)1月1日から6月30日までの間に開業し、その期間の課税売上高が1,000万円を超えたとき、速やかに提出

青色申告承認申請書の期限は、開業日で変わります。計算例は青色申告承認申請書の提出期限、課税事業者を選ぶ判断は課税事業者選択届出書の記事、特定期間の判定は特定期間の記事で扱っています。

なお、国税庁の書き方は、白色申告の人にも次の制度があると案内しています。事業所得・不動産所得・山林所得を生ずべき業務を行う全ての人に、記帳と帳簿書類の保存が必要です。

税務署への開業届とは別に、都道府県税事務所へ個人事業税の開始の申告があります。書類名と期限は個人事業税の事業開始(廃止)等申告書を参照してください。

公式一次情報

まとめ

  • 開業届は、上半分に本人・納税地・職業・屋号、下半分に届出の区分・開業日・事業の概要・給与の状況を書く。
  • 「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」は記録欄で、青色申告や課税事業者の選択は別の書類で手続きする。
  • 提出期限は開業日の属する年分の確定申告期限まで。青色申告承認申請書は開業日によって期限が変わる。

次に知りたいことは、青色申告承認申請書の提出期限、個人事業税の開始申告、屋号の付け方の記事で確認できます。

よくある質問

開業届の職業欄には何を書きますか?
事業の職業名を書きます。例はWebデザイナーや飲食店経営です。具体的な内容は、下の「事業の概要」欄に書きます。
屋号は必ず書く必要がありますか?
屋号欄は、事業の名前を付けるときに記入する欄です。付けない場合は空欄で出せます。
開業届に「青色申告承認申請書の有」と書けば青色申告になりますか?
なりません。この欄は、あわせて申請書を出すかどうかを書く欄です。青色申告の承認には、別に青色申告承認申請書の提出が必要です。
従業員がいない場合、給与等の支払の状況の欄はどうしますか?
この欄は、給与を支払う場合の人数や給与の定め方、源泉徴収の税額の有無を書く欄です。記入のしかたに迷うときは、提出先の税務署に確認してください。
本記事について。税理士監修前の概説です。個別の届出内容は事業の実態で変わるため、実際の届出は税務署または税理士に確認してください。

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