廃業届の書き方|法人成り・一部廃業の記入欄と一緒に出す届出
廃業するときは、開業届と同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」を使います。書き方の要点は、廃業の欄、全部か一部かのチェック、法人成りのときだけ書く欄、取りやめ届出書の有無です。
国税庁の手続き廃業届という名前の専用の様式はありません。開業届と同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」の、廃業の欄に印を付けて出します。
この記事では、廃業のときに使う欄と、その欄ごとの書き方を確認します。廃業後の確定申告や、法人成りで期限がそろう他の届出は個人事業主の廃業の記事にあります。開業のときの書き方は開業届の書き方です。
廃業の欄・廃業日・所得の種類
様式の「届出の区分」には、開業、廃業、事務所・事業所の新設等の3つの欄があります。廃業するときは、「廃業」の欄に「1」を記載します。
「開業・廃業等日」には、廃業した日を書きます。提出期限は、廃業した日の属する年分の所得税の確定申告期限までです(所得税法第229条)。提出先は納税地を所轄する税務署長です。
「所得の種類」は、廃止した事業に当たる欄にチェックします。選択肢は、不動産所得、山林所得、事業(農業)所得の3つです。
事業を人に引き継いで(譲渡して)やめる場合は、「廃業」の欄に、引き継いだ先の住所と氏名を書く場所があります。
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全部廃止と一部廃止
「所得の種類」の右側に、廃止の場合の「全部」「一部」のチェック欄があります。国税庁の書き方は、事業所得を生ずべき事業を2つ以上行っている人について、次のように説明しています。例は、小売業と建設業の両方を営んでいる場合です。
- 事業の全部をやめるとき:「全部」にチェックを付ける。
- 事業の一部だけやめるとき:「一部」にチェックを付け、括弧の中に、廃止する事業を簡単に書く。
法人成りのときだけ書く欄
様式には、「廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合」という欄があります。個人事業をやめて、法人を設立して事業を引き継ぐ法人成りのときに使います。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 設立法人名 | 設立した法人の名前 |
| 代表者名 | 法人の代表者の氏名 |
| 法人納税地 | 法人の納税地の住所 |
| 設立登記 | 設立登記の年月日 |
設立登記の日付が分かってから書く欄なので、法人の登記が終わったあとに廃業届を作るのが自然です。法人成りの場合の他の届出と期限の並びは、法人成りの届出の提出先別一覧で確認できます。
あわせて出す届出書の欄
様式の「開業・廃業に伴う届出書の提出の有無」には、廃業のとき関係する書類が2行あります。
| 行 | 廃業のときに出す書類 |
|---|---|
| 青色申告承認申請書または青色申告の取りやめ届出書 | 青色申告をやめるなら、「青色申告の取りやめ届出書」 |
| 消費税の課税事業者選択届出書または事業廃止届出書 | 課税事業者などで、廃業する事業のほかに課税売上げに当たる所得がない人は、「事業廃止届出書」 |
国税庁の書き方は、適格請求書発行事業者、消費税の課税事業者、課税事業者を選択している人で、廃業する事業のほかに課税売上げに当たる所得(不動産所得など)がない人は「事業廃止届出書」も出すよう案内しています。
適格請求書発行事業者の人が事業廃止届出書を出した場合は、「適格請求書発行事業者の登録の取消しを求める旨の届出書」を出す必要はありません。消費税の廃業時の扱いは廃業と消費税の記事で整理しています。
この欄の「有」「無」は、書類を出すかどうかの記録です。取りやめ届出書や事業廃止届出書は、それぞれ別の書類として提出します。
給与を払っていたとき
給与等の支払の状況の欄は、開業のときと同じ様式の欄です。国税庁の書き方は、給与等の支払事務を行う事務所等を廃止した場合は、「その他参考事項」に、給与等の支払事務を引き継いだ先の事務所等の所在地を書くよう案内しています。
従業員がいた場合の雇用保険や社会保険の手続きは、廃業のほかに別の窓口があります。法人成りのときの社会保険は社会保険の全喪届の記事を参照してください。
都道府県税事務所へは、個人事業税の廃止の申告が別にあります。書類名と期限は個人事業税の事業開始(廃止)等申告書にあります。
公式一次情報
- 国税庁 A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続(2026-10-16確認)
- 国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書(様式PDF)(2026-10-16確認)
- 国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書 書き方(PDF)(2026-10-16確認)
- e-Gov法令検索 所得税法(第229条 開業等の届出)(2026-10-16確認)
まとめ
- 廃業届は専用の様式がなく、開業届と同じ様式の「廃業」の欄に1を書いて出す。期限は廃業日の属する年分の確定申告期限まで。
- 複数の事業のうち一部だけやめるときは「一部」にチェックし、廃止する事業を括弧に書く。
- 法人成りのときは、設立法人名・代表者名・法人納税地・設立登記の年月日の欄も書く。
- 青色申告の取りやめ届出書や事業廃止届出書は別の書類で、様式の欄は出すかどうかの記録。
次に知りたいことは、廃業後の確定申告と他の届出、廃業と消費税、個人事業税の廃止の申告の記事で確認できます。
よくある質問
- 廃業届という専用の用紙はありますか?
- ありません。開業届と同じ「個人事業の開業・廃業等届出書」を使い、「届出の区分」の廃業の欄に1を書いて提出します。
- 廃業届はいつまでに出しますか?
- 廃業した日の属する年分の所得税の確定申告期限までに、納税地を所轄する税務署長へ提出します(所得税法第229条)。
- 事業の一部だけをやめるときは、どこにチェックしますか?
- 「所得の種類」の右側の廃止の欄で「一部」にチェックし、括弧の中に廃止する事業を簡単に書きます。全部をやめるときは「全部」にチェックします。
- 法人成りで廃業するとき、何を追加で書きますか?
- 「廃業の事由が法人の設立に伴うものである場合」の欄に、設立法人名、代表者名、法人納税地、設立登記の年月日を書きます。
- 事業廃止届出書は必ず出しますか?
- 国税庁の書き方は、課税事業者などで、廃業する事業のほかに課税売上げに当たる所得がない人に、出すよう案内しています。当てはまるかは、事業の実態で変わります。
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