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輸入消費税の納付と仕入税額控除|税関での納付・延長・輸入許可書

海外から商品を仕入れて引き取るときは、国内の取引とは別に、税関で消費税を納めます。免税事業者や会社員でも納税義務があり、控除を受けるには輸入許可書などの保存が要ります(国税庁タックスアンサーNo.6563・No.6497、消費税法30条・50条・51条)。

消費税法4条・30条・50条・51条
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

海外のメーカーや卸から商品を仕入れて自分で引き取る場合、消費税は国内の仕入れと同じ申告では済みません。通関のときに税関へ納める「輸入消費税」があります。

この記事は、輸入品を引き取る側の消費税を扱います。海外の取引全般の課税の考え方は海外取引の消費税で説明しています。

輸入品には引き取るときに消費税がかかる

国税庁のタックスアンサーNo.6563によると、保税地域から引き取られる外国貨物(輸入品)には、原則として消費税がかかります。あわせて地方消費税も課税されます。

納税義務を負うのは、輸入品を引き取る者です。免税事業者はもちろん、個人事業者でない給与所得者でも、輸入品を引き取るときは納税義務者になります。

引き取る人輸入品に消費税がかかるか
課税事業者かかる
免税事業者かかる
事業をしていない会社員かかる

事業として対価を得て行う取引でなくても課税されます。対価のない無償の取引で引き取った場合も、同様に課税されるとされています。

課税標準は関税課税価格(CIF価格)に関税などを足した額

輸入品の課税標準は、関税課税価格にあたるCIF価格に、消費税以外の個別消費税の額と関税の額を加えた合計額です。

CIF価格とは、商品の本船渡し条件の価格(FOB価格)に、仕向け地までの運賃と保険料を加えた価格のことです。国内の仕入れのように、請求書の商品代金だけが課税の対象になるわけではありません。

  • 商品代金に運賃・保険料を加えたCIF価格が土台になる
  • そこに関税の額と、消費税以外の個別消費税の額が加わる
  • この合計額に消費税の税率を掛けて、納める額を計算する

納める時期と場所、納期限の延長

輸入品を保税地域から引き取ろうとする者は、原則として、品名・数量・金額・消費税額などを書いた申告書を保税地域を管轄する税関長に出し、引き取るときまでに消費税を納めます。

項目内容
申告・納付の先保税地域を所轄する税関(税務署ではない)
納付の時期原則として、輸入品を引き取るときまで
納税地貨物を引き取る保税地域の所在地。国内取引の納税地(自宅や本店)とは別の場所になる
納期限の延長延長の申請書を税関長に出し、担保を提供すると、担保の額の範囲内の消費税額について最長3か月間延長できる(通常の申告納税方式の場合。特例申告の延長は別の定めで2か月以内)

輸入の消費税は、自分の年1回の消費税の確定申告とは別に、通関のたびに税関で納めます。国内取引の消費税の確定申告の期限は消費税の確定申告の期限で説明しています。輸入消費税の納税地は貨物を引き取る保税地域の所在地で、国内取引の納税地とは別の場所になります。

納期限の延長は、消費税法51条に定められています。延長を受けたい旨の申請書を税関長に出すのが条文上の手続きです。担保の種類や金額は、通関する税関の案内で確かめてください。

仕入税額控除を受けるには

課税事業者は、保税地域から引き取った課税貨物について納めた消費税額と地方消費税額を、仕入税額控除の対象にできます(消費税法30条)。免税事業者は、そもそも仕入税額控除の対象外です。

控除できる時期は、貨物を引き取った日(特例申告をした場合は、特例申告書の提出日などの日)の属する課税期間です。国内の仕入れのように、請求書の日付で判断するのではありません。

仕入れの種類帳簿に書くこと保存する書類
国内の課税仕入れ相手方、年月日、内容、支払対価の額適格請求書など
保税地域からの課税貨物の引取り引取りの年月日、課税貨物の内容、引取りに係る消費税額と地方消費税額(またはその合計額)輸入許可書など

輸入では、相手方の氏名や適格請求書は帳簿の記載事項に入りません。控除の根拠になるのは、税関が出した輸入許可書です。海外の取引先から受け取った請求書とは別のものなので、輸入許可書を捨てないようにします。

控除の計算の仕組み自体は国内の仕入れと同じです。課税売上割合が95%未満などの場合は、輸入消費税も含めて按分の計算に入ります(消費税法30条2項)。計算の考え方は仕入税額控除の要件で整理しています。

輸入許可書に記載されている事項

国税庁のタックスアンサーNo.6497は、仕入税額控除のために保存する請求書等の一つとして「輸入許可書等」を挙げています。税関長から交付を受ける書類で、次の事項が記載されている必要があります。

  • 納税地を所轄する税関長
  • 課税貨物を保税地域から引き取ることができることとなった年月日
  • 課税貨物の内容
  • 課税標準である金額と、引取りに係る消費税額・地方消費税額
  • 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

輸入手続きを通関業者に委託した場合の仕入税額控除については、国税庁が質疑応答事例(輸入手続きを委託した場合の仕入れ税額控除の取り扱い)を公開しています。委託する場合は、そちらも確かめてください。

仕入税額控除の方式を選ぶ前に、自分が簡易課税か本則課税かも確認しておきます。違いは簡易課税制度で説明しています。

公式一次情報

よくある質問

免税事業者でも輸入消費税を払いますか?
払います。輸入品を引き取る者が納税義務を負うため、免税事業者や給与所得者でも納税義務者になります(国税庁タックスアンサーNo.6563)。
輸入消費税はいつ、どこに納めますか?
原則として、輸入品を引き取るときまでに、保税地域を所轄する税関へ納めます(国税庁タックスアンサーNo.6563)。
納期限を延ばすことはできますか?
税関長に延長の申請書を出し、担保を提供すれば、担保の額の範囲内の消費税額について、通常の申告納税方式では最長3か月間延長できます(国税庁タックスアンサーNo.6563、消費税法51条)。
輸入消費税は仕入税額控除できますか?
課税事業者は、引き取った課税貨物に係る消費税額と地方消費税額を控除の対象にできます。控除を受けるには、帳簿と輸入許可書等の保存が要ります(消費税法30条、国税庁タックスアンサーNo.6497)。免税事業者は対象外です。
輸入品の課税標準はいくらになりますか?
CIF価格(商品代金に運賃と保険料を加えた価格)に、関税額と消費税以外の個別消費税の額を加えた合計額です(国税庁タックスアンサーNo.6563)。

まとめ

  • 輸入品には、引き取る者が消費税を納める。免税事業者や会社員も対象。
  • 課税標準はCIF価格に関税などを加えた額で、納付先は税関。
  • 納付は原則として引取りまで。担保を出せば最長3か月延長できる。
  • 課税事業者は控除できる。輸入許可書の保存が要り、免税事業者は控除できない。

次に知りたいことは、海外取引の消費税、仕入税額控除の要件、消費税のまとめです。

本記事について。税理士監修前の概説です。通関の実務、担保の種類、通関業者に委託した場合の扱いは含めていません。個別の判定は税関または税理士にご確認ください。