所得別・法人成りの損益分岐点

事業利益1000万円の法人成り損益分岐点|手取りシミュレーション結果

「所得1000万円ほどで法人成りするといくら変わるか」を調べる人向けに、事業利益1000万円(青色申告特別控除前)を基準に、令和8年度の公的料率で試算した結果ページです。

令和8年度の公的料率で試算
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 最終更新: /運営方針・出典
法人側の合計残額が 94.4万円多い
+¥943,688
帰属と受取時点が異なる金額の参考差

個人側は本人が使える税引後手取り¥6,568,380、法人側は本人の税引後役員報酬¥1,460,402と会社所有・出口課税前の内部留保¥6,051,666の合計¥7,512,068です。帰属と受取時点が異なるため、差額は有利不利や本人の手取り増加を示しません。

比較上の役員報酬(探索値)
174万円
会社所有の内部留保(出口課税前)
¥6,051,666
法人側が上回り始める事業利益ライン
450万円〜

この試算条件(個人事業税5%・青色申告特別控除65万円)では、事業利益がおよそ450万円を超えると法人側の合計が上回り始めます。事業利益1000万円はこのラインのにあります。

この水準ならではの論点:消費税の「1000万円の壁」との混同に注意が必要な水準

事業利益1000万円は、消費税の免税事業者の判定でよく話題になる「1000万円の壁」と数字が同じため混同されがちですが、両者は別の基準です。消費税の免税判定は基準期間・特定期間の課税売上高(税抜の売上高)で見るのに対し、本ページの1000万円は青色申告特別控除前の事業利益(売上から経費を引いた後の金額)です。利益1000万円なら売上高はさらに大きいのが通常で、法人・個人のどちらでも消費税の課税事業者になっている可能性が高い水準です。

法人成り直後は基準期間がないため、資本金1000万円未満などの要件を満たせば設立1期目・2期目は消費税が原則免税になりますが、これは資本金と特定期間の売上高で判定されるものであり、事業利益の水準そのものとは連動しません(国税庁タックスアンサーNo.6501/No.6503)。実際の売上高にもとづく消費税の試算は関連ツールで確認してください。

内訳(年額)

項目個人本人法人側
国民健康保険/社会保険料(本人)¥955,957¥241,798
国民年金/社会保険料(会社負担)¥215,040¥241,797
所得税(本人)¥1,125,723¥0
住民税(本人)¥779,900¥37,800
個人事業税¥355,000
法人の税金合計¥1,966,537
個人手取り/法人側合計(本人+会社)¥6,568,380¥7,512,068

役員報酬パターンの比較

役員報酬を上げるほど社会保険料と所得税・住民税が増え、下げるほど法人税側の負担が増えます。事業利益1000万円の場合の3パターンです。

パターン役員報酬(年)本人の税引後手取り会社所有の内部留保法人側合計
探索下限(月5,000円・最低等級)¥60,000¥-76,703¥7,182,942¥7,106,239
比較上の最大額(探索値)探索値¥1,740,000¥1,460,402¥6,051,666¥7,512,068
利益の全額を役員報酬に¥10,000,000¥7,306,495¥-1,285,684¥6,020,811

複数年で見る:消費税の免税期間

この試算は社会保険料・所得税・住民税・法人税だけを比較しており、消費税は含んでいません。法人成りした年(設立1期目)は基準期間がないため、資本金1,000万円未満で、かつ設立後6か月間(特定期間)の課税売上高が1,000万円以下などの要件を満たせば、原則として消費税が免税になります。多くの一人法人・マイクロ法人では設立2期目も同様の要件で免税になります(国税庁タックスアンサーNo.6501)。

免税期間が終わり課税事業者になった場合、インボイス発行事業者の2割特例が使える期間(令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日を含む課税期間)であれば、消費税の納税額は課税売上高(税抜)のおおむね2%相当(売上に係る消費税額の8割を控除した残り)が目安です(国税庁「2割特例の概要」)。実際の納税義務の判定・税額は売上高や取引の内容によって変わるため、具体的な数字は消費税4方式の比較シミュレーターインボイス登録時の納税額シミュレーターで確認してください。

自分の数字で試算する

年齢・都道府県・個人事業税率などを変えて、本人と法人に残る金額の内訳を確認できます。

役員報酬の金額を細かく検討する場合は役員報酬シミュレーター、個人事業と法人を両立する場合は二刀流シミュレーターも参考にできます。

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よくある質問

この試算の「事業利益」は年収や所得と同じですか?
本ページの事業利益は、売上から必要経費を引いた後・青色申告特別控除を引く前の金額です。確定申告書に載る「事業所得」は、ここからさらに青色申告特別控除(最大65万円)を引いた金額になります。年収や売上高とは別の数字です。
法人側合計の「内部留保」はすぐ使えるお金ですか?
いいえ。内部留保は法人税等を差し引いた後に会社に残る資金で、法人の口座にとどまります。個人が使うには役員退職金や配当などで取り出す際にあらためて課税されます(退職金として取り出す場合の個人手取りは専用ツールで試算できます)。
役員報酬はいつでも自由に変更できますか?
役員報酬は定期同額給与が原則で、通常は事業年度開始の日から3か月以内の改定に限られます(国税庁)。年度の途中で自由に上げ下げすると、損金算入が認められない部分が生じます。
この試算に含まれていない費用はありますか?
法人の設立費用(登録免許税等)、税理士・社会保険労務士への顧問料、法人口座の維持費など、法人成りに伴う運営コストは含んでいません。これらは事業利益の水準にかかわらず発生するため、実際の判断では別途見込んでください。
事業利益1000万円ならではの注意点は?
事業利益1000万円は、消費税の免税事業者の判定でよく話題になる「1000万円の壁」と数字が同じため混同されがちですが、両者は別の基準です。消費税の免税判定は基準期間・特定期間の課税売上高(税抜の売上高)で見るのに対し、本ページの1000万円は青色申告特別控除前の事業利益(売上から経費を引いた後の金額)です。利益1000万円なら売上高はさらに大きいのが通常で、法人・個人のどちらでも消費税の課税事業者になっている可能性が高い水準です。
この試算について。令和8年度(2026年度)・東京・単身・40歳未満、青色申告特別控除65万円、この法人以外に給与・社会保険の加入先がない一人法人という条件を限定した概算です。個人事業税5%を比較上の仮定としています。実際の税率は契約と業務実態が該当する法定業種で判定されます。個人事業税は東京都主税局の法定業種・税率を確認し、実際の判断は税理士・社会保険労務士・住所地の都道府県税事務所へ相談してください。税理士・社会保険労務士監修前の概算です。算定方法・前提・免責