ガイド

フリマ・転売の税金|非課税の売上と雑所得の分かれ目

メルカリなどで売った物が非課税になるか、申告が要るかを、売った物の種類と売り方で判定する手順を整理します。

国税庁の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

フリマアプリやネットオークションの売上は、何を売ったかとどんな目的で売ったかの2点で課税の扱いが変わります。自分で使っていた物を売っただけなら非課税で申告も不要ですが、利益を目的に仕入れて売るなら申告の対象です。

売った物と売り方で決まる4つの区分

まず、売った物がどれに当たるかを表で確認します。

売った物・売り方所得の区分申告
自分で使っていた衣類・家具・家電など非課税(生活用動産)不要。損失も出なかったものとされる
貴金属・宝石・書画・骨とうで、1個または1組が30万円を超えるもの譲渡所得(総合課税)特別控除後に利益があれば必要
利益を目的に、継続して売る(仕入れて売る・転売)業務に係る雑所得所得が出れば必要
転売を事業として行い、帳簿もつけている事業所得所得が出れば必要(青色申告も選べる)

判定の軸は「生活の用に供していた物か」と「営利を目的に継続しているか」です。売上の金額だけでは決まりません。

非課税になる売上と30万円の例外

家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服など、生活に通常必要な動産を売った所得は課税されません。国税庁は、フリマアプリで古着や家財を売った所得は非課税で、確定申告は不要だと案内しています。

非課税の物を安く売って損が出ても、その損はなかったものとされるため、他の所得と相殺することはできません。

例外は、貴金属・宝石・書画・骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものです。この場合は非課税にならず、総合課税の譲渡所得として扱われます。判定は1個(または1組)ごとです。

  • 譲渡所得の金額は「売った額-(買った額+売るための費用)」で求めます。
  • 総合課税の譲渡益の合計額に対して、特別控除が最高50万円あります。
  • 持っていた期間が5年を超えるときは、課税されるのは控除後の金額の2分の1です。

特別控除や2分の1の扱いは、国税庁が金地金(総合課税の譲渡所得)の例で示している計算に準じます。個別の物の計算は税務署または専門家へご確認ください。

仕入れて売る転売は雑所得か事業所得

売るために仕入れた物は、生活用動産ではありません。営利を目的として継続的に行う資産の売却による所得は、事業所得と認められる場合を除き、業務に係る雑所得になります(所得税基本通達35-2)。

事業所得と雑所得の分かれ目は、社会通念上の事業と言える程度かどうかです。取引を記録した帳簿書類がない場合は、収入が300万円を超え、かつ事業と認められる事実がある場合を除いて雑所得とされます。区分の詳しい見方は事業所得と雑所得の違いで整理しています。

雑所得で赤字が出ても、他の所得との損益通算はできません。仕入れ値・送料・梱包代などを経費に入れるために、売上と費用の記録は最初から残しておくのが安全です。

業務に係る雑所得の収入が前々年に300万円を超える年は、請求書・領収書などの現金預金取引等関係書類の保存が必要になります。

会社員の副業で申告が要る線(20万円)

給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収されている会社員は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円を超えるときに確定申告が必要です。判定するのは売上ではなく、売上から仕入れ・送料などの経費を引いた所得金額です。

項目金額
1年間の売上80万円
仕入れ・送料・梱包代・手数料-62万円
雑所得の金額18万円(20万円以下)

この例では所得税の確定申告は不要です。ただし住民税の申告は別の扱いになることがあるため、お住まいの市区町村に確認してください。経費が証明できなければ所得が20万円を超える可能性もあるため、記録は残します。

会社員の副業全般の申告の要否は確定申告は必要かで整理しています。

売上が大きくなったときの次の手続き

転売を事業として続けるなら、次の3点を順に検討します。

中古品を仕入れて売る場合の許可の要否は古物商許可の法人成りで扱っています。

よくある質問

フリマアプリで売った物は確定申告が必要ですか?
自分の生活で使っていた衣類・家財などの売却は非課税で、確定申告は不要です。利益を目的に仕入れて売った分は、事業所得に当たる場合を除いて雑所得となり、所得が出れば申告の対象です(出典:国税庁)。
30万円を超えるものを売ったらどうなりますか?
貴金属・宝石・書画・骨とうなどで、1個または1組の価額が30万円を超えるものは非課税になりません。総合課税の譲渡所得として、特別控除(最高50万円)を引いたうえで課税されます(出典:国税庁)。
転売の利益が20万円以下なら申告しなくてよいですか?
給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収されている会社員の場合、給与・退職以外の所得の合計が20万円以下なら所得税の確定申告は不要です。判定は売上でなく、経費を引いた所得金額で行います。住民税の扱いは市区町村にご確認ください(出典:国税庁)。

まとめ

  • 自分で使っていた物の売却は非課税で、申告も不要。
  • 貴金属・宝石・書画・骨とうの1個または1組が30万円を超えると、譲渡所得として課税対象になる。
  • 利益目的の転売は、事業所得でなければ業務に係る雑所得。赤字は他の所得と相殺できない。
  • 会社員は、経費を引いた所得が20万円を超えるかで所得税の申告要否が決まる。

次に知りたいことは、事業所得と雑所得の区分、会社員の副業と法人化、消費税の1,000万円の判定です。

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。制度・期限は改正される場合があります。個別の判断は税務署または専門家へご確認ください。