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法人成りで経営セーフティ共済(倒産防止共済)はどうなる|契約承継は事由発生から3か月以内

個人事業主として経営セーフティ共済に入っている人が法人成りしても、「契約承継申出書」を出せば契約者の地位を法人へ引き継げます。申出の期限は事由が生じた日から3か月以内で、役員登記の有無によっては「法人成り」として扱われない場合もあります。中小機構の公式案内にもとづいて整理します。

中小機構の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

個人事業主として経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)に加入している人が法人成りするときは、「契約承継申出書(様式㊥501)」を提出すれば、共済契約者の地位を法人へ引き継ぐことができます。この記事では、承継の期限、「法人成り」として扱われない場合、必要書類の要点を整理します。

経営セーフティ共済そのものの仕組みは経営セーフティ共済(倒産防止共済)とはを、同じ法人成りで小規模企業共済に入っている場合は法人成りで小規模企業共済はどうなるかを参照してください。この記事は、法人成りにともなう契約の引継ぎに絞ります。

契約者の地位は法人へ引き継げる

中小機構の案内では、個人事業を法人化(法人成り)した場合は、「契約承継申出書(様式㊥501)」を提出することで共済契約者の地位を引き継ぐことができます。法人成りの承継は、被承継者(いまの契約者)が個人事業主、承継申出者(新しい契約者)が法人で、承継事由が「事業の全部譲渡(法人成り)」の場合の手続きとして整理されています。

申出書は、中小機構の資料請求フォームから請求します。書類は1週間程度で郵送で届き、同封される資料には「掛金預金口座振替申出書(様式㊥105)」も含まれます。

承継の申出は事由が生じた日から3か月以内

承継で新しい契約者になる方(包括承継人または事業の全部の譲受人)は、事由が生じた日から3か月以内に、登録取扱機関を通じて中小機構に申し出る必要があります。3か月以上経過した場合は、遅延した理由書の提出が必要です。

  • 提示書類が不要になる条件:承継申出者が新設会社(個人事業主の法人化)で、かつ事由発生日から3か月以内に申し出る場合は、納税証明書・確定申告書・月間取引額を証する帳簿等の提示書類は不要です。
  • 手続き完了までの掛金:承継の手続きが完了するまでは、現在の共済契約者(個人)への掛金請求が続きます。
  • 申出書の日付:契約承継申出書の承継事由発生年月日には、法人成りをした日(設立年月日)を記入します。
法人設立の登記が終わってから動き始めると、設立日から数えた3か月は意外に短くなります。設立前後の忙しい時期でも、申出書の請求から届くまでに1週間程度かかる点を見込んで、早めに資料請求しておくのが安全です。

「法人成り」として扱われない場合

次の場合は「法人成り」にはならないため、承継事由は「事業の全部譲渡(法人成り)」ではなく「事業の全部譲渡(法人成り以外)」を選ぶと、中小機構は案内しています。承継できなくなる、という意味ではなく、手続きの区分が変わる点に注意してください。

  • 法人設立時に、被承継者(いまの契約者)が役員登記をしていない場合
  • すでに設立済みで事業を行っている法人(加入前に設立した法人を含む)へ、事業を全部譲渡した場合

一人で法人成りする場合は、契約者本人が設立時から役員として登記されていることが、「法人成り」として扱われる前提になります。「法人成り以外」の区分での手続きや必要書類は、中小機構の該当ページで確認してください。

必要な書類と申出書の記入の要点

法人成りの承継で求められる添付書類のうち、主なものは次のとおりです。

  • 印鑑証明書:承継申出者(法人)と被承継者(個人)の両方、いずれも発行後3か月以内の原本。
  • 共済契約締結証書:紛失した場合は紛失届(承継申出書に同封)を出します。
  • 法人の登記事項の書類:商業登記簿謄本または履歴事項全部証明書(発行後3か月以内の原本)。現在事項全部証明書は使えません。資本金が確認できないときは定款を添え、法人設立時の役員が確認できないときは閉鎖事項全部証明書などを追加します。

申出書の記入では、承継後の掛金月額に、被承継者(旧契約者)の掛金月額を書きます。承継事由は「C:事業の全部譲渡」のうち「3:個人→法人(法人成)」を選びます。

掛金預金口座振替申出書(㊥105)は、引落し口座に変更がない場合でも必ず提出します。指定する口座の名義人は会社名義で、個人名義や、同じ代表者でも別の会社名義は使えません。現在の引落し口座から別の支店や金融機関へ変える場合は、解約用の届出書類も必要になります。

法人がすでに契約者のとき

新しく作る法人ではなく、すでに経営セーフティ共済の契約者になっている法人との間で承継する場合は、「契約者同士の承継」として扱われます。この場合、承継事由の発生日から1年半以上経過していると、承継できるかどうかの審査が必要になり、2年以上経過していると承継手続きはできません。

契約者同士の承継では、双方が一時貸付を利用中の場合、どちらか一方の一時貸付を返済しないと承継できません。該当しそうな場合は、中小機構の共済相談室に確認してください。

まとめ

  • 個人事業主として入っている経営セーフティ共済は、法人成りのとき「契約承継申出書(様式㊥501)」で契約者の地位を法人へ引き継げる。
  • 申出の期限は事由が生じた日から3か月以内で、超えると遅延した理由書が必要になる。新設会社で3か月以内なら、納税証明書などの提示書類は不要。
  • 法人設立時に契約者本人が役員登記をしていない場合や、設立済みの法人へ事業を譲渡する場合は「法人成り以外」の区分になる。
  • 掛金預金口座振替申出書は、口座が変わらなくても提出が必要で、口座名義は会社名義にする。

経営セーフティ共済・小規模企業共済・iDeCoの使い分けは積立で節税する3制度を、法人成りの時期の判断は法人成りのタイミングを判断する4つの軸を参照してください。

公式一次情報

よくある質問

個人で入っている経営セーフティ共済は、法人成りするとどうなりますか?
「契約承継申出書(様式㊥501)」を提出すれば、共済契約者の地位を法人へ引き継ぐことができます。
承継の申出はいつまでにすればよいですか?
事由が生じた日から3か月以内に、登録取扱機関を通じて中小機構に申し出ます。3か月以上経過した場合は、遅延した理由書の提出が必要です。
法人設立時に自分が役員登記をしていないと、承継できませんか?
承継できなくなるわけではありません。「法人成り」としては扱われず、承継事由は「事業の全部譲渡(法人成り以外)」を選ぶことになります。
掛金の引落し口座を変えなくても、口座の書類は必要ですか?
必要です。掛金預金口座振替申出書(㊥105)は、引落し口座に変更がない場合でも必ず提出します。口座名義は会社名義とし、個人名義や別会社名義は使えません。
本記事について。専門家の監修前の概説です。承継の可否、必要書類の個別の扱い、遅延したときの手続きは契約の状況によって変わります。実際の申出は、中小機構の共済相談室または登録取扱機関にご確認ください。