個人事業主・フリーランスの節税手段一覧|減税額を課税所得300万・600万・900万円で比較
青色申告特別控除・小規模企業共済・iDeCo・経営セーフティ共済の4つについて、上限額と減税額を課税所得の水準別に並べます。減税額は当サイトの計算式で実計算した値です。
2026年時点の制度個人事業主・フリーランスが使える主な節税手段は、青色申告特別控除(最大65万円)、小規模企業共済(年84万円)、iDeCo(年81.6万円)、経営セーフティ共済(年240万円)の4つです。同じ金額を控除しても、課税所得が高いほど税率が上がるため、減税額は大きくなります。
このページでは4つを同じ条件で並べ、効果の大きさだけでなく、お金が手元に残るか、いつ戻るかも合わせて確認します。
4つの手段の上限と減税額
減税額は、所得税(復興特別所得税を含む)と住民税の合計です。表の「上限」まで使った場合の1年分です。
| 手段 | 控除・支出の上限(年) | 課税所得300万円 | 課税所得600万円 | 課税所得900万円 |
|---|---|---|---|---|
| 青色申告特別控除(65万円) | 65万円 | 131,365円 | 197,730円 | 217,639円 |
| 小規模企業共済 | 84万円(月7万円) | 169,764円 | 255,528円 | 281,257円 |
| iDeCo(第1号加入者) | 81.6万円(月6.8万円) | 164,914円 | 248,227円 | 273,221円 |
| 経営セーフティ共済 | 240万円(月20万円) | 416,123円 | 730,080円 | 792,871円 |
減税額が最も大きいのは経営セーフティ共済ですが、掛金は貯金として自分の資産に残る一方、解約手当金を受け取る年には事業の収入になります。税金が消えるのではなく、先送りされる面が大きい点に注意してください。
減税額の計算条件
- 課税所得は「その手段を使う前の、控除後の課税される所得」です。所得税と住民税で同じ額として単純化しています。
- 所得税は復興特別所得税(2.1%)込み、住民税の所得割は10%で計算しています。均等割は手段の有無で変わらないため差に影響しません。
- 青色申告特別控除は、65万円の控除を受けない場合との差です。
- 社会保険料(国民健康保険など)、個人事業税、配偶者控除などの他の控除への影響は含みません。
- iDeCoは月6.8万円を12か月拠出した場合です。第1号加入者の国民年金基金との共通上限は、2026年12月1日から月7.5万円に引き上げられる予定です。
自分の事業利益に合わせた金額は、個人事業主の節税シミュレーターで、年間の事業利益と掛金を入れると同じ式で試算できます。
青色申告特別控除
青色申告者が所得から差し引ける控除で、55万円(一定の要件を満たす場合は65万円)または10万円です。65万円にするには、55万円の要件に加えて、仕訳帳と総勘定元帳の優良な電子帳簿保存、またはe-Taxでの確定申告書等の送信のどちらかが必要です。
掛金のように現金を出す必要がなく、帳簿をつけて期限内に申告するだけで使えるため、最初に確認する手段です。詳しくは青色申告65万円控除の要件で整理しています。
小規模企業共済
掛金は月額1,000円〜70,000円(500円単位)で自由に設定でき、支払った掛金の全額が小規模企業共済等掛金控除として所得から差し引かれます。月7万円なら年84万円です。
掛金は将来、共済金として受け取る自分の資金です。任意解約の条件や受取時の課税は積立で節税する3制度と小規模企業共済のメリット・デメリットを確認してください。
iDeCo
個人型確定拠出年金の掛金も、小規模企業共済等掛金控除として全額が所得控除の対象です。自営業者などの第1号加入者は、iDeCoと国民年金基金を合わせて月6.8万円までで、2026年12月1日から月7.5万円に引き上げられる予定です。
原則60歳まで引き出せず、運用結果によっては元本を割り込みます。詳しくは個人事業主のiDeCoを確認してください。
経営セーフティ共済
取引先の倒産による連鎖倒産に備える中小機構の制度です。掛金は月額5,000円〜20万円まで5,000円単位で選べ、個人事業主は事業所得の必要経費に算入できます。月20万円なら年240万円で、4つの中で最大の減税額になります。
加入には事業の継続期間などの要件があります。小規模企業共済・iDeCoは所得控除、こちらは必要経費という違いがあり、解約手当金の扱いは積立で節税する3制度で説明しています。
どの順に検討するか
- 青色申告特別控除(65万円):現金の支出が不要なので最初に整えます。
- 小規模企業共済・iDeCo:掛金が自分の老後資金や退職金として残り、掛金全額が所得控除になります。手元資金と引き出せない期間を見て月額を決めます。
- 経営セーフティ共済:取引先倒産への備えが本来の目的です。減税額だけを理由に上限まで掛けず、必要な備えの範囲で検討します。
- ふるさと納税:寄附額に応じて控除を受ける仕組みで、上限は所得や他の控除で変わります。ふるさと納税の上限額を確認してください。
よくある質問
- 個人事業主の節税で、最も減税額が大きい手段はどれですか?
- 上限まで使った場合は経営セーフティ共済です。月20万円(年240万円)の掛金が必要経費になり、課税所得600万円では年730,080円の減税になります。ただし解約手当金は事業の収入になるため、税金が減るというより課税の時期が先送りされる面が大きい制度です。
- 課税所得が低いと、これらの手段の効果は小さくなりますか?
- はい。所得税率が低い分、同じ金額を控除しても減税額は小さくなります。課税所得300万円と900万円を比べると、小規模企業共済84万円の減税額は169,764円と281,257円で、約11万円の差があります。
- 小規模企業共済とiDeCoは両方使えますか?
- 両方とも小規模企業共済等掛金控除の対象で、加入資格を満たせば併用できます。どちらも掛金の全額が所得控除になります。
- 節税の手段を使うと、国民健康保険料も下がりますか?
- この表の減税額には含めていません。国民健康保険料の計算方法は市区町村で異なるため、お住まいの自治体で確認してください。