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退職時の雇用保険の手続き|資格喪失届は10日以内

従業員が辞めたとき、事業主がハローワークへ出す雇用保険被保険者資格喪失届の期限、離職証明書(離職票)が要る場合と要らない場合、離職証明書に書く賃金の期間を、厚生労働省とハローワークの案内で整理します。

雇用保険被保険者資格喪失届・離職証明書
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

従業員が雇用保険の被保険者のまま退職したときは、事業主が「雇用保険被保険者資格喪失届」を、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、事業所を管轄するハローワークへ出します。退職者が失業給付の手続きに使う離職票が必要なときは、離職証明書も一緒に出します。

加入の条件は雇用保険の加入条件、健康保険・厚生年金の側の届出は社会保険の資格取得届・資格喪失届で扱っています。この記事は、雇用保険の退職時の届出に絞って整理します。

資格喪失届の期限と数え方

厚生労働省の手続き一覧表は、被保険者が離職・死亡等したときの届出として、雇用保険被保険者資格喪失届(1枚)と雇用保険被保険者離職証明書(3枚1組)を挙げ、提出期限を「被保険者でなくなった事実があった日の翌日から起算して10日以内」としています。

数え方は、離職日(最後に在籍する日)ではなく、被保険者でなくなる日が起点です。愛知のハローワークの資料は、雇用保険法施行規則第7条第1項により、被保険者でなくなった日(離職日の翌日)の翌日から10日以内と説明しています。厚生労働省の離職証明書の注意書きは、同じことを「労働者が離職した翌々日から10日以内」と書いています。

項目内容
離職日が3月31日の場合被保険者でなくなる日は4月1日、数え始めは翌々日の4月2日から(10日以内の最終日は4月11日)
提出先事業所を管轄するハローワーク
離職日当日まだ在籍しているため、提出できない(大阪のハローワークの案内)

表の日付は、上の2つの資料の数え方を当てはめた例です。期限の最終日が閉庁日にあたるときの扱いなどは、管轄のハローワークに確認してください。

離職票が要る場合と要らない場合

厚生労働省の注意書きは、事業主は資格喪失届に離職証明書を添えて出すのが原則としています。ただし、退職者が離職票の交付を希望しないときは、資格喪失届の⑦欄に「2」を書き、離職証明書を出さなくてよいとされています。

退職者の希望事業主が出すもの
離職票を希望する(交付あり)資格喪失届と離職証明書(3枚1組)、添付書類
離職票を希望しない(交付なし)資格喪失届のみ(⑦欄に「2」)

離職票を出さなかった場合でも、後からその退職者に離職証明書の交付を請求されたら、事業主は離職証明書を作ったうえで交付しなければならないとされています。退職時に「離職票は要らない」と聞いたことがあっても、後日の請求に備えて賃金台帳や出勤簿を手元に残しておく必要があります。

離職票は、退職者が基本手当(失業給付)を受けるときに使う書類です。受給の条件や給付の日数は、退職者がハローワークで確認します。

出す書類と添付書類

大阪のハローワークの案内では、離職票ありの場合に次の書類を持参するとしています。

  • 雇用保険被保険者資格喪失届
  • 雇用保険被保険者離職証明書
  • 労働者名簿・出勤簿(タイムカード)・賃金台帳、退職理由を確認できる書類など

退職理由を確認できる書類の例として、梅田のハローワークの案内は、退職願・雇用契約書・解雇通知書・就業規則を挙げ、定年や契約期間満了で退職する場合は必ず添付するとしています。同じ案内では、離職前2年間の賃金台帳と、出勤簿またはタイムカードも挙がっています。

雇用保険の手続きでは、マイナンバーの届出も求められます。様式は、ハローワークインターネットサービスの帳票一覧からダウンロードできます。

離職証明書に書く賃金の期間

愛知のハローワークの資料によると、離職証明書には、離職日を基準にした1か月単位の期間のうち、賃金支払基礎日数が11日以上ある月を、直近12か月分(65歳以上の離職者は6か月分)記入します。賃金締切日を単位とした期間に賃金支払基礎日数が11日以上ある月は、直近6か月分を記入します。

  • 記入できる期間の上限は、離職日から遡って2年間(65歳以上は1年間)です。
  • 傷病・出産・育児・介護で30日以上賃金の支払いがないときは、この期間を延長できます。
  • 賃金支払基礎日数とは、何日分の賃金を支払ったかを表す日数です。完全月給制では、その期間の暦日数を書きます。日給月給制では、1か月で何日分になるかから欠勤控除の日数を引きます。

大阪のハローワークの案内も、賃金支払基礎日数に、11日以上ある完全月が12か月分になるまで記載するよう求めています。固定給が当月払いで、残業代が翌月払いの場合などは、その期間の実際の労働分の賃金に直して書きます。

書くときの注意と、離職票の再交付

離職年月日は社会保険の喪失日と違う

愛知のハローワークの資料は、資格喪失届の離職年月日に、雇用保険の資格の最終日を書くとしています。たとえば令和5年3月31日が離職日なら「5-050331」です。

同じ資料は、社会保険の喪失日とは異なると注意しています。健康保険・厚生年金の側の届出は別の日付と期限で動くため、2つの届出を同じ日付でそろえないようにします。

離職理由は事業主が書き、判定はハローワーク

厚生労働省の注意書きによると、離職理由欄の項目は、事業主が主張する離職理由を把握するための便宜上の分類です。特定受給資格者や特定理由離職者にあたるかの最終的な判定はハローワークが行うため、事業主が選んだ離職理由と結果が異なることがあります。自己都合の退職でも、具体的な理由を把握しているときは記入するよう、愛知のハローワークの資料は求めています。

離職票をなくしたとき

大阪のハローワークの案内では、離職票の再交付は雇用保険被保険者離職票再交付申請書で行い、事業主(事業所を管轄するハローワーク)または本人が申請できます。本人が来所するときは、運転免許証・住民票の写しなど本人確認の書類が必要です。

まとめ

  • 退職したら、被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、資格喪失届をハローワークへ出す。離職日が3月31日なら、数え始めは4月2日。
  • 離職票を希望する人には、資格喪失届に離職証明書(3枚1組)を添える。希望しない人は、⑦欄に「2」を書き、離職証明書は不要。
  • 後から離職証明書の交付を請求されたら、事業主は作成して交付する。賃金台帳や出勤簿は残しておく。
  • 離職証明書には、賃金支払基礎日数が11日以上ある月を直近12か月分(65歳以上は6か月分)書く。
  • 離職年月日は雇用保険の資格の最終日で、社会保険の喪失日とは異なる。社会保険側の手続きは社会保険の資格取得届・資格喪失届で確認する。

次に知りたいこと:雇用保険の加入条件、会社をたたむときの労働保険の手続き、退職者の年末調整。

公式情報

よくある質問

従業員が辞めたとき、雇用保険の届出はいつまでに出しますか?
被保険者でなくなった日の翌日から起算して10日以内に、雇用保険被保険者資格喪失届を事業所を管轄するハローワークへ出します。離職日の翌日が被保険者でなくなる日なので、離職日が3月31日なら数え始めは4月2日です(厚生労働省の手続き一覧表、愛知のハローワークの資料)。
退職者が離職票は要らないと言ったときは、何も出さなくてよいですか?
資格喪失届は出します。離職票の交付を希望しない場合は、⑦欄に「2」を書けば離職証明書は出さなくて構いません。ただし、後から請求されたら離職証明書を作って交付する必要があります(厚生労働省の注意書き)。
離職証明書には、何か月分の賃金を書きますか?
賃金支払基礎日数が11日以上ある月を、直近12か月分(65歳以上は6か月分)書きます。記入できる期間は、離職日から遡って2年間(65歳以上は1年間)までです(愛知のハローワークの資料)。
雇用保険の離職年月日と社会保険の喪失日は同じですか?
同じとは限りません。雇用保険の離職年月日は資格の最終日を書き、社会保険の喪失日とは異なると愛知のハローワークの資料が注意しています。
本記事について。税理士監修前の概説です。雇用保険の届出は、退職の理由や賃金の支払い方によって書き方が変わります。実際の手続きは管轄のハローワークや社会保険労務士にご確認ください。

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