消費税の任意の中間申告の届出|出し忘れ・取りやめ・免税事業者になったとき
届出書を出したあとに、中間申告書を出し忘れたとき、免税事業者になったとき、やめたいときの扱いを、国税庁の資料と消費税法42条で整理します。
国税庁の制度任意の中間申告は、届出書を出せば使える制度ですが、届出のあとに中間申告書を出さないと、やめる届出を出したものとみなされます。毎年のように出す前提で届け出ると、1回の出し忘れで届出の効力が切れます。
義務のある中間申告の回数や期限は法人の消費税の中間申告と消費税の中間納付(個人事業主)で扱っています。この記事は、届出書を出したあとの扱いだけに絞ります。
任意の中間申告の仕組み
直前の課税期間の確定消費税額(地方消費税を含まない)が48万円以下の事業者は、中間申告をする義務がありません。そうした事業者が「任意の中間申告書を提出する旨の届出書」を税務署に出すと、自主的に年1回の中間申告と納付ができます(国税庁 No.6611)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 直前の確定消費税額(国税分)が48万円以下の事業者。個人は前年、法人は前事業年度の年税額で見る |
| 始まる時期 | 届出書を出した日以後に、末日が最初に来る6月中間申告対象期間から |
| 提出期限 | 6月中間申告対象期間の末日の翌日から2か月以内 |
| 中間納付税額 | 直前の確定消費税額の12分の6(直前の課税期間が12か月に満たないときは計算方法が異なる) |
| 仮決算 | 仮決算をして計算した税額で申告・納付することもできる |
「6月中間申告対象期間」は、課税期間の開始の日から6か月の期間です。1月から12月が課税期間の個人事業主なら1月から6月、3月決算の法人なら4月から9月がこの期間です。
例として、3月決算の法人が12月に届出書を出したとします。その期の4月から9月の期間の末日(9月30日)はすでに過ぎているため、最初に対象になるのは翌期の4月から9月で、期限は翌期の11月30日です。
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中間申告書を出さなかったときの扱い
届出書を出した事業者が、中間申告書を期限までに出さなかったときは、6月中間申告対象期間の末日に、任意の中間申告をやめる旨の届出書を出したものとみなされます(消費税法42条11項)。一度でも出し忘れると、届出の効力は切れます。
次の期にまた中間申告をしたいときは、改めて届出書を出し直します。出し直しの届出は、その提出日以後に末日が最初に来る6月中間申告対象期間から効力を持ちます。
義務のある中間申告は、期限までに出さなくても前期の実績で出したものとみなされますが、任意の場合は出したものとはみなされません。中間納付もできなくなります(国税庁 No.6611)。
免税事業者になった期はどうなるか
国税庁の質疑応答事例には、次の照会があります。今期は届出書を出して中間申告をしたが、来期は基準期間(前期)の課税売上高が1,000万円以下になり、免税事業者になる。来期も中間申告書を出す必要があるか、出さなければ取りやめたものとみなされるか、という内容です。
回答は次のとおりです。
- 免税事業者になった期は、中間申告書や確定申告書を出す義務がないので、届出書を出していても中間申告書を出す必要はない
- 出さなくても、取りやめの届出書を出したものとはみなされず、届出の効力は続く
免税事業者になる期の判定は、基準期間の課税売上高で行います。基準期間の考え方は消費税の基準期間とはで整理しています。
直前の税額がない課税事業者の期は0円で出す
同じ質疑応答事例の注に、見落としやすい点があります。直前の課税期間が免税事業者で確定申告書を出していなかった場合や、直前の課税期間が還付申告で確定消費税額がない場合でも、課税事業者であれば届出の効力を続けるには、自主的に中間申告書を出す必要があります。
このときに出すのは、消費税額を「0円」とする中間申告書か、仮決算による中間申告書です。上の「免税事業者のときは出さなくてよい」と混同しないよう、その期が課税事業者か免税事業者かを先に確かめます。
| その期の状況 | 中間申告書 | 届出の効力 |
|---|---|---|
| 免税事業者である | 出す必要はない | 続く |
| 課税事業者で、直前の確定消費税額がある | 直前の税額の12分の6で出す | 出せば続く。出さないと取りやめとみなされる |
| 課税事業者で、直前の確定消費税額がない(免税・還付) | 0円の中間申告書か仮決算で出す | 出せば続く。出さないと取りやめとみなされる |
やめたいときの届出
任意の中間申告を自分からやめるときは、その旨を記載した届出書を税務署に出します。事業を廃止したときも、同じ届出書が必要です(消費税法42条9項)。
取りやめの届出書を出すと、その提出日以後に末日が最初に来る6月中間申告対象期間から、もとの届出書の効力がなくなります(同条10項)。届出と同じく、いつから効力が変わるかは提出日で決まります。やめたい期の6月中間申告対象期間の末日より前に出しておきます。
課税期間を短縮する特例を選ぶと、そもそも中間申告の仕組みが変わります。課税期間の短縮特例も合わせて確認してください。
まとめ
- 任意の中間申告は、直前の確定消費税額が48万円以下の事業者が、届出書を出して使う年1回の制度。
- 届出のあとに中間申告書を期限までに出さないと、取りやめの届出をしたものとみなされる。
- 免税事業者になった期は出さなくてよく、出さなくても届出の効力は続く。
- 課税事業者で直前の税額がない期は、効力を続けるなら0円または仮決算の中間申告書を出す。
- 自分でやめるときは、取りやめの届出書を出す。事業を廃止したときも同じ。
次に知りたいこと:確定申告の期限は消費税の確定申告の期限の記事に、免税事業者が課税事業者になる届出は課税事業者選択届出書の記事にまとめています。
よくある質問
- 任意の中間申告の届出書を出したあと、中間申告書を出し忘れるとどうなりますか?
- 6月中間申告対象期間の末日に、任意の中間申告をやめる届出書を出したものとみなされ、届出の効力がなくなります。義務のある中間申告とは異なり、出したものとはみなされず、中間納付もできません(出典:国税庁 No.6611)。
- 免税事業者になる期にも、中間申告書を出す必要がありますか?
- 出す必要はありません。出さなくても取りやめの届出を出したものとはみなされず、届出の効力は続きます(出典:国税庁 質疑応答事例「任意の中間申告書を提出する旨の届出書の効力」)。
- 直前の期が還付申告だった課税事業者は、中間申告書を出さなくてよいですか?
- 届出の効力を続けたいなら、自主的に出す必要があります。消費税額を0円とする中間申告書か、仮決算による中間申告書を出します(出典:同質疑応答事例の注)。
- 任意の中間申告の中間納付額はいくらですか?
- 直前の課税期間が12か月のときは、直前の確定消費税額(国税分)の12分の6です。仮決算をして計算した税額で申告・納付することもできます(出典:国税庁 No.6611)。
- 任意の中間申告をやめるにはどうしますか?
- やめる旨を記載した届出書を税務署に出します。提出日以後に末日が最初に来る6月中間申告対象期間から、もとの届出の効力がなくなります(消費税法42条9項・10項)。
公式情報
- 国税庁「No.6611 任意の中間申告制度」(対象、始まる時期、期限、中間納付税額、未提出の扱い)
- 国税庁 質疑応答事例「任意の中間申告書を提出する旨の届出書の効力」(免税事業者になった期、直前の税額がない課税事業者の期)
- e-Gov法令検索「消費税法」第42条(8項から11項:任意の中間申告の届出、取りやめ、みなし規定)

