ガイド

預金・貸付金の利子と売上割引の消費税

預金利息や貸付金の利子は非課税、早く払ってもらったときの売上割引は売上の値引きと同じ扱いです。似た「お金の増減」でも消費税の扱いが分かれる点を説明します。

消費税
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

預金や貸付金の利子は消費税が非課税で、売上割引は売上げに係る対価の返還等として扱います。どちらも資金の貸し借りに近い取引ですが、扱いは別です。

  • 預貯金や貸付金の利子は、非課税取引です(国税庁No.6221、消費税基本通達6-3-1)。
  • 手形の割引料や、前渡金の利子も、利子を対価とする貸付けとして非課税です(同6-3-1、6-3-5)。
  • 支払期日より前に代金を受け取って支払う売上割引は、非課税の利子ではなく、売上げに係る対価の返還等です(同6-3-4)。

利子が非課税になる理由と範囲

国税庁No.6221は、消費税の課税の対象になじまない資金の流れに関する取引は非課税とされるとしています。預貯金や貸付金の利子は、その代表です。

消費税基本通達6-3-1は、非課税となるもののおおむねの範囲を挙げています。国債、地方債、社債、貸付金、預金、貯金の利子のほか、信用の保証料、手形の割引料などがあります。

受け取る預金利息も、取引先や従業員への貸付けで受け取る利子も、課税売上にはなりません。消費税の請求は不要で、消費税の申告では非課税売上として扱います。

手形の割引料と前渡金の利子

手形の割引料は、消費税基本通達6-3-1に挙がっている非課税の対象です。国税庁No.6221にも同じ項目があります。

名称が「利子」でなくても、実質が貸付金なら非課税です。消費税基本通達6-3-5は、前渡金に係る利子のように経済的実質が貸付金であるものの利子を、利子を対価とする資産の貸付けとして扱うとしています。

売上割引・仕入割引の扱い

売掛金を支払期日より前に受け取ったときに、相手先へ支払う売上割引は、利子のように見えますが非課税取引ではありません。消費税基本通達6-3-4は、売上げに係る対価の返還等に該当するものとして取り扱うとしています。

買掛金を支払期日より前に支払って受ける仕入割引も同じ考え方で、仕入れに係る対価の返還等に該当するものとして取り扱います(消費税基本通達6-3-4)。

返品・値引き・割戻しとの整理や、税額の調整の手順は、返品・値引き・リベートの消費税で確認できます。

課税売上割合への影響

国税庁No.6405によると、課税売上割合の分母の総売上高は、課税売上高、輸出による免税売上高、非課税売上高の合計です。非課税の利子の収入は、分母に入る側の売上です。

課税売上割合の計算では、売上げについて値引・割戻し等を行ったときは、その金額を控除します(国税庁No.6405)。売上割引は対価の返還等にあたるため、この控除の対象になります(消費税基本通達6-3-4)。

課税売上割合の仕組みは課税売上割合の計算で整理しています。有価証券や貸付金などの金銭債権を譲渡したときだけは、譲渡対価の5%を分母に加える特別な計算があります(国税庁No.6405)。詳しくは有価証券を売ったときの消費税を確認してください。

早見表

受け取る・支払うもの消費税の扱い根拠
預貯金・貸付金の利子非課税No.6221、通達6-3-1
手形の割引料非課税通達6-3-1
前渡金などの利子(実質が貸付金)非課税通達6-3-5
売上割引(代金を期日前に受け取って支払う)売上げに係る対価の返還等通達6-3-4
仕入割引(代金を期日前に支払って受ける)仕入れに係る対価の返還等通達6-3-4

課税、非課税、不課税、免税の区別は消費税の課税・非課税・不課税・免税の違いで整理しています。

よくある質問

事業用の預金利息に、消費税はかかりますか?
かかりません。預貯金の利子は非課税取引です(国税庁No.6221)。
取引先にお金を貸して受け取る利子は課税売上ですか?
貸付金の利子は非課税で、課税売上に含まれません(消費税基本通達6-3-1)。
売上割引は非課税の利子と同じ扱いですか?
違います。売上げに係る対価の返還等として扱います(消費税基本通達6-3-4)。
手形の割引料は課税ですか?
非課税です。消費税基本通達6-3-1に手形の割引料が挙がっています。

次に読む

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。個別の取引は契約の内容によって扱いが変わるため、実際の申告は税務署や税理士へ確認してください。出典:国税庁。

あわせて読む