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在宅勤務手当は給与になる?課税されない精算方法

在宅勤務の費用を会社が出すとき、毎月一定額を渡す「手当」は給与として課税され、実費を精算する形なら課税されません。パソコンや机の「貸与」と「支給」の違い、通信費・電気料金の業務使用分の考え方を、国税庁の令和8年4月1日更新のFAQで整理します。

国税庁FAQ
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

法人にして従業員を雇うと、在宅勤務にかかる費用を会社が負担する場面が出てきます。同じ金額を出しても、出し方によって従業員の給与になるか、ならないかが分かれます。

在宅勤務に通常必要な費用を実費で精算する方法なら、会社が従業員へ払う金銭は給与として課税されません。返す必要のない「渡切り」の手当は、給与として課税されます。この整理は、国税庁の「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ(源泉所得税関係)」に基づきます。

従業員が通勤する場合の通勤手当は「法人成りで通勤手当を非課税にする距離区分」、食事の補助は「食事補助の非課税限度額」、記念品の支給は「永年勤続表彰・創業記念品の非課税の条件」、研修費・資格取得費用の会社負担は「従業員の資格取得費用・研修費の課税」、人間ドックの費用は「人間ドックの費用を会社が出すと給与になる?」、発明や社内提案の報奨金は「発明・社内提案の報奨金は何の所得か」を参照してください。

渡切りの在宅勤務手当は給与になる

国税庁のFAQでは、従業員が在宅勤務の費用として使わなかった場合でも会社へ返す必要がない金銭は、在宅勤務手当として従業員の給与に課税するとされています。例として「毎月5,000円を渡切りで支給するもの」が挙げられています。

会社が「在宅勤務手当」という名前で毎月同じ額を払っていて、使い道の精算がない場合は、この扱いに当たります。

課税されない実費精算の方法

在宅勤務に通常必要な費用を精算する方法で支給する金銭は、給与として課税する必要がありません。FAQは、精算の方法として次の2つの型を示しています。

型流れ
仮払い型会社が先に金銭を仮払いし、従業員が購入や支払をして、領収証や業務使用分の計算を会社へ出して精算する。仮払額が実費を超えたら、超過分は会社へ返す
立替精算型従業員が立替払いで購入や支払をし、領収証や業務使用分の計算を会社へ出して、実費を受け取る

仮払額が実費を超えた分を従業員が返さなかったときは、実費の部分は課税されませんが、超過部分は給与として課税されます。この型を採るなら、領収証と、通信費などの業務使用分の計算を会社が受け取って残す運用が前提です。

パソコンや机は「貸与」か「支給」か

事務用品(パソコン等)や、自宅に置く間仕切り・カーテン・椅子・机・空気清浄機などの環境整備の物品は、所有権がどちらにあるかで扱いが分かれます。

  • 貸与:会社が所有する物を従業員に貸すときは、給与として課税されません
  • 支給:所有権が従業員へ移るときは、現物給与として課税されます

会社が「支給」という形で配っても、従業員が自由に処分できず、業務に使わなくなったときは返す決まりなら、「貸与」とみてよいとされています。購入を従業員の立替払いにする場合は、前の節の精算方法に当たります。

パソコンや机を渡すときは、社内規程や受け取りの書面に「会社の所有物であり、業務をやめたら返す」と書いておくと、貸与として説明しやすくなります。

通信費・電気料金は業務使用分だけを計算する

自宅の電話・インターネット・電気は、家事で使う分と業務で使う分が混ざっています。FAQは、従業員が負担した通信費や電気料金について、業務のために使用した部分を合理的に計算して、その金額を精算する方法を示しています。

  • 通話料:通話明細書で業務の通話に係る料金が確認できるので、その金額を支給しても課税されません
  • 基本使用料・インターネットの通信料:業務に使用した部分を合理的に計算する必要があります。FAQには例示の算式があります
  • 電気料金:同様に、業務に使用した部分を合理的に計算します

算式の中身は、FAQの該当ページ(問6から問8)で確認してください。個人事業主が自宅を事業用に使うときの按分の考え方は、従業員への精算とは別の話で、「個人事業主が自宅を経費にする」で整理しています。

出し方別の課税関係の早見表

会社の出し方従業員の給与としての課税
毎月一定額を渡切りで払う在宅勤務手当課税される
実費を領収証などで精算して払う課税されない
会社所有のパソコン・机などを貸す課税されない
パソコン・机などの所有権を従業員へ移す現物給与として課税される
通信費・電気料金のうち業務使用分を精算して払う課税されない
仮払額が実費を超え、超過分を返さない超過部分は課税される

この表は、国税庁FAQが扱う源泉所得税の取扱いです。会社側の経費の処理や、消費税の仕入税額控除は別の確認が必要なので、顧問税理士にご相談ください。

まとめ

  • 返す必要のない渡切りの在宅勤務手当は、従業員の給与として課税される
  • 通常必要な費用を実費で精算する方法なら、給与として課税されない
  • パソコンや机は、会社所有のまま貸すなら非課税、所有権を移すなら現物給与
  • 通信費・電気料金は、業務に使用した部分を合理的に計算して精算する
  • 仮払額が実費を超えた部分は、返さなければ給与として課税される

公式一次情報

よくある質問

毎月5,000円の在宅勤務手当を払うと、課税されますか?
使わなかった分を会社へ返す必要がない渡切りの手当は、従業員に対する給与として課税されます。実費を精算する方法に変えれば、通常必要な費用の部分は課税されません。
会社が買ったパソコンを従業員の自宅で使わせるときは、課税されますか?
会社が所有したまま貸与するなら、給与として課税されません。所有権を従業員へ移して支給すると、現物給与として課税されます。
従業員が自分で買った椅子や机の代金を会社が出すときは?
業務のために使う物を立替払いで買い、領収証を会社へ出して精算する方法なら、課税されません。会社が貸与する物であることが前提で、所有権を従業員へ移す場合は現物給与になります。
自宅の電気料金やインターネット代は、全額を会社が出せますか?
家事で使う部分を含むため、全額は精算の対象になりません。業務に使用した部分を合理的に計算した金額が精算の対象で、算式の例は国税庁のFAQに載っています。
仮払いした金額が実費より多かったときは?
超過した部分を会社へ返せば問題ありません。返さないときは、実費の部分は課税されませんが、超過した部分は給与として課税されます。
本記事について。税理士監修前の概説です。取扱いは国税庁の令和8年4月1日更新のFAQに基づくもので、会社の規程や支給の実態によって結論が変わることがあります。実際の処理は、所轄の税務署、または顧問税理士にご確認ください。