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自宅を法人の本店にすると固定資産税の住宅用地特例はどうなる|居住部分4分の1以上の判定と敷地の率

自宅の住所を法人の本店にしても、固定資産税の住宅用地の特例が登記だけでなくなるわけではありません。地方税法と施行令が見ているのは家屋の居住部分の割合です。特例の内容、併用住宅の判定表、自宅を事務所として使うときの注意を整理します。

地方税法・施行令・自治体の公式案内
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

自宅の住所を法人の本店として登記しても、固定資産税の住宅用地の特例(税額が大きく下がる仕組み)が、登記だけを理由になくなるわけではありません。地方税法と施行令が見ているのは、家屋のうち居住に使っている部分の床面積の割合で、その割合が4分の1以上あれば住宅用地の対象になります。

この記事では、住宅用地の特例の内容、併用住宅の居住割合の判定表、自宅の一部を会社の事務所として使うときの注意を、法令と自治体の公式案内にもとづいて整理します。本店を自宅にするかどうかの判断は、「法人の本店所在地は自宅かバーチャルオフィスか」を参照してください。

住宅用地の特例の内容

地方税法349条の3の2は、住宅用地に対する固定資産税の課税標準を、価格の3分の1の額と定めています。住宅用地のうち面積が200平方メートル以下のもの(小規模住宅用地)は、価格の6分の1の額です。

住宅用地は固定資産税の課税標準が価格の3分の1、200平方メートル以下の部分は6分の1になります。200平方メートルを超える場合は、面積を住居の数で割った面積が200平方メートル以下かどうかで、小規模住宅用地になる範囲が変わります。

都市計画税は、市町村が市街化区域内の土地・家屋に課すことができる税です(地方税法702条1項)。大阪市の案内では、都市計画税の課税標準は、小規模住宅用地が価格の3分の1、一般住宅用地が3分の2とされています。都市計画税を課すかどうかは市町村ごとに決まるため、自治体の案内で確認してください。

併用住宅は居住部分が4分の1以上かで判定する

家屋の一部を居住に使い、残りを事務所や店舗に使う家屋(併用住宅)は、居住部分の床面積が家屋の床面積の4分の1以上あるものが、住宅用地の対象になります(地方税法施行令52条の11第1項)。

住宅用地として扱われる土地の面積は、敷地の面積に、居住部分の割合に応じた率を掛けて求めます。敷地の面積は、家屋の床面積の10倍が上限です(施行令52条の11第2項)。

家屋の区分居住部分の割合住宅用地とされる率
地上階数5以上の耐火建築物以外4分の1以上2分の1未満0.5
2分の1以上1.0
地上階数5以上を有する耐火建築物4分の1以上2分の1未満0.5
2分の1以上4分の3未満0.75
4分の3以上1.0

この記事の計算例です。延べ床面積120平方メートルの2階建てのうち、居住部分が90平方メートルなら、居住部分の割合は4分の3で、率は1.0です。居住部分が40平方メートルなら、割合は3分の1で、率は0.5になります。

居住割合が4分の1未満の併用住宅の敷地は、階数に関わらず商業地等(非住宅用地)になると、大阪市が案内しています。

本店の登記だけで判定は変わるのか

地方税法349条の3の2と施行令52条の11の条文は、家屋の居住の用に供する部分の床面積の割合と、敷地の面積で住宅用地を定めています。本店として登記したかどうかは、条文の要件に出てきません。

住宅用地かどうかは居住部分の床面積の割合などで決まり、住所を本店として登記したこと自体は、条文の要件になっていません。ただし、自宅の一部を会社の事務所として実際に使えば、その部分は居住の用に供する部分に入らず、併用住宅として居住割合の判定を受けます。

  • 居住割合が4分の1以上:上の表の率で、住宅用地とされる面積が決まります。
  • 居住割合が4分の1未満:大阪市の案内では、階数に関わらず商業地等(非住宅用地)です。
  • 用途を変えたとき:大阪市は、家屋の用途を変更した場合に住宅用地の申告書を出すよう案内し、申告期限は毎年1月31日です。

土地と家屋の所有者が異なる場合の扱いは、施行令52条の11第4項が総務省令に委ねています。建物を個人が持ち、会社が一部を使うようなときは、市町村の固定資産税の担当窓口に確認してください。

賦課期日と自治体での確認

固定資産税の賦課期日は、その年度の初日の属する年の1月1日です(地方税法359条)。年の途中で自宅の使い方を変えたときの扱いは、市町村の案内で確認します。

住宅用地の認定と申告の運用、都市計画税の課否は市町村ごとに異なります。この記事の大阪市の内容を全国の運用として断定するものではありません。

注意:所得税の家事按分とは別の制度です:個人事業主が自宅を経費にする家事按分は、所得税の事業割合の考え方です。固定資産税の住宅用地の率は、施行令の表で決まるため、二つの割合が自動的に一致するとは限りません。家事按分は個人事業主が自宅を経費にする家事按分を参照してください。

自宅から賃貸事務所などへ本店を移す場合の登記手続き自体は本店移転登記とはを参照してください。

まとめ

  • 住宅用地の固定資産税の課税標準は価格の3分の1、200平方メートル以下は6分の1(地方税法349条の3の2)。
  • 併用住宅は、居住部分の床面積が家屋の床面積の4分の1以上なら住宅用地の対象で、居住割合に応じた率(0.5・0.75・1.0)を敷地に掛ける。
  • 条文の要件は居住部分の割合などで、本店の登記自体は要件に出てこない。自宅の一部を事務所に使えば、居住割合の判定を受ける。
  • 賦課期日は1月1日。認定と申告の運用、都市計画税の課否は市町村ごとに違うため、自治体で確認する。

会社の機械・備品にかかる償却資産税は償却資産税の解説を、法人成りの全体像は法人成りとはを参照してください。

公式一次情報

よくある質問

自宅を法人の本店にすると、住宅用地の特例はなくなりますか?
本店の登記自体は、地方税法と施行令の要件に出てきません。判定は居住部分の床面積の割合などで行われ、自宅の一部を事務所として使い、居住割合が4分の1未満になれば、大阪市の案内では非住宅用地になります。
自宅の一部を事務所にした場合、特例はどう変わりますか?
居住部分の割合が4分の1以上なら、割合に応じた率(0.5・0.75・1.0)を敷地に掛けた面積が住宅用地になります。4分の1未満なら、階数に関わらず非住宅用地です。
都市計画税も軽くなりますか?
大阪市の案内では、都市計画税の課税標準は小規模住宅用地が価格の3分の1、一般住宅用地が3分の2です。都市計画税を課すかどうかは市町村ごとに決まるため、自治体の案内で確認してください。
所得税の家事按分と同じ割合で判定されますか?
別の制度です。固定資産税の住宅用地の率は施行令の表で決まり、家事按分の事業割合と自動的に一致するとは限りません。個別の税額は市町村の固定資産税の担当窓口に確認してください。
本記事について。専門家の監修前の概説です。住宅用地の認定、申告、都市計画税の課否は市町村によって運用が異なります。個別の税額と判定は、家屋の所在地の市町村の固定資産税の担当窓口または税理士にご確認ください。