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個人事業主・フリーランスに賞与(ボーナス)はある?

個人事業主自身には「賞与」という制度がありません。事業所得の仕組みと、家族への専従者給与・法人化後の役員賞与との違いを整理します。

基本の整理
編集:法人成りシミュレーション編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

会社員なら夏・冬に支給される賞与(ボーナス)がありますが、個人事業主・フリーランスには支給元がありません。事業主自身は自分を雇っているわけではなく、事業から生じた利益がそのまま所得になる仕組みだからです。

結論:個人事業主自身に賞与という制度はない

賞与(ボーナス)は、使用人や役員に支払う給与所得の一部として定義されており、個人事業主自身はその支給対象にあたりません。国税庁のタックスアンサーでは、給与所得を「使用人や役員に支払う俸給や給料、賃金、歳費、賞与のほか、これらの性質を有する給与に係る所得」と定義しています。個人事業主は事業の使用人でも役員でもないため、この枠組みに入りません。

なぜ賞与がないのか(事業所得の仕組み)

個人事業主・フリーランスの所得区分は「事業所得」です。国税庁は事業所得の金額を「総収入金額−必要経費=事業所得の金額」と定義しています。会社員のように雇用主から給与・賞与の名目でお金を受け取るのではなく、事業の収入から必要経費を差し引いた利益そのものが所得になります。

そのため「基本給に加えて年2回の賞与」という給与所得の考え方自体が、個人事業主の所得構造にはあてはまりません。年間を通じて売上が増減しても、それは事業所得の増減であって、賞与の有無とは別の話です。

生活費として引き出すお金との違い

事業用の口座から生活費としてお金を引き出すこと自体はできますが、これは会社員の賞与とは性質が異なります。生活費への引き出しは必要経費にならず、帳簿上は「事業主貸」で処理します。引き出した金額やタイミングに関わらず、その年の事業所得(総収入金額−必要経費)に対して所得税・住民税等が計算される点は変わりません。

ポイント:会社員の賞与は勤務先の経費(給与所得の一部)ですが、個人事業主が生活費として引き出すお金は事業の経費にはならず、課税対象の事業所得を減らしません。名目が違うだけでなく、税務上の扱いも別物です。

家族への賞与のような支払いは専従者給与の範囲内

生計を一にする家族に事業を手伝ってもらっている場合、家族への支払いを経費にする制度として青色事業専従者給与白色の事業専従者控除があります。ただしこれは「家族従業員への給与」の制度であり、事業主自身への賞与ではありません。

青色事業専従者給与は、あらかじめ税務署へ届け出た支給時期・金額の範囲内でしか経費にできず、任意のタイミングで賞与のように上乗せすることはできません。白色の事業専従者控除も、配偶者最高86万円・その他の親族最高50万円などの上限が決まっています。

法人化すると役員賞与を経費にできる

個人事業主のままでは使えませんが、法人化(法人成り)すると、役員への賞与のようなまとまった支給を事前確定届出給与として経費(損金)にできる制度があります。あらかじめ税務署へ届け出た時期・金額どおりに支給することが条件で、届出どおりに支払わないと全額が経費として認められません。個人事業主自身への「賞与」を作りたい場合、この違いが法人化を検討する論点のひとつになります。

報酬額の決め方全体は役員報酬の決め方、法人化の判断材料は個人事業主の税金はいくら?もあわせて確認してください。

まとめ

  • 賞与は使用人・役員に支払う給与所得の一部で、個人事業主自身はその対象ではない。
  • 個人事業主の所得は事業所得(総収入金額−必要経費)で、賞与という支給名目自体が存在しない。
  • 生活費として引き出すお金は事業主貸で処理し、経費にはならず事業所得を減らさない。
  • 家族への賞与のような支払いは専従者給与・専従者控除の範囲内でのみでき、任意の上乗せはできない。
  • 法人化すると事前確定届出給与により役員賞与を経費にできる。

自分の利益がいくらになりそうか具体的に確認したい場合は、確定申告の税額試算で事業所得から税額・手取りの目安を計算できます。

公式情報

本記事について。税理士監修前の概説です。専従者給与の要件、法人化の是非は個別事情を確認してください。