消費税の期限後申告|申告を忘れたときの無申告加算税と延滞税
消費税の申告期限を過ぎてしまったときの手続きを整理します。期限後申告書の出し方、無申告加算税の割合と計算例、法定申告期限から1か月以内なら加算税がかからない条件、延滞税の納付まで、国税通則法と国税庁の案内で確認できる範囲を扱います。
消費税消費税の申告は、2年前の課税売上高が1,000万円を超えたために課税事業者になるなど、本人が気づきにくい形で必要になります。申告期限を過ぎてから気づいたときは、気づいた時点で期限後申告を出します。
この記事は、期限後申告の手続き、無申告加算税の割合、加算税がかからない条件、延滞税を整理します。申告を出したあとに間違いに気づいた場合は消費税の修正申告と更正の請求を確認してください。
期限後申告書の出し方
期限内に申告書を出すべきだった人が、期限を過ぎたあとに出す申告書を、国税通則法は期限後申告書と呼びます(通則法18条)。期限後申告書には、期限内申告書に書く事項と添付書類を、そのまま付けて出します(同条3項)。
消費税の申告書の様式が変わるわけではありません。提出先は所轄の税務署長で、期限内の申告と同じ申告書を使います。税務署の決定があるまでは、自分から出せます(通則法18条1項)。
期限後申告で新たに納める税金は、国税庁の案内では、申告書を提出した日が納期限です。その日までに納めます。申告期限そのものは消費税の確定申告の期限にまとめています。
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申告を忘れやすい場面
消費税は、課税事業者になった時点で申告が必要になります。気づきにくい場面と、判定を確認するガイドは次のとおりです。
| 場面 | 気づきにくい理由 | 参考にするガイド |
|---|---|---|
| 2年前の課税売上高が1,000万円を超えた | その年の売上げが少なくても、基準期間(2年前)の売上げで課税事業者になる | 課税事業者になる1,000万円の判定 |
| 前年の前半の売上げと給与が1,000万円を超えた | 特定期間(前年の前半)の判定は、基準期間とは別にある | 特定期間の判定 |
| 資本金1,000万円以上で法人を設立した | 設立の最初の期から課税事業者になる場合があり、売上げが小さくても申告が要る | 法人成りと消費税の免税 |
| インボイスの登録をした | 登録をした日から課税事業者になり、免税の感覚のままになりやすい | インボイスの登録の判断 |
表のうち、自分がどれに当たるかは、売上げの数字や設立時の資本金で判定します。当てはまったときは、課税期間の末日の翌日から2か月以内などの期限が動き出します。
無申告加算税の割合と計算例
期限後申告をすると、納める税金のほかに、無申告加算税がかかる場合があります。国税庁のタックスアンサーNo.2024は、割合を提出した時期で分けています。令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するものが対象の割合です。
| 期限後申告の時期 | 50万円までの部分 | 50万円超300万円までの部分 | 300万円超の部分 |
|---|---|---|---|
| 調査の事前通知の前に自主的に出した | 納付すべき税金の5% | ||
| 事前通知のあと、決定を予知する前に出した | 10% | 15% | 25% |
| 調査を受けたあとに出した、または決定を受けた | 15% | 20% | 30% |
次は仮の金額による計算例です。
| 前提 | 自主的な期限後申告 | 事前通知後・予知前 | 調査後 |
|---|---|---|---|
| 納付すべき税金20万円 | 20万円×5%=1万円 | 20万円×10%=2万円 | 20万円×15%=3万円 |
| 納付すべき税金100万円 | 100万円×5%=5万円 | 50万円×10%+50万円×15%=12.5万円 | 50万円×15%+50万円×20%=17.5万円 |
調査の事前通知を受ける前に自分から出せば、割合は5%です。通知後は割合が倍以上になるため、気づいた時点で出す動機になります。
自主的な申告ではない場合(事前通知後や調査後)に、過去に無申告加算税や重加算税を課されたことがあるときは、さらに10%分が加算される定めもあります。調べる範囲は、調査後の申告では5年前まで、令和6年1月1日以後に法定申告期限が到来するものでは前年と前々年の課税期間も対象です(通則法66条6項、国税庁No.2024)。
納付すべき税額が出ない期限後申告、たとえば還付になる申告では、加算税のもとになる税額がありません。還付の仕組みは消費税の還付申告で扱っています。
加算税がかからない条件
国税庁の案内では、期限後申告でも、次の要件をすべて満たせば無申告加算税はかかりません(通則法66条9項)。
- 法定申告期限から1か月以内に、自主的に期限後申告をしていること。
- 期限内申告をする意思があったと認められる一定の場合に当たること。
この「一定の場合」は、国税庁の案内では、次の2つをどちらも満たす場合です。
- 期限後申告で納付すべき税金の全額を、法定納期限までに納めていること(口座振替納付の手続きをした場合は、期限後申告書を提出した日まで)。
- 期限後申告書を出した日の前日から5年前までの間に、無申告加算税または重加算税を課されたことがなく、この要件による不適用も受けていないこと。
つまり期限を1か月以内に過ぎただけで、税金も期限までに納めていれば、加算税がかからない場合があります。期限を過ぎてから納める、または1か月を過ぎると、この扱いは使えません。
延滞税と納付の期限
期限後申告で納める税金には、延滞税もかかります(通則法60条1項2号)。国税庁の案内では、納付の日までの延滞税を合わせて納めます。割合は年ごとに告示で決まり、国税庁の割合表では令和8年1月1日から12月31日までは次のとおりです。
| 期間 | 令和8年の割合(年) |
|---|---|
| 納期限までの期間、および納期限の翌日から2か月を経過する日まで | 2.8% |
| 納期限の翌日から2か月を経過する日の翌日以後 | 9.1% |
延滞税は、一定の期間を計算から除く特例もあり、実際の金額は個別の事情で変わります。金額は税務署の案内や税理士で確認してください。
まとめ
- 申告期限を過ぎたら、期限内申告書と同じ事項を書いた期限後申告書を出す(通則法18条)。
- 自主的に調査の事前通知の前に出すと、無申告加算税は納付税額の5%。通知後は10%、調査後は15%から。
- 法定申告期限から1か月以内の自主的な申告で、税金を期限までに納め、過去5年に加算税の履歴がなければ、加算税はかからない場合がある。
- 期限後申告で納める税金の納期限は申告書を出した日。延滞税は納付の日まで合わせて払う。
- 申告を忘れやすいのは、基準期間や特定期間の売上げで課税事業者になる場面。
よくある質問
- 消費税の申告を忘れたとき、いつまでに出せばよいですか?
- 気づいた時点でできるだけ早く、期限後申告として出します。調査の事前通知の前に自主的に出せば、無申告加算税の割合は低くなります(出典:国税通則法18条、国税庁タックスアンサーNo.2024)。
- 期限後申告の無申告加算税はいくらですか?
- 調査の事前通知の前に自主的に出したときは、納付すべき税金の5%です。事前通知後で決定を予知する前は10%から、調査後は15%からで、税額が50万円や300万円を超える部分は割合が上がります(出典:国税庁タックスアンサーNo.2024)。
- 加算税がかからない場合はありますか?
- 法定申告期限から1か月以内に自主的に出し、納付すべき税金の全額を法定納期限までに納め、過去5年に無申告加算税などの履歴がないなど、一定の要件をすべて満たすときです(出典:国税通則法66条9項、国税庁No.2024)。
- 申告で納める税金はいつまでに納めますか?
- 国税庁の案内では、期限後申告で納める税金は申告書を提出した日が納期限です。延滞税は納付の日まで合わせて納めます(出典:国税庁タックスアンサーNo.2024)。
- 期限後申告にも延滞税はかかりますか?
- かかります。令和8年の割合は、納期限の翌日から2か月を経過する日までが年2.8%、その翌日以後が年9.1%です(出典:国税通則法60条1項2号、国税庁「延滞税の割合」)。
次に知りたいこと
公式一次情報
- e-Gov法令検索「国税通則法」(18条:期限後申告、60条:延滞税、66条:無申告加算税。2026-10-15確認)
- 国税庁タックスアンサーNo.2024「確定申告を忘れたとき」(無申告加算税の割合、1か月以内の期限後申告の要件、納期限。所得税の案内で、国税通則法に基づく割合と要件の確認に使用。2026-10-15確認)
- 国税庁「延滞税の割合」(令和8年は2.8%と9.1%。2026-10-15確認)
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