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土地付き建物を売ったときの消費税の按分

事業用の土地と建物をまとめて売ると、土地は非課税、建物は課税です。契約で代金が分かれていないときは、譲渡時の価額の割合で分けます。按分の考え方と、課税売上割合・簡易課税への影響を説明します。

消費税
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

事業で使っていた土地と建物を同じ人にまとめて売ったとき、消費税では土地の譲渡は非課税、建物の譲渡は課税です。契約書で代金が土地と建物に分かれていなければ、譲渡時の価額の割合で分けて、建物の部分だけに消費税を計算します。課税事業者の場合の考え方です。

  • 土地の譲渡は非課税取引です(国税庁No.6201)。借地権などの土地の上の権利を含みます。
  • 代金が合理的に区分されていないときは、譲渡時の価額の割合で按分します(消費税法施行令45条3項)。
  • 所得税や法人税の土地譲渡の特例の計算で区分しているなら、その区分によります(消費税基本通達10-1-5)。

土地は非課税、建物は課税

国税庁No.6201は、土地の譲渡および貸付けを非課税取引として挙げています。ここでいう土地には、借地権などの土地の上に存する権利が含まれます。

建物には非課税の定めがないため、事業者が事業として売る建物は課税資産の譲渡等です。同じ売買契約の中に、非課税のものと課税のものが混ざることになります。

売るもの消費税の扱い
土地(借地権などを含む)非課税
建物課税

代金が分かれていないときの按分

消費税法施行令45条3項は、課税資産と非課税資産のように区分の異なる資産を同じ人に同時に譲渡した場合の計算を定めています。それぞれの対価が合理的に区分されていないときは、譲渡時のそれぞれの価額の合計額のうち、その資産の価額が占める割合で対価を分けます。

按分の基準は、譲渡の時の資産の価額の割合です。課税標準は、建物部分の対価が税込のときは110分の100を掛けた金額になります(標準税率10%の場合)。

消費税基本通達10-1-5には、建物と土地等を同時に譲渡したときの取扱いがあります。所得税や法人税の計算で、土地の譲渡等に係る課税の特例の取扱いにより対価を区分しているなら、消費税でもその区分によります。同じ通達の注で、合理的に区分されていないときは、それぞれの通常の取引価額を基礎として区分するとされています。

計算例(税込5,500万円)

契約書に総額だけを書き、土地と建物の内訳がない場合を仮定します。譲渡時の価額の比が土地6、建物4だったとします。比率は説明用の数字で、実際の価額は評価によって決まります。

項目金額計算
総額(税込)5,500万円契約書の金額
土地の対価(非課税)3,300万円5,500万円 × 6/10
建物の対価(税込)2,200万円5,500万円 × 4/10
建物の課税標準2,000万円2,200万円 × 100/110
建物にかかる消費税(10%)200万円2,000万円 × 10%

土地の3,300万円は消費税がかからないため、総額5,500万円の全体に10%を掛けた金額にはなりません。

課税売上割合と簡易課税への影響

国税庁No.6209によると、課税売上割合は、分母を課税取引、非課税取引および免税取引の合計額、分子を課税取引および免税取引の合計額とした割合です。非課税取引は、原則として分母のみに算入します。

土地を売ると、その対価が分母に入ります。売却した課税期間は課税売上割合が下がりやすくなり、仕入税額控除の計算に響くことがあります。割合の求め方は、課税売上割合とはで確認できます。

課税売上割合が著しく変動した場合の調整は、国税庁No.6421が定めています。調整の対象になるのは、1件の取引単位の価額(支払対価の110分の100)が100万円以上の調整対象固定資産で、第3年度の課税期間の末日に保有している場合です。手順は課税売上割合が著しく変動したときの調整で整理しています。

簡易課税を選んでいる事業者の場合、消費税基本通達13-2-9は、自己で使っていた固定資産等の譲渡を行う事業は第4種事業に当たるとしています。国税庁No.6505では、第4種事業のみなし仕入率は60%です。制度の全体像は簡易課税制度で確認できます。

契約前に確認しておくこと

  • 契約書に内訳を書く。土地と建物の代金を分けて書くと、按分の根拠が契約書で残ります。ただし、その内訳が実際の価額と大きくずれていると、合理的な区分とは認められないことがあります。
  • 譲渡の時点の価額を残す。按分の基準は譲渡の時の価額です。評価の資料を保存しておくと、後から確認できます。
  • 所得税や法人税の計算と食い違わせない。通達10-1-5は、土地の譲渡等に係る課税の特例の計算で区分した内訳を使えるとしています。税の計算ごとに内訳が変わらないよう確認してください。

売却益にかかる所得税や法人税の計算は、個人事業主が事業用の資産を売ったときの所得税と法人が固定資産を売却したときの消費税で扱っています。

よくある質問

事業用の土地と建物を売ると、消費税はどちらにかかりますか?
土地の譲渡は非課税で、建物の譲渡は課税です。課税事業者が建物を売ったときは、建物の対価に消費税がかかります(国税庁No.6201)。
契約書に土地と建物の内訳がないときは、どう分けますか?
譲渡時の資産の価額の割合で按分します(消費税法施行令45条3項)。所得税または法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算で区分しているなら、その区分によります(消費税基本通達10-1-5)。
土地を売ると課税売上割合はどうなりますか?
非課税取引は原則として分母だけに入るため、土地の対価の分だけ割合が下がります(国税庁No.6209)。
簡易課税の事業者が建物を売ったときの事業区分は?
自己で使っていた固定資産等の譲渡を行う事業は第4種事業です(消費税基本通達13-2-9)。みなし仕入率は60%です(国税庁No.6505)。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。個別の取引は条件によって扱いが変わるため、実際の申告は税務署や税理士へ確認してください。出典:国税庁、e-Gov法令検索。