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会社の車・機械を売却・下取り・廃棄したときの消費税と経理

事業で使っていた車や機械を売ったときは消費税の課税売上になり、廃棄したときはなりません。下取りの扱い、簡易課税の事業区分(第4種)、インボイスの交付義務まで説明します。

固定資産の売却
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

会社が使っていた車・機械・備品を手放すとき、売るのか、下取りに出すのか、廃棄するのかで消費税の扱いが変わります。売却と下取りは課税売上、廃棄(除却)は資産の譲渡にあたらないため課税売上になりません。

  • 事業用の車両や機械を売った代金は、本業が何であっても消費税の課税対象です。
  • 簡易課税を選んでいる事業者は、固定資産の売却を第4種事業(みなし仕入率60%)として計算します。
  • 下取りは、旧車の売却と新車の購入を別々の取引として総額で扱います。
  • 課税事業者が売るなら、相手の求めに応じて適格請求書を交付する義務があります。

売却したとき

国税庁の質疑応答事例「事業者の事業用固定資産の売却」によると、事業に使っていた建物、機械、車両などの事業用資産の譲渡も消費税の課税対象です。例として、商品の配達に使っていたトラックを売った場合は課税の対象になります。

法人は事業を行うために設立されたものなので、その活動はすべて「事業として行う取引」にあたります(国税庁No.6105)。そのため、本業が飲食業でもIT業でも、車や機械の売却代金は課税売上に入ります。

法人税の側では、売却価額が益金、帳簿価額が損金になるので、売却価額が帳簿価額を上回れば売却益、下回れば売却損です。固定資産を譲渡した収益は、原則として引渡しがあった日の属する事業年度に計上します(法人税基本通達2-1-14)。

売却損が出た場合でも、売却代金そのものは消費税の課税売上です。損益は法人税の計算、課税売上かどうかは消費税の計算と、別々に見ます。

事業用の土地と建物をまとめて売る場合は、土地が非課税、建物が課税になります。代金の分け方は土地付き建物を売ったときの消費税の按分で確認できます。

下取りに出したとき

国税庁No.6305は、課税資産を売るときに下取りをした場合、売った資産の対価の額を「譲渡価額から下取価額を差し引いた額」にすることはできないとしています。課税資産の譲渡等と課税仕入れの2つの取引が同時に行われているため、それぞれ別の取引として扱います。

国税庁の例は、100万円の自動車を販売して30万円で下取りした場合で、課税資産の譲渡等の対価は100万円、課税仕入れに係る支払対価は30万円です。これは販売会社側の説明です。車を下取りに出す側から見ると、旧車の売却と新車の購入が別々の取引になる、という同じ考え方で整理できます。

項目下取りに出す側の見方
旧車を下取りに出す下取価額が課税売上(固定資産の売却)
新車を買う新車の価額の全額が課税仕入れ
差額だけ支払う差額だけを仕入れとして扱わない(総額で扱う)

請求書や契約書に「新車価額−下取価額=差額」としか書かれていなくても、帳簿では売却と仕入れを分けて計上することになります。

簡易課税のときの事業区分

国税庁No.6509によると、事業者が自分で使っていた固定資産などを譲渡した場合は、本業の事業の種類にかかわらず第4種事業(みなし仕入率60%)にあたります。対象は、建物、建物附属設備、構築物、機械装置、船舶、航空機、車両運搬具、工具、器具備品、無形固定資産などです。

事業区分は、原則として課税資産の譲渡等ごとに判定します。本業がサービス業(第5種)でも、車を売った分だけは第4種で計算します。

取引事業区分みなし仕入率
本業の売上(例:サービス業)第5種50%
使っていた車・機械の売却第4種60%

事業区分ごとの計算は簡易課税の事業区分の決め方で、申告書への書き方は簡易課税の申告書の書き方で確認できます。

廃棄(除却)したとき

消費税法基本通達5-2-13は、事業に使っていた資産を廃棄したり、盗難や滅失にあったりした場合、その廃棄などは資産の譲渡等に該当しないとしています。国税庁No.6157の不課税取引の例にも、資産の廃棄や盗難・滅失が入っています。

法人税の側では、使うのをやめて今後通常の方法で事業に使う見込みがない固定資産は、実際に解体や廃棄をしていなくても、帳簿価額から処分見込価額を引いた額を除却損として損金に入れることができます(法人税基本通達7-7-2)。個人事業主の扱いを含む除却の税務は固定資産を廃棄・除却したときの税務で整理しています。

  • 廃棄しただけで代金を受け取らないなら、消費税の課税売上は発生しません。
  • 廃棄の費用を業者に払った場合は、その請求は別の取引として課税仕入れの判定をします。
  • 廃材やスクラップを売った場合は、その売却は別の取引です。

インボイスの交付

国税庁No.6498によると、適格請求書発行事業者には、適格請求書を交付することが困難な一定の場合を除き、取引の相手方(課税事業者に限る)の求めに応じて適格請求書を交付する義務があります。車や機械の売却でも、売る側が登録事業者なら、買い手が課税事業者で求められたときに交付します。

登録していない事業者は適格請求書を交付できません。買い手は、その仕入れについて原則として仕入税額控除ができなくなります。

買い手が古物商の場合は例外があります。古物商が、適格請求書発行事業者でない者から、事業として販売する棚卸資産にあたる古物を買い受けたときは、一定の事項を記載した帳簿の保存だけで仕入税額控除が認められます(国税庁「適格請求書等保存方式に関するQ&A」)。相手が適格請求書発行事業者なら、適格請求書の保存が必要です。

この例外は古物商が販売用に仕入れるものに限られ、自分で使う車を買う場合には使えません。

3つのケースの比較

ケース消費税簡易課税の区分法人税の見方
売却課税売上第4種売却価額と帳簿価額の差が売却損益
下取り旧車は課税売上、新車は課税仕入れ(総額)旧車の分は第4種下取価額と帳簿価額の差が売却損益
廃棄・除却課税売上にならない対象外帳簿価額(有姿除却は処分見込価額を引いた額)が除却損

車の減価償却や維持費の経費化は車の経費の考え方、償却方法の基本は減価償却の基本で確認できます。

よくある質問

会社の車を売ると消費税はかかりますか?
かかります。事業に使っていた車両や機械の譲渡は課税対象です(国税庁の質疑応答事例)。免税事業者なら納税義務はありません。
簡易課税の場合、車の売却は第何種ですか?
本業にかかわらず第4種事業(みなし仕入率60%)です(国税庁No.6509)。
下取りに出した場合、差額だけで処理してよいですか?
国税庁No.6305は、下取価額を差し引いた額を対価の額とすることはできないとしています。売却と購入を別々の取引として総額で計上します。
固定資産を廃棄したら課税売上になりますか?
なりません。廃棄は資産の譲渡等に該当しないとされています(消費税法基本通達5-2-13)。

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公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。個別の税額や処理は、税務署・税理士にご確認ください。出典:国税庁。