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特例有限会社の解散と清算|決議要件・みなし解散・特別清算の違い

会社名に「有限会社」と付く会社をたたむときに、株式会社と違う点を整理します。違いは主に3点です。解散決議に要る賛成の数、休眠会社のみなし解散の対象外であること、特別清算が使えないことを、整備法の条文で確認します。

会社法・整備法
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

「有限会社」と付く会社は、会社法の上では特例有限会社という株式会社です。解散と清算の流れは株式会社と同じ会社法の規定で進みますが、整備法がいくつかの規定を外したり読み替えたりしています。

解散の決議に要る賛成の数

株主総会の決議で解散する場合(会社法471条3号)は、特別決議が必要です。特例有限会社では、特別決議の要件が株式会社と異なります。

会社の種類特別決議の要件
通常の株式会社議決権の過半数を持つ株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上(会社法309条2項)
特例有限会社総株主の半数以上であって、その株主の議決権の4分の3以上(整備法14条3項による読み替え)

特例有限会社では、議決権の割合に加えて、総株主の半数以上という人数の条件がかかります。定款で「半数以上」を上回る割合を定めている場合は、人数の条件がその割合になります(議決権の4分の3は変えられません)。

解散が決まったら、解散の日から2週間以内に本店の所在地で解散の登記をします(会社法926条)。登記の費用と必要書類は法人解散の登記の費用と書類で確認できます。

休眠会社のみなし解散は対象外

株式会社は、登記が最後にあった日から12年を経過すると休眠会社になります。法務大臣が官報で公告し、2か月以内に事業を廃止していない旨の届出も登記もしなければ、解散したものとみなされます(会社法472条)。

整備法32条は、特例有限会社について会社法472条を適用しないと定めています。長く登記をしていない有限会社でも、この規定で解散したものとみなされることはありません。

  • 登記を何年もしていなくても、みなし解散の公告・通知の対象になりません。
  • 事業をやめるつもりなら、自分で解散の決議と登記をしないと会社は残り続けます。
  • 解散していない会社には、決算や税務申告、地方税の均等割の義務が続く場合があります。休眠のまま放置するときの扱いは休眠会社の税務と手続きを見てください。

清算の流れは株式会社と同じ

解散した会社は清算をします(会社法475条1号)。この部分は特例有限会社にも会社法がそのまま適用されます。

  • 清算人は、定款で定めた人や株主総会で選んだ人がいなければ、取締役が就任します(会社法478条1項)。
  • 清算人は、債権者に対して2か月以上の期間を定めて債権を申し出るよう官報に公告し、知れている債権者には個別に催告します(会社法499条1項)。
  • 公告には、期間内に申し出ないと清算から除斥される旨を付記します(会社法499条2項)。

債権者への公告と催告の細かい手順は債権者保護の公告と催告、解散から清算結了までの全体像は法人解散から清算結了までの流れにまとめています。

清算中の特例有限会社は、清算人会や監査役会は置けず、置けるのは監査役だけです(整備法33条1項)。

特別清算は使えない

債務超過の疑いがあるなど、通常の清算が難しい株式会社は、裁判所の手続である特別清算を使えます。整備法35条は、特例有限会社について会社法第2編第9章第2節(特別清算)の規定を適用しないと定めています。

  • 特別清算を使いたい場合は、先に株式会社へ商号変更して通常の株式会社になる方法が考えられます(整備法45条・46条)。
  • 商号変更の登記は、株式会社の設立登記と特例有限会社の解散登記を同時に申請します。登記の期限は株主総会の決議から2週間以内です(整備法46条)。

債務超過で清算が進められないときの考え方は債務超過の会社の解散と特別清算で整理しています。個別の事情は、司法書士や弁護士などの専門家に確認してください。

役員の任期と決算公告の扱い

解散前の役員や公告の扱いにも、特例有限会社の特則があります。

  • 取締役の任期を定める会社法332条と、監査役の任期を定める336条は、特例有限会社に適用されません(整備法18条)。
  • 決算公告を定める会社法440条は適用されません(整備法28条)。解散前の最後の決算でも公告は要りません。

決算公告が不要になる理由と、備え置きの義務が残る点は、別のガイド「特例有限会社の決算公告」にまとめています。

次に知りたいこと

まとめ

  • 特例有限会社の解散決議は、総株主の半数以上であって、その株主の議決権の4分の3以上の賛成が要る(整備法14条3項)。
  • 休眠会社のみなし解散は適用されず、やめるなら自分で解散の決議と登記をする(整備法32条)。
  • 解散後の清算人の就任、債権者への官報公告と催告は株式会社と同じ規定で進む。
  • 特別清算の規定は適用されない(整備法35条)。使うなら株式会社への商号変更が先になる。

公式一次情報

よくある質問

有限会社を解散するには、株主の何割の賛成が要りますか?
総株主の半数以上であって、その株主の議決権の4分の3以上の賛成が要ります。定款で人数の条件(半数以上)を上回る割合を定めていれば、その割合になります(出典:整備法14条3項)。
何年も登記していない有限会社は、みなし解散になりますか?
なりません。特例有限会社には、休眠会社のみなし解散を定める会社法472条が適用されません(出典:整備法32条)。
解散の登記はいつまでにしますか?
解散の日から2週間以内に、本店の所在地で行います(出典:会社法926条)。
債権者への公告は有限会社でも必要ですか?
必要です。清算人が、2か月以上の期間を定めて債権の申出を求める旨を官報に公告し、知れている債権者には個別に催告します(出典:会社法499条)。
特例有限会社でも特別清算を使えますか?
特別清算の規定は適用されません(出典:整備法35条)。使いたい場合は、株式会社へ商号変更してから検討することになります。
本記事について。税理士・司法書士の監修前の概説です。制度・期限は改正される場合があります。個別の判断は法務局・管轄行政庁または専門家へご確認ください。