解散後の債権者への官報公告と催告(申出期間2か月以上・期間中の弁済制限)
会社を解散したあとに清算人が行う、債権申出の官報公告と知れている債権者への催告について、期間、弁済の制限、申出がなかった債権者の扱い、清算結了登記までの流れです。
2026年時点の制度会社を解散して清算に入ると、清算人は債権を申し出るよう官報で公告し、知れている債権者には個別に催告しなければなりません。公告の期間は2か月を下回れず、この期間中は原則として債務を弁済できません。
解散の登記や税務署への届出と並んで、清算結了の時期を左右するのがこの手続きです。株式会社と合同会社の条文を並べて、何をいつまでに行い、その間に何ができないかを整理します。
公告を出す清算人が誰になるかは、清算人とはを先に読むと流れがつかめます。
株式会社と合同会社の条文の対応
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 公告と催告 | 会社法499条 | 会社法660条 |
| 公告期間中の弁済の制限 | 会社法500条 | 会社法661条 |
| 弁済前の残余財産の分配の制限 | 会社法502条 | 会社法664条 |
| 清算結了の登記 | 会社法929条1号 | 会社法929条3号 |
どちらも、解散など清算に入る事由に当たったあと「遅滞なく」公告する点は同じです。法人の解散から清算結了までの全体の順序は、法人解散から清算結了までの流れにあります。
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官報公告と個別の催告に書くこと
会社法499条1項は、清算株式会社が清算に入る事由に当たったあと遅滞なく、債権者に対して「一定の期間内にその債権を申し出るべき旨」を官報に公告し、知れている債権者には各別に催告することを求めています。申出の期間は2か月を下ることができません。同条2項は、期間内に申出をしない債権者は清算から除斥される旨を公告に付記するよう定めています。
合同会社は、会社法660条に同じ内容の定めがあります。
解散公告は、決算公告のように定款で官報・日刊新聞紙・電子公告から選ぶものではなく、法令で官報掲載と定められている公告です。国立印刷局の会社法パンフレットも、合併公告や資本金の額の減少公告と並べて、解散公告を法令で官報掲載と定められているものに挙げています。申込みは、各都道府県の官報サービスセンター等で受け付けています。
定款の公告方法を変える手順は公告方法の変更手続きにあります。
公告期間中は弁済できない
会社法500条1項は、清算株式会社は公告の期間内は債務を弁済できないと定めています。この制限は、取引先への支払や借入金の返済にも及びます。弁済しなかったことで生じた責任は、会社が免れることができません(同項後段)。
合同会社も、会社法661条1項で、公告期間内の弁済が同じく制限されます。
例外として、同条2項は、裁判所の許可を得れば、公告期間内でも次の債権の債務を弁済できるとしています。
- 少額の債権
- 清算会社の財産に付いている担保権で担保される債権
- そのほか、弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権
許可の申立ては、清算人が2人以上いるときは全員の同意が必要です。清算人が1人の会社でも、公告期間中に支払が必要になりそうなものは、先に洗い出しておくと予定が立てやすくなります。
申出がなかった債権者の扱い
会社法503条1項は、知れている債権者を除き、公告の期間内に債権の申出をしなかった債権者は清算から除斥されると定めています。除斥された債権者は、まだ分配されていない残余財産に対してだけ弁済を請求できます(同条2項)。
知れている債権者は、申出がなくても除斥されません。このため、帳簿や契約書から把握できる取引先・借入先・従業員には、公告とは別に個別の催告を出す必要があります。
債権の存否や額が不確定なものは、501条が扱っています。条件付債権、存続期間が不確定な債権、その額が不確定な債権の債務を弁済するときは、裁判所に鑑定人の選任を申し立て、評価に従って弁済します。
弁済のあとの残余財産と清算結了登記
会社法502条は、清算株式会社は債務を弁済した後でなければ株主に財産を分配できないと定めています。争いのある債権は、弁済に必要と認められる財産を留保すれば足ります(同条ただし書)。合同会社は会社法664条に同じ内容の定めがあります。
清算事務が終わったあとの手続きは、会社の種類で少し違います。
- 株式会社:清算人が決算報告を作り、株主総会の承認を受けます(507条)。承認の日から2週間以内に清算結了の登記をします(929条1号)。
- 合同会社:清算に係る計算をして社員の承認を受けます。社員が1か月以内に異議を述べなければ、承認したものとみなされます(667条。清算人の職務の執行に不正の行為があったときを除く)。承認の日から2週間以内に清算結了の登記をします(929条3号)。
登記の費用と書類は、解散・清算結了登記の費用と書類、合同会社の登記の流れは合同会社の解散・清算結了登記で確認できます。
公告の文面や官報への申込みの細かい手順は、司法書士や官報サービスセンターへ確認してください。
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清算中の会社が毎年作る貸借対照表と事務報告
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合同会社の解散・清算結了登記
会社をたたむときの社会保険の手続き
解散・清算で受け取る残余財産の税金
清算結了後の帳簿資料の保存(10年間)
会社の解散決議の要件
公式一次情報
- e-Gov法令検索「会社法」(第499条・第500条・第501条・第502条・第503条・第507条・第660条・第661条・第664条・第667条・第929条)
- 国立印刷局「官報の書面・公告のお申込み」(公告の申込み先は各都道府県の官報サービスセンター等)
- 国立印刷局「会社法 法定公告について」(PDF)(解散公告は法令で官報掲載と定められている公告)
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