清算結了時の決算報告に書く4項目と承認の手順
株式会社が清算事務を終えたときに清算人が作る決算報告について、会社法施行規則が定める4つの記載事項、承認の順序、承認で清算人の責任が免除されるしくみ、合同会社の「清算に係る計算」との違いをまとめます。
2026年時点の制度株式会社が清算事務を終えたら、清算人は遅滞なく決算報告を作り、株主総会の承認を受けます(会社法507条1項・3項)。決算報告に書く内容は会社法施行規則150条が定めていて、収入の額・費用の額・残余財産の額・1株当たりの分配額の4つです。承認の日から2週間以内に清算結了の登記をすると、清算が終わります。
債権者への公告や弁済が終わったあとの最後の締めくくりにあたる手続きです。公告から弁済までは解散後の債権者への官報公告と催告、全体の順序は法人解散から清算結了までの流れを参照してください。
決算報告を作るタイミングと承認の順序
会社法507条1項は、清算株式会社は清算事務が終了したとき、遅滞なく法務省令で定めるところにより決算報告を作成しなければならないと定めています。債権の取立てや資産の処分が終わり、債務の弁済と残余財産の分配まで済んだ段階で作るものです。
承認の順序は、清算人会を置いているかどうかで変わります。
- 清算人会を置いている会社:決算報告を作り、清算人会の承認を受けてから、株主総会に提出して承認を受けます(507条2項・3項)。
- 清算人会を置いていない会社:決算報告を株主総会に提出し(または提供し)、承認を受けます(507条3項)。
清算人が誰になるかは、清算人の解説で説明しています。
決算報告に書く4項目と注記
会社法施行規則150条1項は、決算報告の内容を次の4つと定めています。1号と2号は、適切な項目に細分してよいとされています。
| 号 | 記載事項 |
|---|---|
| 1号 | 債権の取立て、資産の処分その他の行為によって得た収入の額 |
| 2号 | 債務の弁済、清算に係る費用の支払その他の行為による費用の額 |
| 3号 | 残余財産の額(支払税額がある場合は、その税額と、税額を控除した後の財産の額) |
| 4号 | 1株当たりの分配額(種類株式発行会社は、各種類の株式1株当たりの分配額) |
4号の1株当たりの分配額には、同条2項により、次の注記が必要です。
- 残余財産の分配を完了した日
- 残余財産の全部または一部が金銭以外の財産である場合は、その財産の種類と価額
つまり決算報告は、清算の期間中にいくら入り、いくら出て、最後に株主へいくら渡したかを示す書面です。収入の額と費用の額は、清算開始時に作った財産目録・貸借対照表(清算開始時の財産目録と貸借対照表)の金額と見比べながらまとめます。
残余財産が株主に分配されたときの株主側の税金は、解散・清算で受け取る残余財産の税金にあります。
承認されると清算人の責任はどうなるか
会社法507条4項は、株主総会の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償責任は免除されたものとみなすと定めています。決算報告の承認は、清算人の責任を区切る意味も持つわけです。
ただし、清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、この免除は働きません(同項ただし書)。
合同会社は「清算に係る計算」の承認
合同会社には、株式会社の「決算報告」という名前の書面の定めはありません。会社法667条1項は、清算持分会社は清算事務が終了したとき、遅滞なく清算に係る計算をして、社員の承認を受けなければならないと定めています。
社員が1か月以内にその計算について異議を述べなかったときは、承認したものとみなされます(同条2項)。清算人の職務の執行に不正の行為があったときは、このみなし承認は働きません。
| 項目 | 株式会社 | 合同会社 |
|---|---|---|
| 最後に作るもの | 決算報告(507条1項) | 清算に係る計算(667条1項) |
| 承認する人 | 株主総会(清算人会設置会社は先に清算人会) | 社員 |
| 承認の扱い | 総会の承認で清算人の責任を免除したものとみなす(507条4項) | 1か月以内に異議がなければ承認したものとみなす(667条2項) |
| 清算結了登記の起算日 | 株主総会の承認の日(929条1号) | 社員の承認の日(929条3号) |
合同会社の登記の流れは合同会社の解散・清算結了登記で確認できます。
承認のあとの清算結了登記と書類の保存
会社法929条は、清算が結了したときは、株式会社なら株主総会の承認の日から、合同会社なら社員の承認の日から、2週間以内に本店の所在地で清算結了の登記をしなければならないと定めています。登録免許税や添付書類は解散・清算結了登記の費用と書類にまとめています。
清算結了の登記のあとにも義務が残ります。会社法508条1項により、清算人は、清算結了の登記の時から10年間、帳簿と、事業および清算に関する重要な資料を保存します。詳しくは清算結了後の帳簿資料の保存を見てください。
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公式一次情報
- e-Gov法令検索「会社法」(第507条・第508条・第667条・第929条)
- e-Gov法令検索「会社法施行規則」(第150条 決算報告)
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