法人の運営と解散のまとめ|決算公告・休眠・清算・全喪届
会社を続ける間の決算公告から、休眠、解散、清算結了、社会保険の全喪届まで、時期の順に整理します。
会社法・日本年金機構会社を運営している間にも、畳むときにも、期限つきの手続きがいくつもあります。決算公告は株式会社だけに義務があり、休眠は放置すると「みなし解散」になり、解散後は登記と社会保険の届出が続きます。
このページは、それぞれの手続きがいつ必要になるかを時期の順に並べ、詳しい解説へ案内するまとめです。会社の種類が株式会社か合同会社かで、必要な手続きが変わる点も合わせて示します。
時期別の手続き一覧
次の表は、時期の順に並べた手続きの一覧です。期限は法令などで定められたものだけを載せています。
| 時期 | 手続き | 期限・条件 | 詳しい解説 |
|---|---|---|---|
| 運営中 | 決算公告(株式会社のみ) | 定時株主総会の終結後、遅滞なく | 決算公告とは |
| 事業を休む | 休眠(みなし解散の回避) | 最後の登記から12年で対象(株式会社) | 休眠会社とは |
| 解散を決めたあと | 解散の登記・清算人の登記 | どちらも2週間以内(清算人の登記は解散の日から) | 下の「流れ全体」の記事 |
| 解散を決めたあと | 適用事業所全喪届 | 事実発生から5日以内 | 会社をたたむときの社会保険 |
| 清算中 | 債権者への公告・催告 | 解散後、遅滞なく(株式会社は官報公告と、知れている債権者への催告。申出期間は2か月以上) | 債権者保護の公告 |
| 清算の終わり | 清算結了の登記 | 決算報告の承認の日から2週間以内(株式会社の場合) | 下の「流れ全体」の記事 |
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記事で確かめた内容を、申告書の記入や帳簿の付け方まで一冊で追いたいとき向けです。
運営中:決算公告
会社法440条は、株式会社は定時株主総会の終結後、遅滞なく貸借対照表を公告しなければならないと定めています。合同会社はこの条文の対象ではなく、決算公告は不要です。
公告の方法は、官報、日刊新聞紙、電子公告の3つです。方法と過料の扱いは、決算公告とはで整理しています。官報で載せる貸借対照表の要旨は決算公告の貸借対照表の要旨を確認してください。
事業を休むとき:休眠とみなし解散
事業を止めても、登記をそのままにして放置すると、株式会社は「みなし解散」の対象になります。会社法472条は、登記が最後にあった日から12年を経過した株式会社を休眠会社とし、法務大臣の公告に対して届出などをしない場合は解散したものとみなすと定めています。
みなし解散になる年度の数え方や、解散後に会社を継続する方法は、休眠会社とはで確認できます。会社名が「有限会社」の場合は、みなし解散の対象外です(特例有限会社の解散と清算)。解散せず株式会社に移行する手続きは特例有限会社から株式会社への移行にあります。
畳むとき:解散から清算結了まで
会社を畳むには、解散と清算の2段階が必要です。以下は株式会社の場合で、合同会社は条文が異なります。
株主総会の決議などで解散した場合の登記は、会社法926条により2週間以内です。取締役が清算人になる場合の清算人の登記も、会社法928条により解散の日から2週間以内とされています。
清算が終わると、決算報告の承認の日から2週間以内に清算結了の登記をします(会社法929条)。税務では、解散で事業年度が区切られます。消費税については、残余財産が確定したときは、確定した日を含む課税期間の末日の翌日から原則1か月以内に確定申告と納付をします(国税庁 No.6601)。
流れ全体は解散から清算結了までの流れ、債権者への公告は債権者保護の公告、消費税の扱いは解散時の消費税で解説しています。
社会保険:全喪届
社会保険に加入している会社が事業を廃止(解散)するときは、事業主が適用事業所全喪届を日本年金機構へ出します。提出時期は事実発生から5日以内で、提出先は事務センターまたは管轄の年金事務所です。
従業員や役員は、全喪届のあと自分で次の健康保険と年金を選びます。手続きの一覧と切替先は、会社をたたむときの社会保険の手続きに整理しています。
個人事業から法人へ切り替えるときの全喪届は、法人成りの社会保険手続きが別に扱っています。
公式情報
- e-Gov法令検索「会社法」(440条:計算書類の公告、472条:休眠会社のみなし解散、926条:解散の登記、928条:清算人の登記、929条:清算結了の登記)
- 日本年金機構「適用事業所が廃止等により適用事業所に該当しなくなったときの手続き」(全喪届の提出時期は事実発生から5日以内、提出先)
- 国税庁「No.6601 申告と納税」(清算中の法人で残余財産が確定したときの消費税の申告期限)
解散・清算と会社の変更手続きの個別ガイド
解散から清算結了まで、および運営中の変更手続きを、ガイドごとに確認できます。
解散と清算の手続き
会社の解散決議の要件
清算人とは
清算開始時の財産目録と貸借対照表
株式会社の解散登記・清算結了登記
合同会社の解散・清算結了登記
清算結了後の帳簿資料の保存
債務超過の会社を解散・清算するには
みなし解散された会社の法人税申告
解散・清算に伴う税と社会保険・労働保険
合同会社の解散後の事業年度と法人税の申告回数(株式会社との違い)
解散した法人の法人事業税・法人都民税
会社をたたむときの給与・源泉所得税の手続き
会社をたたむときの労働保険の手続き
解散・清算で受け取る残余財産の税金
運営中の変更手続きと決算まわり
会社の変更手続き早見表(登記の期限と費用)
会社の商号変更の登記と届出
事業目的の変更手続き(特別決議・登記期限・登録免許税)
代表取締役の変更手続き
代表取締役の住所変更登記
合同会社の代表社員が引っ越したときの住所変更登記
公告方法の変更手続き(官報から電子公告へ・登記は2週間以内)
取締役会を廃止する手続き
定時株主総会の開き方
法人の決算書の種類と見方
法人の決算整理仕訳の一覧
まとめ
- 決算公告は株式会社だけの義務で、合同会社は不要。
- 最後の登記から12年たった株式会社は、放置するとみなし解散の対象になる。
- 解散の登記と清算人の登記は解散の日から2週間以内、清算結了の登記は決算報告の承認の日から2週間以内。
- 社会保険の全喪届は、事実発生から5日以内に日本年金機構へ出す。
よくある質問
- 合同会社も決算公告が必要ですか?
- 必要ありません。会社法440条の決算公告の義務は株式会社が対象で、合同会社は対象に含まれていません(出典:会社法440条)。
- 休眠している会社を放置するとどうなりますか?
- 株式会社で登記が最後にあった日から12年を経過していると、法務大臣の公告に対して届出などをしない限り、解散したものとみなされます(出典:会社法472条)。
- 会社を解散したあと、最初に急ぐ手続きは何ですか?
- 社会保険に加入していれば、適用事業所全喪届を事実発生から5日以内に出します。登記は、解散の登記と清算人の登記が解散の日から2週間以内です(出典:日本年金機構、会社法926条・928条)。
- 清算結了の登記はいつまでにしますか?
- 決算報告の承認の日から2週間以内です。清算結了の登記が済むまで、会社は消滅しません(出典:会社法929条)。

