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課税売上割合に準ずる割合|承認申請書の出し方・期限・使える場面

個別対応方式で共通の課税仕入れ等を割り振るとき、課税売上割合の代わりに使える「準ずる割合」の条件、承認申請書の提出期限、土地の譲渡があった年の扱いを説明します。

2026年時点の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

課税売上割合に準ずる割合は、個別対応方式で、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の消費税を割り振るときに、課税売上割合の代わりに使える割合です。使うには、所轄の税務署長の承認を受けておく必要があります。国税庁のタックスアンサー No.6417 が手続きの要点を示しています。

  • 使えるのは個別対応方式で、免税事業者は対象外です。
  • 割合は、使用人の数、従事日数、使用面積など、共通の課税仕入れ等の性質に合う合理的なものに限られます。
  • 「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を、適用を受けたい課税期間の末日までに出します。
  • たまたま土地を売った年は、国税庁が示す2つの割合のうち低いほうで承認される取扱いがあります。

準ずる割合を使える場面

課税事業者が仕入控除税額を個別対応方式で計算するとき、課税売上げと非課税売上げの両方に共通して要する課税仕入れ等の消費税は、原則として課税売上割合で割り振ります。

ところが、課税売上割合で計算した控除額が事業の実態を映していないことがあります。国税庁は、準ずる割合で計算するほうが合理的な場合には、課税売上割合に代えて準ずる割合で計算できるとしています。

課税売上割合そのものの出し方や、個別対応方式と一括比例配分方式の違いは課税売上割合とは|95%ルールと個別対応方式・一括比例配分方式にあります。準ずる割合が使えるのは、そのうち個別対応方式の「共通して要するもの」の部分だけです。どの仕入れが共通になるかは個別対応方式の課税仕入れの3区分で確認できます。

承認がないまま準ずる割合で申告することはできません。課税売上割合で計算した結果が実態と合わないと感じたら、申告より先に承認申請を考えます。

使える割合の例と、分けて使う範囲

国税庁は、準ずる割合を「課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の性質に応じた合理的なもの」でなければならないとしています。例として、次が挙がっています。

  • 使用人の数または従事日数の割合
  • 消費または使用する資産の価額の割合
  • 使用数量の割合
  • 使用面積の割合

事業のすべてに同じ割合を当てる必要はありません。国税庁は、次の単位ごとに別の準ずる割合を当てられるとしています。

分け方例
事業の種類ごと賃貸事業と物販事業で別の割合にする
販売費・一般管理費などの費用の種類ごと広告費と水道光熱費で別の割合にする
事業場の単位ごと支店Aは準ずる割合、支店Bは課税売上割合のままにする

この分け方を使うときは、使う割合のすべてについて、税務署長の承認を受けます。国税庁の質疑応答では、事業部ごとに課税売上割合・事業部内の課税売上の割合・従業員割合を使い分ける案が、すべての割合が合理的で、実態が課税売上割合に反映されていない場合に限って認められるとされています。

承認申請書の出し方と期限

国税庁の手続案内(D1-27)によると、提出先は納税地を所轄する税務署長です。e-Taxのほか、書面を持参または送付する方法もあります。

提出の時期には、次の決まりがあります。

  1. 承認を受けた日の属する課税期間から適用できる。
  2. 適用を受けたい課税期間の末日までに申請書を出し、その翌日から1か月を経過する日までに承認を受けた場合は、その課税期間の末日に承認があったものとみなされ、当該課税期間から使える。
  3. 承認の審査には一定の期間がかかるため、時間的余裕をもって出す。

たとえば12月決算(個人は暦年)の事業者が、その年から準ずる割合を使いたいときは、12月31日までに申請書を出しておくのが目安です。承認が翌年1月31日までに下りれば、その年から使えるという流れです。

根拠は消費税法30条3項、消費税法施行令47条1項、消費税法施行規則15条1項です。タックスアンサーは、あわせて消費税法基本通達の11-5-7と11-5-8を根拠に挙げています。処分に不服があるときは、通知を受けた日の翌日から3か月以内に再調査の請求または審査請求ができます。

たまたま土地を売った年の取扱い

土地の譲渡は非課税ですが、その対価は課税売上割合の計算に入ります。土地の譲渡に伴う課税仕入れは対価に比べて少ないため、土地を売った年だけ課税売上割合が大きく下がり、控除額が減ることがあります。

国税庁の質疑応答事例は、土地の譲渡が単発で、譲渡がなかったとしても事業の実態に変動がないと認められる場合に限り、次の2つのうち低いほうの割合で承認してよいとしています。

  1. 土地を譲渡した課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
  2. 土地を譲渡した課税期間の前の課税期間の課税売上割合

「事業の実態に変動がない」とは、営業の実態が変わらず、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い割合の差が5%以内である場合とされています。

この承認は、たまたま土地を売った場合に行うものです。適用した翌課税期間には「消費税課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書」を出します。出さないと、翌課税期間以降の承認を取り消される場合があります。

95%の判定には使えない点

課税仕入れ等の消費税を全額控除できるのは、課税売上割合が95%以上で、課税売上高が5億円以下の事業者です。この95%かどうかは、承認を受けた準ずる割合ではなく、課税売上割合で判定します(消費税法基本通達11-5-9)。

国税庁の質疑応答の例では、課税売上高4億円・課税売上割合80%の事業者が、事業部門ごとに承認を受けました。ある部門の準ずる割合が95%以上でも、全体の課税売上割合が95%未満なので、全額控除にはなりません。個別対応方式か一括比例配分方式で計算し、個別対応方式なら共通分の部分に承認を受けた準ずる割合を使います。

簡易課税を選んでいる事業者は仕入控除税額を課税仕入れから計算しないため、この論点の対象外です。簡易課税の仕組みは簡易課税制度とはを、本則課税の申告書の書き方は消費税申告書(本則課税)の書き方を見てください。

よくある質問

課税売上割合に準ずる割合は、届出だけで使えますか?
使えません。納税地の所轄税務署長に「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を出し、承認を受ける必要があります。承認を受けた日の属する課税期間から適用されます。
いつまでに申請すれば、その年から使えますか?
適用を受けたい課税期間の末日までに申請書を出し、その翌日から1か月を経過する日までに承認を受けた場合は、その課税期間から使えます。審査に期間がかかるため、早めに出すよう国税庁は案内しています。
準ずる割合にはどんなものを使えますか?
使用人の数または従事日数の割合、消費または使用する資産の価額、使用数量、使用面積の割合など、共通して要する課税仕入れ等の性質に応じた合理的なものです。
準ずる割合が95%以上なら、課税仕入れを全額控除できますか?
できません。全額控除の判定は課税売上割合で行い、承認を受けた準ずる割合では判定しません(消費税法基本通達11-5-9)。

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消費税の判定の順番は消費税のまとめにあります。

公式一次情報

本則と簡易の消費税額を並べて見たい

売上と仕入を入れて、本則課税・簡易課税・2割特例・3割特例の概算を比べられます。

本記事について。税理士監修前の概説です。準ずる割合が合理的かどうかは事業の実態によって変わるため、申請の前に税務署または税理士へ確認してください。出典:国税庁。