ガイド

清算中の法人の最後の確定申告|残余財産確定の翌日から1か月以内

解散した会社が清算を終えるとき、最後の事業年度の法人税の確定申告は、通常の「2か月以内」ではなく「残余財産の確定の日の翌日から1か月以内」に出します。期限の数え方、最後の分配が早いときの前倒し、所得がない場合、納付の期限を法人税法の条文で整理します。

2026年時点の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

清算中の会社は、債権の取立てと債務の弁済を終えて、残った財産(残余財産)を株主に分配すると、その時点で法人税の面でも最後の事業年度が終わります。最後の事業年度の確定申告は、残余財産の確定の日の翌日から1か月以内です(法人税法74条2項)。通常の確定申告より1か月早い期限です。

この記事は、通算制度を使っていない普通の会社を前提に書いています。解散から清算結了までの全体の順序は法人解散から清算結了までの流れで確認できます。

最後の事業年度は残余財産が確定した日で終わる

法人税法14条1項は、事業年度の途中で一定の事実が生じたときは、その日に事業年度が終わると定めています。解散のときは1号で「解散の日」、清算の最後は5号で「清算中の法人の残余財産が事業年度の中途において確定したことその残余財産の確定の日」です。

つまり、清算中の会社が通常の決算日より前に残余財産を確定させると、その確定の日までが最後の事業年度になります。清算中の毎年の決算については清算中の会社が毎年作る貸借対照表と事務報告で説明しています。

申告の期限|1か月以内と、最後の分配が早いときの前倒し

各事業年度の確定申告の期限は、法人税法74条1項で「事業年度終了の日の翌日から2か月以内」です。清算中の法人の残余財産が確定した場合は、同条2項がこの期限を次のように読み替えます。

場合最後の事業年度の申告期限
通常の事業年度(74条1項)事業年度終了の日の翌日から2か月以内
残余財産の確定の日の属する事業年度(74条2項)確定の日の翌日から1か月以内
その1か月以内に残余財産の最後の分配または引渡しが行われる場合(74条2項かっこ書)最後の分配または引渡しが行われる日の前日まで

3行目の前倒しは見落とされやすい点です。条文は最後の分配より前に申告を済ませる形にしています。分配の日を決めるときは、申告書を作り終える日から逆算します。

期限の数え方の例

残余財産が令和8年12月18日に確定した場合を考えます。期限は「確定の日の翌日(12月19日)から1か月以内」なので、令和9年1月18日です。

残余財産の確定の日最後の分配・引渡しの日申告期限
令和8年12月18日1か月より後(令和9年2月など)令和9年1月18日
令和8年12月18日令和9年1月12日令和9年1月11日(分配の日の前日)

日付の数え方は、国税通則法10条の期間計算の考え方で確認してください。期限が土日祝日にあたるときの扱いなど、個別の日付は税務署または税理士に確かめるのが確実です。

所得がない・赤字でも申告書は出すのか

法人税法74条1項は、内国法人は確定申告書を提出しなければならないとし、記載事項の1号に「所得の金額又は欠損金額」を挙げています。条文は、所得があるときだけ申告を求める書き方にはなっておらず、欠損でも提出の対象として書かれています。

残余財産がほとんど残らない会社でも、最後の事業年度の申告書を出す前提で日程を組みます。債務超過で解散する場合の欠損金の扱いは、解散時の期限切れ欠損金の損金算入に整理しています。

納付の期限と添付書類

納付は法人税法77条により、確定申告書に書いた納付すべき税額がある場合に、申告書の提出期限までに納めます。提出期限が1か月以内なら、納付の期限も同じ日です。

申告書には、74条3項により、その事業年度の貸借対照表、損益計算書その他の財務省令で定める書類を付けます。清算の最終の貸借対照表と、会社法の決算報告(清算結了時の決算報告に書く4項目)の数字が合うように作ります。

法人税以外の申告は別に確認する

この記事の1か月以内は、法人税法74条2項の定めです。ほかの税は、根拠の条文が違うため同じ期限とは限りません。

実際の申告書の作成と期限の確認は、税理士へ相談してください。

次に読む

公式一次情報

本記事について。税理士監修前の概説です。申告期限や納付額は、会社の状況(通算制度の適用、分配の時期、所得の有無など)によって変わります。最後の事業年度の申告は、税理士へ確認してください。

あわせて読む