個人事業主の所得控除まるわかり一覧|16種類の対象・控除額を比較
基礎控除から令和7年分新設の特定親族特別控除まで、所得税の所得控除16種類を1ページで比較します。
国税庁の制度所得税の所得控除は、国税庁の分類で全16種類あります。収入から必要経費を引いた所得から、さらにこれらの控除を差し引いた金額(課税所得)に税率がかかるため、使い忘れると納める税金が余計に多くなります。
本記事では16種類を一覧表で比較し、当サイトで個別に深掘りしている11種類は詳細ページへ、残る5種類(基礎控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除・勤労学生控除・特定親族特別控除)は本記事内で解説します。
| 控除名 | 対象になる人 | 控除額の目安 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 合計所得2,500万円以下の全ての納税者 | 所得132万円以下は95万円、以降は所得帯により48万〜58万円 |
| 社会保険料控除 | 本人・生計を一にする家族の社会保険料を支払った人 | 支払った全額 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済・iDeCo等の掛金を支払った人 | 支払った全額 |
| 生命保険料控除 | 生命保険料等を支払った人 | 新契約は3区分合計上限12万円 |
| 地震保険料控除 | 地震保険料を支払った人 | 所得税最高5万円 |
| 医療費控除 | 一定額を超える医療費を支払った人 | 支払った医療費-保険金-10万円(所得200万円未満は5%)、上限200万円 |
| 寄附金控除 | 国・認定NPO法人・公益法人・政党等に寄附した人 | 総所得の40%-2,000円(税額控除も選択可) |
| 雑損控除 | 災害・盗難・横領で生活用資産に損害を受けた人 | 2つの計算式の多い方(3年繰越可) |
| 障害者控除 | 本人・扶養親族が障害者に該当する人 | 27万円(特別障害者40万円・同居特別障害者75万円) |
| 寡婦控除 | 一定要件を満たす寡婦 | 27万円 |
| ひとり親控除 | 一定要件を満たすひとり親 | 35万円 |
| 勤労学生控除 | 合計所得85万円以下(令和7年分以降)の勤労学生 | 27万円 |
| 配偶者控除 | 配偶者の合計所得62万円以下等 | 本人所得帯により最大38万円 |
| 配偶者特別控除 | 配偶者の合計所得62万円超133万円以下 | 所得帯により最大38万円 |
| 扶養控除 | 16歳以上の扶養親族がいる人 | 一般38万円・特定63万円・老人48万円・同居老親58万円 |
| 特定親族特別控除 | 19歳以上23歳未満・合計所得58万円超123万円以下の親族がいる人(令和7年分新設) | 所得帯により最大63万円 |
基礎控除
合計所得金額が2,500万円以下であれば、ほぼ全ての納税者が使える控除です。令和7年分・8年分は、合計所得132万円以下で95万円、132万円超336万円以下で58万円、336万円超489万円以下で68万円、489万円超655万円以下で63万円、655万円超2,350万円以下で58万円と、所得帯によって金額が変わります。
2,350万円を超えるとさらに段階的に縮小し、2,500万円を超えると控除額はゼロになります。個人事業主・フリーランスの多くは事業所得が655万円以下の帯に収まるため、58万円以上の基礎控除を受けられるケースが中心です。
社会保険料控除
国民健康保険・国民年金・国民年金基金など、本人や生計を一にする家族が負担する社会保険料は、支払った全額が控除されます。上限はありません。
健康保険・厚生年金・船員保険・後期高齢者医療制度の保険料、雇用保険料なども対象です。年末に届く控除証明書や納付額の記録を確定申告書に反映します。
小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済の掛金、確定拠出年金(iDeCo等)の加入者掛金、心身障害者扶養共済制度の掛金は、支払った全額が所得控除になります。こちらも上限の定めはありません(小規模企業共済自体の掛金上限は月7万円・年84万円)。
掛金を支払った証明書を確定申告書の該当欄に添付・記載して申告します。
勤労学生控除
納税者本人が勤労学生に該当する場合、27万円の所得控除が受けられます。対象は、給与所得などの勤労による所得があり、合計所得金額の要件を満たし、学校教育法上の学校等に在学している人です。
合計所得金額の要件は、令和7年12月1日施行の改正で75万円以下から85万円以下へ引き上げられました。令和7年分から新しい要件が適用されます。
特定親族特別控除(令和7年分新設)
令和7年分の所得税から新設された控除です。19歳以上23歳未満で、配偶者・青色事業専従者・白色事業専従者のいずれにも該当しない親族(生計を一にする人)のうち、合計所得金額が58万円超123万円以下の人がいる場合に受けられます。
控除額は合計所得金額に応じて段階的に減り、58万円超85万円以下で63万円、85万円超90万円以下で61万円、90万円超95万円以下で51万円、100万円超105万円以下で31万円、120万円超123万円以下で3万円です。個人事業主が19〜22歳の子(大学生等でアルバイト収入がある場合など)を扶養しているケースで見落としやすい控除です。
個別ページで詳しく解説している11種類
雑損控除・医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除は、それぞれ計算方法や必要書類が細かいため、個別ガイドで詳しく解説しています。雑損控除・医療費控除・生命保険料控除・地震保険料控除・寄附金控除を参照してください。
本人・家族の状況に応じた人的控除は、障害者控除・ひとり親控除・寡婦控除、配偶者控除・配偶者特別控除、扶養控除の3ガイドに分けて解説しています。
まとめ
- 所得税の所得控除は全16種類(令和7年分から特定親族特別控除が加わった)。
- 基礎控除・社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除は対象範囲が広く、多くの個人事業主が使える。
- 社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除は支払った全額が控除対象で上限がない。
- 勤労学生控除は令和7年分から所得要件が85万円以下へ拡大された。
- 特定親族特別控除は19〜22歳の親族がいる場合に見落としやすい、令和7年分の新設控除。
- 雑損・医療費・生保・地震保険・寄附金・人的控除・配偶者・扶養の11種類は、それぞれの個別ガイドで詳しく解説。
利益から税金・社会保険料がいくらになるかは確定申告の税額試算で、税金・社会保険の全体像は個人事業主が払う税金・社会保険の一覧で確認できます。
公式一次情報
- 国税庁「No.1100 所得控除のあらまし」(所得控除16種類の一覧)
- 国税庁「No.1199 基礎控除」(合計所得金額の段階別控除額)
- 国税庁「No.1130 社会保険料控除」(支払った全額が控除対象)
- 国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」(対象となる掛金の種類)
- 国税庁「No.1175 勤労学生控除」(控除額27万円、令和7年分から所得要件85万円以下)
- 国税庁「No.1177 特定親族特別控除」(令和7年12月1日施行、対象要件と控除額の段階表)
よくある質問
- 所得控除は全部で何種類ありますか?
- 国税庁の分類で16種類です(令和7年分から特定親族特別控除が加わりました)(出典:国税庁)。
- 上限なく全額が控除される所得控除はありますか?
- 社会保険料控除と小規模企業共済等掛金控除は、支払った金額の全額が控除され、上限の定めがありません(出典:国税庁)。
- 特定親族特別控除とはどんな控除ですか?
- 令和7年分の所得税から新設された控除で、19歳以上23歳未満・合計所得58万円超123万円以下の親族がいる場合に、所得帯に応じて最大63万円が控除されます(出典:国税庁)。