ガイド
許認可の法人成りを業種別に比較
建設業・飲食店営業・酒類販売・産業廃棄物収集運搬・古物商・宅建業・労働者派遣・一般貨物運送・旅行業・軽貨物の10業種を、個人の許認可を法人に引き継げるか、法人で新規に申請し直すかで並べました。
所管官庁・自治体の公式情報にもとづく編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典
個人事業主が持つ許認可は、会社をつくっただけでは法人のものになりません。業種によって、事前に認可を受ければ地位を引き継げるものと、法人が新規に申請し直すものに分かれます。この違いが、営業を止めずに済むかどうかを左右します。
このページは10業種の分かれ目を一覧にしたものです。申請の時期、手数料、必要書類は業種ごとのガイドで、所管官庁や自治体の手引きに沿って整理しています。
引き継ぐ手続きがある業種
個人から法人へ事業を譲渡する形で、許可や地位を引き継ぐ制度がある業種です。いずれも、手続きを済ませる前に営業を法人へ移すと空白が生じるため、先に所管の窓口へ日程を確認します。
- 建設業許可:令和2年10月1日から、事業を譲渡する前にあらかじめ認可を受ければ、許可の空白期間なしで地位を引き継げます。東京都は承継予定日の2か月前から25日前までが受付期間です。
- 飲食店営業許可:2023年12月13日以後は、個人から法人へ営業の全部を譲渡する法人成りなら、法人が新規許可を取り直さずに地位を承継できます。
- 一般貨物自動車運送事業:近畿運輸局は、個人から法人になるときも事業の譲渡譲受の認可申請が必要だとしています。
- 軽貨物(貨物軽自動車運送事業):許可ではなく届出の制度です。個人事業を新法人へ全部譲渡する場合と、個人側を廃止して法人が新たに届け出る場合があり、管轄の運輸支局に先に確認します。
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法人で新規に申請する業種
個人の許認可を法人へ移す手続きが示されておらず、法人が自分の名義で申請し直す業種です。個人の許認可は、法人の許可とは別に返納や取消しなどの手続きが関係します。
- 酒類販売業免許:国税庁は、法人が新規免許を申請し、あわせて個人の免許の取消申請を同時に出す扱いを定めています。
- 産業廃棄物収集運搬業許可:東京都や千葉県の手引きは、個人事業者が法人を設立した場合を新規許可の申請が必要な場合として扱っています。
- 古物商許可:法人名義で新規に申請します。警視庁の案内では、個人許可と法人許可で必要書類が別々に定められています。
- 宅建業免許:法人名義で免許を新規に申請します。東京都の手引きは、個人の免許は個人が営むため、法人の免許は法人格を持つ者が営むためのものと説明しています。
- 労働者派遣事業の許可:法人が許可を申請します。厚生労働省の資料には、個人の許可を法人へ引き継ぐ手続は示されていません。
- 旅行業登録:変更手続きではなく、法人が登録を申請し直します。観光庁の旅行業法施行要領に、個人営業を法人営業に改める場合の扱いとして明記されています。
10業種の比較表
| 業種 | 法人成りのときの扱い | 所管 | 個別ガイド |
|---|---|---|---|
| 建設業許可 | 事前認可で引き継ぎ | 都道府県(大臣許可は国土交通省) | |
| 飲食店営業許可 | 営業の全部を譲渡する法人成りなら地位を承継(2023年12月13日以後) | 保健所 | |
| 一般貨物自動車運送事業 | 譲渡譲受の認可 | 運輸局 | |
| 軽貨物 | 事業全部の譲渡の届出、または個人側の廃止と法人の新規届出 | 運輸支局 | |
| 酒類販売業免許 | 法人が新規申請、個人の免許は取消申請を同時に提出 | 税務署 | |
| 産業廃棄物収集運搬業許可 | 法人が新規許可を申請 | 都道府県 | |
| 古物商許可 | 法人名義で新規申請 | 警察(公安委員会) | |
| 宅建業免許 | 法人名義で新規申請 | 都道府県 | |
| 労働者派遣事業 | 法人が許可を申請 | 厚生労働省(労働局) | |
| 旅行業登録 | 法人が登録を申請し直し | 観光庁・都道府県 |
所管は代表的な窓口です。営業所の所在地や許可の区分で窓口が変わるため、申請前に窓口へ確認してください。
日程の組み方
- 許認可の種類ごとに、引き継ぎか新規申請かを上の表で確認する。複数の許認可を持つ場合は、それぞれ別の窓口に別の手続きがあります。
- 引き継ぎ型は、承継の予定日から逆算する。建設業は受付期間が承継予定日より前に区切られているため、法人の設立日を先に決めて逆算します。
- 新規申請型は、法人の設立登記のあとに申請する。許可が下りるまでの審査期間は業種ごとに違うため、個別ガイドで標準処理期間を確認し、個人の許認可を廃止する時期は法人の許可日を見て決めます。
- 税務署への届出は別に進める。法人設立の届出は提出先別の一覧で確認できます。
まとめ
- 引き継ぐ手続きがあるのは、建設業・飲食店営業・一般貨物運送(と、届出制度の軽貨物)。
- 酒類・産廃・古物・宅建・派遣・旅行業は、法人が新規に申請し直す。
- 引き継ぎ型は承継の予定日より前の手続きが要るため、設立日から逆算する。
- 新規申請型は審査の期間があるため、個人の許認可を廃止する時期を法人の許可日に合わせる。
よくある質問
- 個人の許可は、法人をつくれば自動で法人のものになりますか?
- なりません。このページで扱う10業種は、いずれも法人をつくっただけでは営業できず、引き継ぐ手続きか、法人による新規申請のどちらかが必要です。
- 引き継げる業種は、どれですか?
- 建設業許可は事前認可、飲食店営業許可は営業の全部を譲渡する法人成りで地位の承継、一般貨物自動車運送事業は譲渡譲受の認可があります。軽貨物は許可ではなく届出です。
- 新規申請が必要な業種では、個人の許認可はどうなりますか?
- 酒類販売業免許は、個人の免許の取消申請を法人の新規申請と同時に出す扱いです。古物商は個人許可の返納が関係します。ほかの業種は個別ガイドで確認してください。
- このページに載っていない業種はどうすればよいですか?
- 所管の窓口(保健所、都道府県、運輸局、警察など)に、個人から法人へ変わる場合の手続きを確認します。引き継ぎ制度がなければ、法人での新規申請が必要になります。
公式一次情報
本記事について。税理士・行政書士監修前の概説です。各業種の扱いは、個別ガイドが確認した所管官庁・自治体の手引きにもとづきます。申請の時期や必要書類は地域と許可の区分で異なり、改定されることがあるため、申請前に所管の窓口へご確認ください。
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