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一人親方(建設業)が法人成りするときの手続き|労災の特別加入・建設業許可・社会保険の切り替え

一人親方が法人を作ると、労災の特別加入は一人親方団体のものから切り替えが必要になり、建設業許可を持っている場合は法人への承継に事前の認可が要ります。提出先と根拠を、厚生労働省と建設業法の記載どおりに整理しました。

厚生労働省・e-Gov法令検索の記載にもとづく
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典

建設業の一人親方が法人にすると、労災・許可・社会保険の3つが同時に変わります。

このページは、一人親方に固有の「労災の特別加入」と「建設業許可」の切り替えに絞っています。法人設立の一般的な流れは「会社設立の手順と設立後の届出一覧」、届出を窓口別に見たい場合は「法人成りの届出を提出先別に整理」、社会保険の考え方は「法人成りと社会保険」、個人名義の契約の引き継ぎは「個人事業の許認可の引き継ぎ」を見てください。

切り替えが必要なものの一覧

項目法人化で起きること手続きの相手
労災の特別加入一人親方としての要件を満たさなくなった日に、特別加入者の地位が消える一人親方団体の変更届・脱退、法人側は労働保険事務組合を通じて中小事業主の特別加入
建設業許可個人の許可は法人に自動では移らない。許可に係る建設業の全部を譲渡する形で、事前の認可を受けたときに地位を承継する許可を出した国土交通大臣または都道府県知事
社会保険個人の国民健康保険・国民年金から、法人の健康保険・厚生年金に移る年金事務所

費用は、特別加入の保険料率(厚生労働省が料率表を公表)、許可の手数料(許可を出す行政庁ごとに異なる)、社会保険料の会社負担分に分かれます。許可の手数料額は法令に書かれていないため、このページでは金額を載せていません。申請先の窓口で確認してください。

労災の特別加入はどう変わるか

一人親方の特別加入は、労働者を使用しないで建設などの事業を行うことを常態とする一人親方等が対象です。厚生労働省の「しおり(一人親方その他の自営業者用)」には、労働者を使う日の合計が1年間に100日に満たなければ、一人親方等として加入できると書かれています。

同じしおりに、一人親方等が特別加入者としての要件を満たさなくなったときは、その日に特別加入者としての地位が消滅する、とあります。法人を作って事業を移した日以降は、個人の一人親方としての加入は続けられません。切り替えの日に空白ができないよう、団体の変更届・脱退と、次の加入の時期を合わせて決めておく必要があります。

法人になった後は、中小事業主等の特別加入に当たります。厚生労働省のしおり(中小事業主等用)では、事業主が法人であるときはその代表者が対象で、代表者以外の役員は「労働者以外で事業に従事する人」にあたります。

申請は労働保険事務組合を通じて、労働基準監督署長を経由して労働局長に出します。労働局長の承認は、申請の日の翌日から30日以内で申請者が希望する日となります。

つまり、法人化の予定日の少なくとも1か月前には、事務組合に委託して申請を出す段取りが必要です。承認日は希望した日になるため、希望日を法人の事業開始日に合わせます。

中小事業主として認められる企業規模(常時使用する労働者数)は、業種ごとにしおりの表1に定められています。建設業の人数は、申請前にしおりの表で確かめてください。

建設業許可は引き継げるか

許可を持たずに「軽微な建設工事」だけを請け負っている一人親方は、許可の承継は関係ありません。軽微な工事は、建設業法施行令第1条の2で、1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない工事、または延べ面積150平方メートル未満の木造住宅の建築一式工事とされています。材料を注文者が提供するときは、その市場価格などを請負代金に加えて判定します。

個人で許可を取っている場合は、建設業法第17条の2が使えます。許可に係る建設業の全部の譲渡を行う場合に、譲渡人と譲受人があらかじめ認可を受けたときは、譲受人は譲渡及び譲受けの日に建設業者としての地位を承継します。認可は、譲渡人が大臣許可なら国土交通大臣、知事許可なら原則その都道府県知事です。

  • 認可は事前に受けます。法人を作ってから許可を取り直すと、法人は許可のない期間を挟みます。
  • 承継した後の許可の有効期間は、承継の日の翌日から数え直します(同条第7項)。
  • 認可には、一般建設業の許可の場合、許可の要件(第7条・第8条)が法人側で準用されます。経営業務の管理や専任技術者の要件を、法人で満たすかの確認が先です。

社会保険の切り替え

日本年金機構の公式ページでは、常時従業員(事業主のみの場合を含む)を使用する法人事業所は、厚生年金保険と健康保険の加入が法律で義務づけられています。個人の国民健康保険・国民年金から外れる手続きは市区町村で行い、法人の新規適用は事実発生から5日以内に年金事務所へ届けます。

建設国保など業界団体の保険を使っている場合は、法人でも加入を続けられるかが組合ごとに異なります。除外の承認を受けて続ける仕組みは「法人成りと国保組合の適用除外」で整理しています。

元請から、特別加入の加入状況や社会保険の加入を現場に入る条件として求められることがあります。切り替えの時期に、元請へ提出する書類の名義が個人から法人に変わる点にも注意してください。取引条件の一般的な見直しは、契約の引き継ぎのガイドにまとめています。

公式一次情報

確認日は2026年10月9日です。

よくある質問

法人にした後も、一人親方団体の特別加入は続けられますか?
続けられません。厚生労働省のしおりでは、一人親方等が特別加入の要件を満たさなくなった日に、特別加入者の地位が消滅するとされています。法人の代表者は、労働保険事務組合を通じた中小事業主等の特別加入に切り替えます。
個人で取った建設業許可は、法人に自動で引き継がれますか?
自動では引き継がれません。建設業法第17条の2により、許可に係る建設業の全部を譲渡し、事前に認可を受けたときに、法人が建設業者としての地位を承継します。
500万円未満の工事だけなら、許可の手続きは要りませんか?
許可を持っていない場合、1件の請負代金が500万円(建築一式工事は1,500万円)に満たない軽微な工事だけなら、許可は不要です(建設業法施行令第1条の2)。材料を注文者が提供するときは、その市場価格などを請負代金に加えて判定します。
本記事について。税理士・社会保険労務士・行政書士の監修前の概説です。特別加入の企業規模や許可の手数料は改定・自治体差があるため、最新の内容は各公式サイトと窓口でご確認ください。
編集:個人事業主のお金ラボ編集部(合同会社フューチャープロンプト) / 運営方針・出典