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消費税課税事業者選択不適用届出書の書き方と提出時期|出せる日・出せない場合

課税事業者の選択をやめて免税事業者に戻るための届出書について、国税庁の記載要領にそって、欄ごとの書き方、提出できる日、出せない場合を整理します。

国税庁の制度
編集:個人事業主のお金ラボ編集部 / 運営方針・出典

還付を受けるために課税事業者選択届出書を出した人は、その届出書を取り消さない限り、売上が小さくなっても免税事業者には戻れません。戻るための書類が「消費税課税事業者選択不適用届出書」です。

この届出書は、いつでも出せるわけではありません。ここでは、出せる日、効力が生じる時期、欄ごとの書き方、出せない場合を順に説明します。選択届出書そのものは課税事業者選択届出書で整理しています。

不適用届出書を出す場面

選択をやめる届出:国税庁の記載要領では、この届出書は消費税課税事業者選択届出書を出している事業者が、その選択をやめようとする場合または事業を廃止した場合に提出します。

提出先は、納税地を所轄する税務署長です。e-Taxでも、書面での持参・送付でも出せます。

事業を廃止したときは、この届出書に廃止した旨を書いて出せば、別に「事業廃止届出書」を出す必要はありません。国税庁の記載要領は、消費税法第57条第1項第3号を根拠にしています。

なお、簡易課税を選んでいる人がやめる届出は別の書類です。簡易課税制度選択届出書を出している場合は、この届出書を出しても、簡易課税制度選択不適用届出書を出さない限り簡易課税の効力は続きます。簡易課税の側は簡易課税制度選択届出書で扱っています。

出せる日と効力が生じる日

出す時期には、上限と下限の2つがあります。

区分内容
提出期限(上限)免税事業者に戻ろうとする課税期間の初日の前日まで
出せる日(下限)事業を廃止した場合を除き、選択届出書の効力が生じた日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後
効力が生じる日提出した日の属する課税期間の翌課税期間から

効力が翌課税期間から生じるため、「やめたい期の初日の前日まで」に出す、という期限になります。個人事業者なら、免税に戻りたい年の前年12月31日までです。

国税庁は、「2年を経過する日の属する課税期間の初日」について、個人事業者または事業年度が1年の法人では、原則として選択届出書の効力が生じた年または事業年度の翌年または翌事業年度の初日になる、と説明しています。

個人事業者と3月決算法人の日付の例

国税庁の説明をもとに、日付を当てはめた例です。実際の判定は、お手元の選択届出書の「適用開始課税期間」の初日から数えて確認してください。

項目個人事業者の例3月決算法人の例
選択届出書の効力が生じた日2024年1月1日2024年4月1日
その日から2年を経過する日2025年12月31日2026年3月31日
その日の属する課税期間2025年分2025年4月1日〜2026年3月31日
不適用届出書を出せる最初の日2025年1月1日2025年4月1日
2025年中(事業年度中)に出した場合の効力2026年分から2026年4月1日開始の事業年度から
提出期限(その効力にする場合)2025年12月31日2026年3月31日

つまり、課税事業者を選んだ最初の2期分(上の個人事業者の例では2024年分と2025年分)は、必ず課税事業者として申告します。2025年中に出せば、免税になるのは3期目の2026年分からです。

反対に、2024年分の途中の2024年12月に出そうとしても、まだ出せる日(2025年1月1日)に達していないため、受け付けられません。期限だけでなく、早すぎる提出にも注意が必要です。

欄ごとの書き方

国税庁の記載要領では、主な欄の書き方は次のとおりです。

欄書くこと
①この届出の適用開始課税期間課税選択をやめようとする課税期間の初日と末日
②①の基準期間①の課税期間の基準期間の初日と末日
③②の課税売上高基準期間に国内で行った課税資産の譲渡等の対価の額の合計額(消費税額・地方消費税額を含まない金額)
課税事業者となった日先に出した選択届出書の「適用開始課税期間」欄の初日
事業を廃止した場合の廃止した日事業を廃止したときだけ、その年月日
提出要件の確認課税事業者となった日から2年を経過する日までに開始した各課税期間中に、調整対象固定資産の課税仕入れ等がないことの確認
参考事項ほかに参考となる事項があるとき

③の課税売上高には、輸出取引の売上高を含み、売上げに係る対価の返還等の金額(税抜き)は含みません。基準期間が1年に満たない法人は、その期間の合計額を月数で割って12倍した金額を書きます。

基準期間の考え方は消費税の基準期間で確認できます。個人事業者が控えを保管するときは、控えにはマイナンバーを書かないなど、取り扱いに注意するよう記載要領が求めています。

調整対象固定資産を買ったときは3年間出せない

課税事業者になってから2年のあいだに、100万円以上の調整対象固定資産を買うと、不適用届出書を出せる日がさらに先になります。正確には、課税事業者になった日から2年を経過する日までに開始した課税期間中の課税仕入れ等が対象です。事業を廃止した場合は別です。

  • 調整対象固定資産とは、棚卸資産以外の資産で、建物とその附属設備、構築物、機械装置、車両運搬具、工具器具備品などのうち、一の取引単位の価額(税抜き)が100万円以上のもの。
  • 仕入れ等をした日の属する課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、不適用届出書は出せない(簡易課税の適用を受けている課税期間を除く)。
  • この制限の期間中に、不適用届出書を出したあと同じ課税期間に調整対象固定資産を買った場合は、すでに出した届出書は提出がなかったものとみなされる。

個人事業者が2024年分に選択し、2025年に200万円(税抜き)の機械を買った例では、2025年分の初日から3年を経過する日は2027年12月31日です。その日の属する2027年分の初日(2027年1月1日)以後でないと出せず、免税事業者に戻れるのは早くても2028年分からです。

通常の2年間より1年長くなる点が、見落とされやすい部分です。関連する制度は、調整対象固定資産と3年間の調整と高額特定資産の3年縛りで確認できます。

出したあとに確認すること

不適用届出書を出しても、次の場合は課税事業者のままになります。

  • 特定期間の課税売上高が1,000万円を超える:その課税期間は納税義務が免除されません。記載要領は、この場合に「消費税課税事業者届出書(特定期間用)」を出すとしています。特定期間は、個人事業者ではその年の前年1月1日から6月30日までです。判定は特定期間の課税売上高で整理しています。給与等支払額の合計額で判定する方法もあります。
  • 適格請求書発行事業者の登録を受けている:国税庁は、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも、登録を受けている場合は納税義務は免除されないとしています。登録をやめる手続は別です。インボイスの登録取消を参照してください。
  • 基準期間の課税売上高が1,000万円を超える:免税事業者に戻れる条件を満たしません。

出したあとに届出の状況を確かめたいときは、消費税の届出状況を確認する方法があります。実際の税額の差は消費税4方式の比較シミュレーターで試算できます。

次に知りたいこと

消費税の届出書の一覧と期限は届出一覧、判定から申告までの流れは消費税のまとめにあります。

公式情報

まとめ

  • 課税事業者の選択をやめるには、消費税課税事業者選択不適用届出書を出す。
  • 提出期限は免税に戻りたい課税期間の初日の前日まで。個人なら前年12月31日。
  • 出せるのは、選択の効力が生じた日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後。それより前は出せない。
  • 2年のあいだに100万円以上の調整対象固定資産を買うと、仕入れの課税期間の初日から3年を経過する日の属する課税期間の初日以後になる。
  • 出しても、特定期間の売上が1,000万円超やインボイスの登録中は課税事業者のまま。

よくある質問

課税事業者選択不適用届出書は、いつまでに出しますか?
免税事業者に戻ろうとする課税期間の初日の前日までです。個人事業者なら前年12月31日が期限になります。効力は、提出した日の属する課税期間の翌課税期間から生じます(出典:国税庁)。
選択して1年で、免税事業者に戻れますか?
戻れません。事業を廃止した場合を除き、選択届出書の効力が生じた日から2年を経過する日の属する課税期間の初日以後でなければ、不適用届出書を出せません(出典:国税庁)。
事業をやめるときも、不適用届出書は必要ですか?
この届出書に事業を廃止した旨を書いて出せば、別に事業廃止届出書を出す必要はありません。事業を廃止した場合は、2年間の制限も受けません(出典:国税庁の記載要領)。
本記事について。税理士監修前の概説です。届出の期限や適用の可否は個別の事情で変わるため、届出前に税務署または税理士へ確認してください。